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2013/11/15

【1/3】愛と革命の詩 -アンドレア・シェニエ-/ Mr.Swing ! 観劇記

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宝塚歌劇・花組東京公演「愛と革命の詩 -アンドレア・シェニエ-/ Mr.Swing !」、あきらめていましたが、幸運の女神さまからのご厚意をいただいて観劇できました。

トップスターの蘭寿とむ(らんじゅ・とむ)さんの卒業も発表になり、しかもこの作品の評判も良かったので、かなりなチケット入手困難状態でしたが、なんとか見られたのです。☆幸運の女神さまに感謝<(_ _)>

たぶん一回では書き切れないと思うので、三回に分けて書こうと思っています。

先ずは、「ミュージカル・愛と革命の詩」から。
全体的な印象は、宝塚らしい愛が根底にある物語で、舞台はフランス革命のさなかという、これも宝塚には持って来いの設定で、ファンにはうれしいものでした。

フランス革命という激動する社会情勢の中で、主役蘭寿さん演じるアンドレア・シェニエという詩人と、蘭乃はな(らんの・はな)さん演じるマッダレーナという伯爵令嬢からやがて革命の中で身を落とす娘の手紙のやり取りだけから始まる純愛という小さな出来事が、革命との対比の中で、物語に光と影をうまく付けていて、いきなり「これはいいぞ」と思いました。

そして革命の中心人物となった明日海りお(あすみ・りお)さん演じるカルロ・ジェラールという革命政府の闘士が物語に荒ぶる流れを作り出していました。

明日海さんは、革命という理想と現実の間で行き場を失い、おまけに密かに恋していた蘭乃さんが蘭寿さんの詩人に愛を捧げるのを見て、恋する二人にひどい仕打ちをするのですが、それも宝塚らしくて胸にぐっと迫る展開だと思いました。

明日海さんの心の葛藤と、ラストに向けた本心からする行為が明日海さんの役どころに厚みを加えていました。
私としては、もうちょっと明日海さんの心情を深く書いてもよいのでは、と思ったのですが、・・物語が長くなり過ぎてしまいそうですねd(^_^o)

そして主役の二人は、恋文のやり取りから、やがて顔を合わせることになり、互いのあふれるような愛をぶつけ合い、もうねぇ・・ラブラブだ・・( ´ ▽ ` )ノ
というわけで、トップ同士のラブラブなシーンが入った演目が大好きな私としては、まずこの点で合格点を付けてしまいました。

今回の舞台には、「エンジェル・ホワイト」と「エンジェル・ブラック」というロミオとジュリエットの「愛」と「死」にも似た役が有り、冴月瑠那(さえづき・るな)さん、柚香光(ゆずか・れい)さんのお二人が演じていて、これもストーリー展開をスムースにした上に、さらにアクセントも加えていて、貢献していたと思います。

そして、今回の脚本・演出は私の大好きな植田景子先生。
長女が宝塚デビューした宙組の「パラダイス・プリンス」では、「あきらめない」「夢に向かって突き進む」がテーマでした。
その後の星組・安蘭けいさんのサヨナラ公演では「どんな逆境でも淡々と自身の信じるところを歩む」ことの尊さがテーマに。
より、人の生き方に深く突っ込んでいった植田先生。

宙組・大空さんの「クラシコ・イタリアーノ」の脚本では、「人それぞれ、さまざまな生き方こそが人として美しい」・・というテーマになっていて、植田先生は今の世の中にとっても、私にとっても興味深いテーマを次々と提示して、いつも心の奥底にぐっと迫ってくるのです。だから好きになってしまうんだよなぁ(゚ー゚*)。oO

植田先生の著書「 Can You Dream ? 」を号泣読みし、その後すぐに感想文を便箋にしたため先生にお送りしたことがあったっけ。
そうしたら、先生からクリスマスに素敵なカードをいただきました。
先生の姿はテレビや雑誌などでもお見かけしていますが、ますます大好きになりました。

先生が描かれる作品を観劇するときには、「テーマ探し」が楽しみです。

愛音羽麗(あいね・はれい)さん主役の「近松」ものでは、人間が、・・男女が、根源的に希求するもの、『愛』がテーマでした。
人間の「性(さが)」を深く捉えた力作でした。
昨今の草食男子がはびこり、メールでおつき合いの申込みも、“相手を振る” こともでき、ウエットで深い付き合いなど皆無&絶無となった世の中に、あえて「愛する人のためなら“死”を選ぶ」という心中ものです。
すべてを投げ打ってでも成就する『愛』が、どんなものか、近松の浄瑠璃をモチーフに見せてくれました。

そして、今回の「愛と革命の詩」では、フランス革命という時代背景を用いて、どんなに真面目に、正直に生きても、人を信じて生きても、人生どうにもならず、死んでしまいたいという気にもなる瞬間がある・・そんなシーンがありました。そう言って泣き崩れる少女を明日海さんが救うのですが、そのあとには、明日海さんの恐怖さえ感じる圧政の陰から逆にその少女が自分が苦しんでいたことさえ忘れ、今度は人を苦しめる側に回っていました。
まるで今の世の中をそのまま表わしているようでした。

そこに蘭寿さん演じる詩人が、自らの信ずるところを突き詰め、蘭乃さんとの愛に生き、むしろ処刑され死んでいくのを、二人の愛が成就するかのような眩しいほどの愛の輝きにつつまれて表現していたのには、引きずり込まれました。
蘭寿さん、この大恋愛ものは、きっとやりたかった演目ではないでしょうか。
そして、植田先生が書きたかったのは、こうした尊いような、美しい生き方の大事さではないかと思いました。

今回は、植田景子先生の脚本・演出から切り込んでみましたが、次回は実際の舞台での花組の皆さんの惚れ惚れするような活躍ぶりについて書いてみたいと思います。


【Now Playing】 明日 / アンドレ・ギャニオン ( HealingMusic )

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コメント

こまつなさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおりですね、もし景子先生があきらめてしまっていたら、先生の数々の作品、もちろん今回の「愛と革命の詩」も観ることもできず、しかもあの感動も味わえなかったわけですよね。
先生の「夢を生きる」姿勢には私も作品を通して勇気づけられてきました。
こまつなさん、時々はこのブログをのぞいてみてくださいね。
今後ともよろしくお願いいたします(^-^)

はじめまして。「愛と革命の詩」すばらしかったですね! 景子先生の「Can you Dream?」は私も読みました。もし先生が採用試験を途中であきらめていたら、私たちは「愛と革命の詩」を観ることが出来なかったわけで、あきらめないでくれて有難うという気持ちです。

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