今年もしみじみ暮れてゆく・・2013年・宝塚歌劇を振り返ってみよう【その2】
前回に続き、「3月」の観劇から
[花組・オーシャンズ11]
星組が初演した「オーシャンズ11」、今年は花組が星組とはまた異なった印象のミュージカルに仕上げました。
特に主演の蘭寿とむ(らんじゅ・とむ)さんは、主役のダニー・オーシャンを色っぽい大人の男として自在に演じていた印象がありました。
男役としての何かをつかんだ・・というのが客席から見ていても伝わってきたように思います。
娘役主演の蘭乃はな(らんの・はな)さんも、法律上の夫と新しいパートナーにしたいホテル王との間で心揺れる“いい女”をうまく演じていました、色っぽいけどちょっと可愛く。
また、この演目では悪役・ホテル王・ベネディクトを望海風斗(のぞみ・ふうと)さんが素晴らしい演じ方をして見せてくれました。
悪いが、ちょっと人間味があり、心に傷を負った男・・という感じで、星組の紅ゆずる(くれない・ゆずる)さんの怪演とも言える“悪”ぶりとはまたひと味ちがった人物像でした。
そして「4月」。
[専科(轟悠)+星組・ブロードウェイミュージカル 南太平洋]
専科の轟悠(とどろき・ゆう)さんと若手娘役・妃海風(ひなみ・ふう)さんが主演でした。
歴史あるミュージカルで、宝塚にもなじみ深いこの演目を、素敵なミュージカル・ナンバーと共にゆったりと大人の演技で紡ぎ出す轟さんに星組の組子も応え、南の島の海風と時のゆっくりとした流れを感じさせる風格ある舞台になりました。
そして、特筆すべきは、若手娘役の妃海風さん。天下の轟悠を相手に元気に自由に、物怖じせずに、堂々と演じ、歌い、踊りました(実際はドキドキだったのかもしれませんが)。
いいもの見たなあ、いい時間だった、と感じるブロードウェイミュージカルでした。
次は「5月」
[宙組・モンテクリスト伯/ Amour de 99 !! ]
ミュージカル「モンテクリスト伯」は、重厚・長大なミュージカルですが、現代の高校生を舞台に登場させてストーリーテラーにするなどの工夫が功を奏し、飽きずにテンポ良く見られる作品になっていました。
トップ凰稀かなめ(おうき・かなめ)さんは、あまりにも過酷な運命と復讐心に燃えるエドモン・ダンテスを観客をぐっと引きつけて演じてくれました。
そして、相手娘役・実咲凜音(みさき・りおん)さんは、こぼれるような美しさの恋人役から、復讐のために姿を変えて戻ってきた凰稀さんと、自分の子を守るため、母親として剣を取り、闘うという苛烈な役を見事にこなしました。
そのシーンでは観客は息を呑み、ラストのシーンでは涙することになりました。
「 Amour de 99 !! 」は、99周年に渡る宝塚の歴史を振り返り、かつての名脚本家・演出家の先生の代表的なシーンも盛り込み、宝塚らしいあたたかく、美しく、優雅なレビューとなりました。
最初の銀橋にメンバーが勢揃いしている“洋風チョンパ”は、お客さんも歓声をあげましたっけ(*゚▽゚)ノ
華やかなだけでなく、宙組の持ち味である、躍動感あるスピーディーな舞台運び、超イケメン男役軍団の燕尾でのダンスなど見どころ満載でした。
さらに次回は「6月」以降に進みます。
まだ飽きていない方は、お楽しみにね!(*^^*)
【Now Playing】 Autumn Leaves / Bill Evans Trio ( Jazz )
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