宝塚-宙組版-「風と共に去りぬ」を見た
宝塚歌劇・宙組東京公演『風と共に去りぬ』を見ました。
今回は、生協貸し切り公演ということで、妻が生協に出してくれた抽選に当たり、な・なんと前から二列目という信じられない席で見ることができました。
家族で観劇となりましたヽ(*´∀`)ノ
宝塚では、「スカーレット・オハラ」を“男役”が演ずることが恒例となっていて、しかも今回の公演は役替わりもあるため、スカーレット・オハラは七海ひろき(ななみ・ひろき)さんが中盤の12日間と、朝夏まなと(あさか・まなと)さんが序盤と終盤の20日間を演じることとなっています。
私が見たのは七海・スカーレット版でした。
その役替わりに伴って、他の何人かも役替わりをしています。
アシュレは、朝夏まなとさん、ルネは悠未ひろ(ゆうみ・ひろ)さん、スカーレットⅡ・・スカーレットの心模様を演じる役・・は、怜美うらら(れいみ・うらら)さん、メイベルは純矢ちとせ(じゅんや・ちとせ)さんでした。
全体的には、とても良い仕上がりでした。
宝塚の伝統的な演目となっていることもあると思いますが、舞台に漂う緊張感がピンと張り詰めていて、演者は皆それぞれの役を十分把握し、自ら咀嚼し、“自分のもの”にしている感がありました。
役替わりの七海さんは12日間の短いスパンですが、もう一週間はこの役を東京で経験しているわけで、いろいろ試した後にこうなった・・という感じが伝わって来ました。
スカーレット・オハラの何とも破天荒で数奇な人生を駆け抜けるように演じていました。
彼女から伝わってくるドキドキするような躍動感は観客をしっかり捉えていたと思います。会場がストーリーの進行を固唾を飲んで見守っているような息づかいを感じました。
主演の凰稀かなめ(おうき・かなめ)さんは、レット・バトラー役が似合います。
銀橋を歌いながら渡る凰稀さんの“男の人生”を背負った姿はさすがに絵になりました。
モンテクリスト伯でも、様々な艱難辛苦を経た男の様子がよく描かれていましたが、今回もその演技は観客を唸らせるものがありました。
今回は、娘役トップの実咲凜音(みさき・りおん)さんはメラニーを演じたのですが、なかなかその魅力を発揮できるシーンが少ないにもかかわらず、あまりにも儚く美しい姿と心情に心打たれました。
私の後ろの席のおばちゃんも初めて宝塚を見た感じだったのですが、「この子はいいわぁ、宝塚らしいねぇ」などと何度も二人でペチャクチャと言葉を交わしていました(^^;)
特筆すべきは、今回役替わりでスカーレットⅡ・・スカーレットの心の中をスカーレットと同じ衣装で舞台に現われ、本人に小言を言ったりする役・・を演じた怜美うららさん。
まだ若いにもかかわらず、堂々として完全に役に入りきって演じていた印象があります。
また、男役ながらレットの情婦を演じた緒月遠麻(おづき・とおま)さんも、この演目に厚みを持たせるに十分な豊かな表現力で演じていて、素晴らしいと思いました。
召使いプリシーは、あとで調べたら、綾瀬あきな(あやせ・あきな)さんが演っていたのですね、ある程度経験を重ねている綾瀬さんが演じたのを知って、しみじみと立派な演じ方であったと感心しました。
メリー・ウェザー夫人を演じた大海亜呼(おおみ・あこ)さんも、キャラクターをよく理解したうえでの見事な演技でした。
とにかく、今回の公演は非常にがっしりと作り上げられ、演じられているといった印象でした。
また、舞台装置、衣装なども共に素晴らしくて感激しました。
100周年を目前に、ますますの充実をみせる宝塚歌劇です。
できれば今公演で退団される宙組きってのカッコイイ男役・悠未ひろさんがアシュレを演じる役替わりを見たいと思っています。
もし、それがかなえば、またもうひとつのパターンをリポートしたいと思います。
【Now Playing】 スタンド・バイ・ミー / ジョン・レノン ( Rock )
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