GEORGES ROUAULT ジョルジュ・ルオー展・千葉市美術館[2013.10.1~11.17]のご紹介
どこでご紹介しようかと思っていましたが、昨日、仕事のあとに寄ってみましたのでこのブログで鑑賞後の感想を書いてみようかと思います。
ジョルジュ・ルオー(1871~1958)はフランスの画家で、本国以外では日本で比較的受け入れられてきた方のようです。
キリストの受難や聖書の場面を作品の画材の材質,素材の材質にこだわって描き上げていた方とお聞きして、なるほど実際の作品を見ると、思わず近くに寄って作品の表面を観察してしまうくらいそれぞれの作品の質感が独特で異なっているのでした。
印刷されたチラシなどを見ていると、割と平面的な印象が残り、“のっぺり”とした絵に見えてしまうのですが、実物はその作品表面の質感が絵の濃淡と共に訴えかけてきて、意外な感じでした。
しかも、かなり内面的に深いものがあるように感じました。
それは、今回ルオーの版画も展示されているのですが、強く訴えかけてくるのはむしろこのモノクロの版画の方でした。
版画のタッチがまた質感にこだわるルオーの意図をよく伝えて、私が一番心うたれたのは版画による作品の方でした。
ルオーの人物の描き方は静かに強く訴えてくる感じ。
無言の威圧感というか、人がそれぞれ抱えている苦悩を静かにかみ殺している様子が伝わってくるのです。
そして、掲載した写真に今回買い求めた絵はがきも写っておりますが、それを見ていると、神の下、人々が生きている時間が静かではあるが重く、様々な想いをのせてジリジリと過ぎ去っていく感じがして、胸に迫るものがありました。
ポスター、チラシなどではあまり感じなかったのですが、実際に行ってみると力作ぞろいの今回のルオー展、ちょっと視点を変えて鑑賞すると何かが見えてくるような気がします。
【Now Playing】 きらクラ! / ふかわりょう、遠藤真理 ( NHK-FM )
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