ラジオ深夜便で聞いた「 Can You Dream ? 」
NHKのラジオ深夜便で昨夜、表題のエッセイが朗読されるコーナーがありました。
朗読は、NHK大阪放送局の杉浦圭子アナウンサー。
著者は、植田景子先生。宝塚歌劇団初の女性演出家です。
先生のこの作品の感想については、このブログでご紹介したこともあるのですが、昨夜の放送を聞いてあらためてご紹介しようと思います。
著者・植田景子先生は、募集してもいない女性の演出家に応募?し、「募集していない」と断られても何年も勝手に応募し、遂に宝塚初の女性脚本・演出家としてデビューし、現在も大活躍されています。
母親から8~9才の頃に「この子は“グレる”んじゃないか」と心配されていた景子先生ですが、宝塚の舞台に出会ってその素晴らしさに驚き、観客の側ではなくて、自分が舞台に関わる人間になりたいと思い、演出家として採用されたときに、母親から「生きていてよかった」と言われた部分も冒頭に読まれました。
その頃から景子先生の「夢をあきらめない」というキーワードが生まれていたのだと思います。
やがて二十世紀最後の宝塚作品として先生の「ルートヴィヒⅡ世」が採用され、それが先生の最初の大劇場作品となったのだそうです。
その時のエピソードもこのエッセイに書かれているのですが、ルートヴィヒ・・を演じた当時のトップスター「愛華みれ」さんを楽屋口で待っていた女子高生がいて、どうみても宝塚ファンらしからぬ様子だったようですが、たまたまこの作品を劇場で観る機会があったらしいのです。
愛華さんに手渡された手紙、そこには「この舞台を見て、孤独なのは自分だけじゃないと思った。自殺を考えたこともあったけれど、思いとどまって生きて行こうと思います。」と書かれていたとのこと・・。この話を愛華さんから聞いた景子先生はとてもうれしかったと、このエピソードを紹介しています。
景子先生の作品には、必ず強いテーマが感じられ、そのルートヴィヒ・・では、人は皆、孤独だけれども、でも生きて行く価値がある、そんなことが書かれていたのではないでしょうか。
景子先生は、「夢に生きられるのは幸せ」でも、「とてつもない力がいる」そして、「夢の世界を維持するには、ひとり一人、戦いもあれば試練もある・・だからやがて夢が光り輝く」とおっしゃっています。
私もこの本を読んだときの自分の気持ちをもう一度思い出してみようとあらためて思いました。
夢を仕事としたときに夢の意味を教えられた。今は夢を紡いでいくことが私の仕事、命以上に大切な私の人生の宝物・・それが宝塚だと結んでいました。
前にも書きましたが、この本を泣きながら読んで、読後すぐに景子先生に感想と、その感動に“お礼”の手紙を書きました。歌劇団宛に送ったその手紙は景子先生の手に渡り、その年のクリスマスイブには景子先生からの「クリスマス・カード」が届きました。最高のイブになりました。
“夢をあきらめない”植田景子先生の作品は、今年は東京宝塚劇場で、9月5日(金)~10月5日(日)Musical『The Lost Glory ―美しき幻影― 』作・演出/植田 景子ということで観ることができます。
ぜひ、日比谷まで足をお運びください。・・って、まるで劇団関係者みたい…σ(^_^;)
【Now Playing】 Once In A While / George Wein ( Jazz )
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