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2014/02/28

「ブラームスとクララ・シューマン」の純愛物語に泣いた

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宝塚歌劇団・宙組東京特別公演『翼ある人々-ブラームスとクララ・シューマン-』を見ました。
宙組本体は名古屋で「ロバート・キャパ」公演中ですが、こちら東京組29名は純愛物語に挑戦中です。

主演は次期トップスターが期待される朝夏まなと(あさか・まなと)さんと、若手ながらしっとりとした美女、怜美うらら(れいみ・うらら)さんです。

私は存知上げなかったのですが、ブラームスは貧民街でピアノ弾きをしていたのですが、名ヴァイオリニストヨーゼフ・ヨアヒム:役・澄輝さやと(すみき・さやと)のはからいで、シューマン一家を訪ね、そこで非凡な才能を見いだされシューマン家の世話になっていたのですね。
そのブラームスを今回の主役、朝夏まなとさんが演じました。

派手な世界を嫌いつつ、でも音楽には一直線、一途だが心は温かい、そんなブラームスは朝夏さんにピッタリの役だったと思います。
非常に丁寧に、そして秘めたる情熱を感じさせ、さらに恩義あるシューマン:役・緒月遠麻(おづき・とおま)の妻、クララ・シューマン:役・怜美うららに恋心を次第に抱いてしまう・・でもそれは心の中だけにある純愛であるという・・・私好みのストーリー展開でした。

朝夏まなとさんの“舞台さばき”は、いつもながらに美しく、キレがあるのに柔らかい、実に惚れ惚れするような姿で、見とれてしまいました。

そして今回の相手役、怜美うららさんの美しいことといったら、もうこのクララ・シューマンの実在の肖像もとても美しいとのことですが、怜美さんはまさに美女中の美女!
あまりの美しさとたたずまいにずっと目が怜美さんを追いかけ続けてしまう私でした。
演技も相変わらず“たおやか”であり、また寸分の隙もない麗しい様子と、子供達を厳しく、そしてやさしく育てて行く姿も女神のように美しく、・・もう言うこと無いですねd(^_^o)
ひとつだけ難を言えば、以前の凰稀かなめ(おうき・かなめ)さんと組んだ「ロバート・キャパ」でもソロで歌うときにちょっと声がひっくり返ったり、かすれてしまう部分がわずかですがあったことです。
でも、それも稽古していけばきっと克服できるでしょう。
今回のMVPは、怜美さんだったと、私は感じました。

シューマン役の緒月さんは、「役者」の格が一段階上の部分にいるようで、この優しくも大きな心を持ち、ブラームスのことを思いやり、妻を子を思い、皆の人生を思いつつ自らの人生の終幕を迎える難役を重厚に、そして輝かしく演じていました。この人も宝塚歌劇団には貴重な存在です。

敵役として舞台に立った、リスト役の愛月ひかる(あいづき・ひかる)さんも成長のあとを見せ、すっかり立派な舞台役者となっていましたし、ベートーヴェン?役を演じた凜城きら(りんじょう・きら)さんも、お客さんとの間合いを心得て、笑いを取ったり、ブラームスを鼓舞したりの活躍でした。

澄輝さやとさんは、ストーリーを回していく貴重な役回りで、今回大活躍でした。この人の小技もなかなかのものです。うまいっ!

ちょっと割を食った感じなのは、すみれ乃麗(すみれの・れい)さんかもしれませんが、一時期、“胸にイチモツ”的な役など、ただ可愛い、綺麗な役でないものも回って来ていたのですが、ちょっとまた路線が可愛い、素直な娘役に戻って来て、もちろんこういう役は得意なので見事でしたが、もうひとつ純矢ちとせ(じゅんや・ちとせ)さんなどが演じるような役をもらってもいいかと思いました。・・でも、今回は少数精鋭の舞台ですから、仕方ないですね。

で、舞台は、朝夏さんと怜美さんの身体も触れぬ、純愛一直線で、あまりにも純粋な愛の姿に第二幕後半はずっと涙が頬をつたい、私の住む魑魅魍魎が跋扈する現世では死に絶えた「純愛」という絶滅危惧されるものを堪能したのでした(T_T)

私が見た回は、終演後にトークショーがオマケでついており、澄輝さやとさん司会で主要メンバーによる楽しいお話を聞くことができました。
純愛で泣いたあとに、ほのぼのトークも聞けて、大満足。
そして、舞台ではけっこうハプニングがあって、何気なくそれを観客に悟られるようなことなく進行させているっていうのもわかりました。
舞台は生き物、毎日色々なことが起こっているんですね。


【Now Playing】 Miyako / Wayne Shorter ( Jazz )

2014/02/24

沢野ひとしの本をしみじみ読んだ

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『花嫁の指輪/沢野ひとし著(角川文庫)』を読みました。
相変わらずブックオフで105円・・(*^^*)

沢野ひとしさんと言えば、あの椎名誠さんの著書や、椎名さんの「本の雑誌」の不思議なヘタウマ(・・ウマヘタ?)な挿絵でおなじみの方。

八編の短編で構成されているこの本、どの話も妙にリアルな感触が伝わってくるのですが、まるで夢の中の出来事でもあるかのような儚いエンディングがとても寂しいのです。

どこまでが事実なのかわかりませんが、沢野さんが出会う女性は何を考えているのかわからない、不思議な個性を持つ人ばかり・・・。
出会ったときから壊れていくような関係が他の小説では見られないストーリー展開です。
どのお話も沢野さんが主人公となり、中には学生時代の男友達との話もありますが、皆、何か哀しい人生を引きずっている人ばかり。

沢野さんは沢野さんで、家庭もあり、奥さんも男女二人の子供もあるのに出会った女性と関係を持ち(そもそもこんなこと書いていてよいのだろうか・・でも、そんなこと気にしないのが沢野さんだ)、そして破滅に進んでいくのを自分で見守るようにしみじみと、楽しんでさえいるように感じるのです。

文中に出てくる沢野さんの高校は「市立千葉高校」であり、そのときのエピソードを読んでいると、その頃の千葉の稲毛あたりの様子も伝わってきたり、福生の横田基地でカントリーバンドの仕事をしているシーンなども当時の様子が偲ばれます。

淡い恋ごころと、少年時代、学生時代、社会人となってからの不倫の顛末、読んでいるこちらの心にも何かが棘のように刺さってなかなか抜けなくなる、そんな本でした。


【Now Playing】 Verdurous Mountains / 渡辺雅二 ( Instrumental Music )

2014/02/22

「ご自愛」デビュー

「ご自愛ください」って自然に使えますか?
実は私、うまく使えないのです。

先週の日曜日にラジオ(NHK-FM きらクラ!)を聞いていたら、司会の「ふかわりょう」さんが相方の遠藤真理さん(チェリスト)とお話をしていて、「ご自愛」って使っていますか、という話をしていたのです。

チェリストの遠藤さんは、普通に使っていると話されていたのですが(女性は、手紙・メールなどにもよく使うようですね)、ふかわさんはまだ使えていないというのです。

実は私も自分の気持ちとして自然に「ご自愛ください」って、使えないまま現在に至っているのです。

ふかわさんは、「まだ“ご自愛デビュー”していないんですよ」(^^;)と、言っていましたが、私も“ご自愛デビュー”出来ていないのです(^_^;)

これがちゃんと使えると、“オトナになったなぁ”と、我がことながら思えるのですが・・・自然に使えないんだよなぁ・・…σ(^_^;)

そろそろ使ってみようかなぁ『ご自愛』!

これが出来れば、正式にちゃんとしたオトナの仲間入り?!d(^_^o)


【Now Playing】 Heart Of Stone / The Rolling Stones ( Rock )

2014/02/17

阿川佐和子さんの古い“爆笑小言エッセイ”を読んだ

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『メダカの花嫁学校/阿川佐和子著(文春文庫)』を読みました。これまたブックオフで105円!(^_^;)

現在、「聞く力」がベストセラーになっている阿川さんの単行本としては1991年に出されていたもので、かなり古いのですが、それでも面白かった(^-^)

「聞く」ことの名人ですっかり定着している阿川さんですが、自ら世の中の様々な事象に対して“もの申す”ことについてもプロ中のプロ、という印象です。

外国に行ったときのその国の人たちの呆れるような習慣や、自分に対してあまりにも無礼なことを言ったりする人、横暴な父親(もちろん阿川弘之氏)、卑猥な電話を取ってしまったが、阿川さん本人はその言葉自体が卑猥な言葉とわからず大きな声で聞き返してしまう(^^;)・・と、怒って電話を取り上げバチンと切る母親・・などなど、話題に事欠くことがないのが阿川さんの周囲。

でも、実際には、話題に事欠かないのでなく、小さなことでも話題に出来るのが阿川さんの素晴らしさなのではないでしょうか。
ようするに“面白がる”ことができるというのが阿川さんのような職業には必須なのかもしれません。

気にせずそのままやり過ごしてしまえば記憶にも残らないことでも、「これは実はこういうことなんじゃないの?」という視線で物事を考えていくと、これほど話題豊富な人が出来上がるのだと思います。

私もブログを書き始めてから何年かの歳月を経たのですが、面白がることって大切だと近年感じているところです。
「よくも些細な話題をあんなに書き綴れるね」などと言われることがありますが、やはり人がどうでもいいと思うようなことでも、別の視点で見ると面白いということがあるのです。

それと、男との女の違いについても阿川さんの本を読んでいて感じることがよくあります。
失恋の痛手なども、男は永遠に引きずるような印象がありますが、女性は「三週間も泣いちゃった」と、たった三週間で終わりかい?!と男は思うものの、女性にはそれが“長い引きずり”であるということ、と書かれていた部分がありました。勉強になります (・_・;

というわけで、阿川さんの本は今までにも、けっこう読んでいます。とても参考になるんですよね。

今回は阿川佐和子さんの古いエッセイを読んで思ったことを書いてみましたd(^_^o)


【Now Playing】 Honey Pie / The Beatles ( Rock )

2014/02/16

「眠らない男・ナポレオン」観劇いたしました

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宝塚歌劇・東京星組公演『眠らない男・ナポレオン -愛と栄光の涯に-』を観劇いたしましたので、その報告を。

この作品は今年100周年を迎えた宝塚歌劇の大劇場(本場宝塚の専用劇場)第一作目として売れっ子の小池修一郎先生が作り上げた渾身の作といっても良い“一本もの”の大作です。
しかも、作曲をあのフランス版ロックミュージカル「ロミオとジュリエット」の作者、ジェラール・プレスギュルヴィック氏に依頼し、小池先生とのコラボ作品ともなっている日仏合作といえる力作です。


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まるで星組の主演、柚希礼音(ゆずき・れおん)さんと夢咲ねね(ゆめさき・ねね)さんに“宛て書き”したかのようなピッタリと“あつらえた”ようにハマる配役となっています。

私が見たのは、宝塚から舞台を東京に移し、二日目。チケットは前の職場で“仲良し”していただいた(今も仲良し(^-^))女神から譲り受けたものです。女神、ありがとうございました!今、感想書いていますよd(^_^o)

物語は、もちろんナポレオンが田舎の下級貴族に生まれながら、やがて世界統一を目指して嵐のような生き方をし、その栄光と共に堕ちていくまでの生涯を描いたものです。
そこに宝塚らしく、ナポレオンが愛したジョセフィーヌとの愛と憎しみと後悔を背景にして、強引に結婚したジョセフィーヌとの間に世継ぎが出来ず、離婚に踏み切る複雑な周囲との関係と苦悩、そのジョセフィーヌの不貞とそれへの反省と償いや、周囲の人々との人間関係、ナポレオンという人物の常人には理解できない行動など、見どころは満載ですが、それを短時間に全部受け入れる容量が果たして観客にあるのか?!などなど(^_^;)ほんとにもう、見ているだけで大変な情報量でした。

プログラムに書かれていた小池先生の談にもありましたが、休憩を除いての2時間半に盛り込めるものには限りがあります。
これでも削りに削り、捨て去った部分もかなりなものであろうと想像できますが、それでも“ぎゅうぎゅう”に詰め込んだ感は、かなり感じました。
息つく間もない、という印象でした。

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物語のほとんどは、プレスギュルヴィック氏の作品である歌で紡がれ、柚希さんを中心とした歌唱は圧倒的でした。
星組でなければなかなかこうまでは短時間で持ってこれなかっただろうな、と思いましたが、それでも“濃密”過ぎて一幕が終えたときには見ているこちらも集中力に限界が来て、やっと着いていくような状態でした。

重厚にして長大なこのミュージカルは、第二幕目以降も同様で、パッと明るい場面転換があるわけでもなく、観客がちょっと気を緩めてリラックスするような場面があるわけでもありませんでした。

とにかく盛り込まれているエピソードが多く、二番手男役・紅ゆずる(くれない・ゆずる)さんや、真風涼帆(まかぜ・すずほ)さんら主要メンバーが十分な間を取って観客を引き込むような芝居ができなかった、という印象も受けました。

音波みのり(おとは・みのり)さん、早乙女わかば(さおとめ・わかば)さん、妃海風(ひなみ・ふう)さん、などは、もうちょっと表現の場と時間があれば、さらにナポレオンの周囲にある人間模様も深く描けたのではないかとも感じました。

その中では短時間ではありましたが、綺咲愛里(きさき・あいり)さんが、わずかな出番で、若くしてナポレオンの後妻となり、世継ぎを身籠もるまでの部分を静かに深く描いていて、なかなかやるな・・と驚きました。

専科の北翔海莉(ほくしょう・かいり)さん、美穂圭子(みほ・けいこ)さんらも、この重厚な内容をより深めていたように感じました。実力者ばかりの専科陣の演技も見どころがあります。

柚希さん、夢咲さんのトップコンビにとっては、この作品がこれからも記憶に残る代表作となるのではないかと思いますが、またひとつ階段を二人で昇った印象があります。
またこの作品は宝塚でなくとも他の舞台に掛けても魅力ある作品であると感じました、エリザベートのように。

柚希さんは、より“歌えて”説得力と力感のある個性にさらに磨きがかかり、夢咲さんは、一定の齢を経、子を育て、人生経験を積んだうえでの新たなる愛に生きる人生を描いていてトップスターとしてさらに一回り大きなものを得たのではないでしょうか。

また、歴史物だけに、衣装や舞台装置なども豪華で細かい所まで配慮されていて、戴冠式のシーンなどは「絵画的」であるとさえ感じました。
それらを目にするだけでも価値ある舞台ではないかと思います。

ただ、現段階では、このミュージカル、まだまだ見直したり、もったいないけど削っていかねばならないところもあるかと思いました。
そして削ったところにあえて詰め込みをせずに、「余白」的な部分も必要ではないかとも思いました。

とにかく、今回のこのナポレオンの生涯を描いた作品、見どころは多いが、全部本気で見ているとちょっと疲れるくらいの濃厚なものでした。
気持ちをクリアにして、自らを“軽い”状態にして臨むと良いかもしれません。


【Now Playing】 音楽的イラストレーション“吹雪”から“ワルツ” / モスクワ放送交響楽団 ( NHK-FM・きらクラ )

2014/02/14

『宝塚夜話・第十三夜 < 退団の報の悲しさ > 』

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いきなり、ネットで宝塚歌劇団・雪組トップスター・壮一帆(そう・かずほ)さんの退団会見があったことを知りました。
壮さん、まだトップスターになったばかりではないですか。

私は宝塚観劇をしばらくお休みしていて、復帰し始めたときには、壮さんは花組・真飛聖(まとぶ・せい)さんのもと、三番手~二番手として活躍していました。
「太王四神記」や「虞美人」など、壮さんなくしては舞台が成り立たないような存在感でした。それに、真飛さんとのドラマ「相棒」の舞台化に際しても、壮さんの“相棒”ぶりは“はつらつ”としていて爽やかかつ素敵な男役像が印象に残りました。

また、同期の蘭寿とむ(らんじゅ・とむ)さんが、組替えで花組に来てトップスターになったときにも、お披露目公演の「ファントム」で舞台に迷いの見える蘭寿さんを父親役としてがっちりと支え、舞台そのものを成立させていたのは壮さんのおかげだったと私は思います。あまりにも素晴らしい“二番手男役っぷり”でした。

その蘭寿さんの退団発表も早過ぎると思った(今が一番円熟している時で、今こそ蘭寿さんの素晴らしさが生きてくる・・と思った矢先です)のですが、壮さんはいかにも早過ぎです。
トップスターとなった壮さんの大劇場・東京宝塚劇場でのお披露目は、「ベルサイユのばら・フェルゼン編」でしたが、お披露目というには、あまりにも堂々とした“トップっぷり”でした。
そして、「若き日の唄は忘れじ/ナルシス・ノアールⅡ」でも、和物ミュージカルにも強く、オールドスタイルのショーも余裕でこなす充実ぶりを見せてくれました。
さらに、ついこのあいだの、「シャル・ウィー・ダンス/コングラチュレーション・宝塚」でも、壮さんの描いた主役の人物像は見事に舞台で花を咲かせていましたし、ショーは組全体が“乗りまくって”素敵な宝塚らしいスケールの大きい優雅なショーを完成させていました。

あまりにも大きい壮さんの退団という事実。

テレビなどで拝見するインタビューでも、真摯に、そして自分だけでなく組子の頑張る様子をうれしく思っている姿が、トップスターとして立派なものであると感じていました。

今年の8月の東京公演が壮さん最後の宝塚劇場での姿となります。
最後まで応援しています。
もう2年くらい壮さんが大活躍する雪組の舞台を見たかった。
ありがとう、壮さん、そして最後まで頑張って!!


【Now Playing】 Hand Of Fate / The Rolling Stones ( Rock )

2014/02/11

「飲めば都」読んでみた

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『飲めば都/北村薫著(新潮文庫)』を読みました。
帯には、『新人文芸編集者・都の「酒とゲラ(校正刷)の日々」タガの外れた、恋の行方は?』とありまして、主人公の女性、小酒井都(こさかい・みやこ)が編集者としての仕事をガンガン進めるのですが、そこには酒席が伴い、そこに繰り広げられる信じられない失敗の数々が面白い!という物語でした。

著者は男性なのですが、主人公も主な登場人物も女性が多く、女性同士の会話などがとても自然に書かれていて、見てきたような書きっぷりがとても不思議でした。

女子のグループの中で結婚が決まった人を皆で祝うという席上で、祝ってもらう当の本人が「この中では私が一番の勝ち組だ」的な発言をしたときの皆のサァーッという引き加減の描き方が絶妙でした。
もう、結婚式にも理由をつけて行かないと言い出す者がいて、こういう感覚はなかなか男では書けないだろうと思いました。

その他酒席の場の選び方、酒の選び方、つまみの選び方が、高級店から町の居酒屋までTPOに合わせてスラスラと書かれているのも憎いところです。

酒の上で、都にひどい目に遭わされた上司もその内主人公の“良さ”に気づき、終盤は都の恋物語に突入!

ここでも、わかっているのに、また酒で好意を抱いている相手に醜態をさらしてしまい・・でもそれが逆効果的に二人の気持ちを引きつけるようなことになり・・という具合で、酒での失敗のエピソードは数あれど、結果的には笑ってハッピーエンディングな展開となり、読んでいるこちらも楽しく読書の時間を過ごせました。

450ページを越す長編ですが、あっという間に楽しく読めた「飲めば都」のご紹介でした。


【Now Playing】 ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ / 松任谷由実 ( J-Pop )

2014/02/10

「思い出コロッケ」・・タイトルと帯に惹かれて読みました

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『思い出コロッケ/諸田玲子著(新潮文庫)』を読みました。
タイトルもなんだかほっこりして良さそうだし、帯の文句「向田邦子に捧ぐ 愛と笑いが食卓を包んでいたあの頃-。昭和の残り香漂う作品集」に惹かれました。

書かれている時代は、だいたい昭和の50年代くらいです。
七編の短編から成っているのですが、それぞれのタイトルがコロッケや、黒豆、ミートボール、シチューなど、食べ物の名前になっているのです。
不思議と食べ物のタイトルって郷愁を誘うもので、舞台となっている昭和終盤の香りをより引き立たせています。

夫が帰ってこなくなり、夫の愛人のアパートまで出かけて不在だったので帰りに肉屋でコロッケを買おうとすると、その愛人が夫と食べるコロッケを買っているところに出くわし、気づかれぬまま自分は食べたくもないのに見栄をはってメンチをたくさん買ってしまう話。

離れを貸していた姉弟と思っていた二人が、政治的な組織に追われて一夜にして“もぬけのから”になっていた話。弟の方にちょっと気を惹かれていた主人公が書き置きを見ると、逃げた二人が実は夫婦だったという話。

家族皆でドタバタ・ハワイ旅行に行き、ドリフの珍道中的な展開の中、ある一日だけ、具合が悪いと嘘をついて一人で出かけたときに目くるめくゴージャスな男性と知り合い、夢のようなひとときを過ごす話。

ジョン・レノンが撃たれた日の“ジョンかぶれ”のミュージシャンを目指す男との堕落した生活をする女性の話などもありました。

どれも、昭和のちょっと味気ない、しみったれた人生の話でしたが、でもそれが昭和という時代の光を受けて鈍く輝いているようなお話ばかりでした。

最近、こういう人生の一時代を振り返るような、胸に甘酸っぱいような気持ちの拡がる話が自分にとって違和感のない読み物となっています。
歳のせいでしょうね。


【Now Playing】 おかめ団子 / 八光亭春輔 ( 落語 )

2014/02/09

ビブリア古書堂の事件手帳<5>読みました

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人気の『ビブリア古書堂の事件手帳<5>/三上延著(メディアワークス文庫)』が店頭にあったので迷わず読むことにしました(^-^)だって面白いからねぇ。

主人公の美人古書堂店主・篠川栞子(しのかわ・しおりこ)と、店員の五浦大輔(ごうら・だいすけ)が書物に纏わる謎を解きながら、依頼された事件を解決していくという基本パターンは不動です。
鎌倉を舞台とした物語の雰囲気も心地よいのです。

今回は謎の「背取り師(掘り出しものの本を見つけ、他の古書店に売り、その差額で喰っていく仕事?)」志田の素性も明らかになってきましたし、五浦からの前回での告白を受けた栞子さんの態度表明もあるというわけで、ある意味急展開な部分もあり、ビブリア・ファンには楽しみな部分がありますよ。ここでは書かないけど。

それにつけても、本に纏わる謎解きは、作者の徹底的な調査の上に成り立っていることがよくわかります。

今回の俎上に乗ったのは、意外なところでは手塚治虫の漫画「ブラックジャック」と、寺山修司の文献でした。
とにかく、ブラックジャックにしても、どうやって調べたのだろうと思うくらいの綿密な下調べがあって、何年発刊の第何巻にはこの話が抜けていて、それを補うのは何年発刊の表紙がこんな風になっている〇〇社発刊の第何巻だ、みたいなところから推理を働かせて、しかも事件の渦中にある相手方の家族や親戚関係の心の襞にまで踏み込んでいくところなどは、読んでいるこちらは何だかとても気持ちよいのです。
そうしてみんな栞子さん、五浦の名(迷?)コンビの虜になってしまうんだよなぁ(#^.^#)

今回も難事件を解決していったのは良いのですが、第一巻で栞子さんに大怪我をさせた男が保釈されるという不穏な終わり方をしているので、次回はちょっと大変なことになりそうです。それにまだまだ謎が多い栞子さんとその妹を捨てて行方知れずになり、やっとその姿を見せ始めた母親の動向がいまだ読めない状況のまま終わっていますので、まだ一波乱、二波乱ありそうです。

期待を裏切らない「ビブリア古書堂の事件手帳」、今回も楽しめました。


【Now Playing】 Blinded By Love / The Rolling Stones ( Rock )

2014/02/08

先生から電話が

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※写真は今回話題にする先生の作品。

このブログにも何度も登場している私の中学時代の担任の先生。
既に引退されているのですが、長いお付き合いをしています。気に掛けていただいていると申し上げたらよいのかもしれません。

ここ一ヶ月以上、先生とは連絡を取っておりませんでしたが、本日突然に電話をいただきました。
「ふと、どうしているかな、と思ってさ、気になったから」と電話をいただいたのですが、いつもドンピシャのタイミングで連絡をいただきます。

まるまる一週間をインフルエンザで“フイ”にして、落ち込んだのなんのって、身体はすっかり元気になったので余計に本日の落ち込みはひどいものでした。

落ち込みMAX状態の時に電話が鳴り、先生から「どうだ?!」と言葉を掛けて貰って、なんだかほっとしました。
「身体を休められたと思って、“良し”とせよ。」「週明けもいきなり“飛ばして”仕事をするな、そんなことすると元の木阿弥」とアドバイスをいただいて心に沁みました。

なぜか、元気ないときに電話をもらえる不思議をいつも感じています。

そんなときに、もう一本、電話をもらいました。
半年くらい連絡を取っていなかった前の職場で一緒に苦労した“MNっち”。元気そうな近況を聞いて安心したのと、4月以降の職場も決まったとの報を聞いて安心しました。
あっという間に二年前の状態に戻り(解凍するみたいに)しばし楽しい話をしました。

二人のおかげでちょっと気持ちも明るくなりました。
今夜はそんな話題。お休みなさい。


【Now Playing】 Twin Funkies / Phil Woods,Gene Quill ( Jazz )

ニシノユキヒコの恋と冒険・・小説の方、読んだ

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『ニシノユキヒコの恋と冒険/川上弘美著(新潮文庫)』を読みました。これもブックオフにて105円也(^-^)

この小説、映画化されて間もなく(既に?)上映されるようです。
川上さんの小説では「センセイの鞄」だけでKOされ、それ以来何冊も読んでいるのですが、今回の本も今までとはちょっと違う印象を立ち読みで感じたので読んでみることにしました。

で、タイトルどおり、ニシノユキヒコって主人公・・いや、彼が付き合う女性がそれぞれの短編の主役になっている短編集という不思議な構成です。

ニシノユキヒコの恋と冒険というタイトルどおり、次から次へと会う女性と関係を持っていくニシノユキヒコ。しかも、それらの関係はフェイドインとフェイドアウトが重なっているため、下世話な言葉でいうと「二股」ということになるのですが、インする女性もアウトする女性もそんなことほとんど気になっていないようです。

女性の年齢も境遇も様々で、職場の上司もいれば、夫も子もいる主婦もいる、学生もいるし、あらゆるタイプの女性を手玉に取って?(内容的にはニシノユキヒコが手玉に取られている)、関係を持って行きます。

そして、どの女性との関係もニシノユキヒコが捨てられる形で終焉を迎えます。

漂うように、そして突然フッと現われるように、次の女性の前に出現し、不思議なはっきりとしない態度で曖昧に近づき、曖昧な関係を続けようとします。
それにすぐ泣く・・・。
でも、関係を持った女性からは、ものすごく強い精力を持っていると感じられるようなことをしていくのです。

女性の話を聞いているようで、聞いていない、考えているようで自分のことばかり考えている、結婚を怖れているのに、結婚しようとせまったりする。
摩訶不思議な男、ニシノユキヒコ。
男の私にはちょっとわからない部分が多いのですが、女性にはわかるのかもしれません。
映画では、このニシノユキヒコを「竹野内豊」さんが演じるようです。
いったいどんな形で映像化されるのか楽しみです。映画も見たくなりました。

捉えようのないグズグズな関係を続けてしまう“あなた”。この小説と映画、見た方がいいかもね。


【Now Playing】 When I'm Sixty-Four / The Beatles ( Rock )

2014/02/02

船橋の私設ビートルズ資料館を訪れて【4】

過去三回に渡ってご紹介してきた「私設ビートルズ資料館」訪問記。
今回で終了といたします。
まだまだ色々とご紹介したいものはあるのですが、きりが無いので(*^^*)

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まずは、ビートルズの日本盤シングルのジャケットの色々。
館長野口さんから、「抱きしめたい/こいつ」のカップリングが二種類の色違いのジャケットになっていますが、あまりこの存在は知られていないとのことでした。私も知りませんでした。

気になるのは矢印風な「ビートルズ」という妙なマークですが、「これはビートルズの“本物”のレコードだよ」って強調しているのでしょうか(#^.^#)

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次のシングル盤写真も時代を感じさせますが、真ん中上段の「抱きしめたい」のB面、「こいつ」の文字デザインがかなり変わっています。

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そして次の写真は、選ばれたファンがジョージと食事をしているところです。
当時はこんなファンサービスもあったんですね。これはもう一生モノの思い出ですね。ファンの女性も落ち着かなさそうですd(^_^o)

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そして、次はファンクラブに配られたビートルズのクリスマスレコードです。
実物を見たのはこれも初めてでした。あのアンソロジーにも入っていた「クリスマスタイム・イズ・ヒア・アゲイン」が入っているのでしょうか。

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次のシングル盤ジャケットは、例のポリドールから出ていたトニー・シェリダンのバックバンドで出ていた曲をシングル化したものでした。
あたかもビートルズメインのようになっていますが・・・。

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その次は、アンソロジーにも一部収録されていた、ビートルズの前身、クォリーメンが残していた録音(アセテート盤で残されていたらしい)をポールが買い取る直前に記念として盤の形にしたものらしいのです。
でも、実際に野口さんが針を下ろしてみると、別の曲が入っていたようです。
やはり、いろいろとその後にもめてしまうからでしょう。

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最後に、サイン関係の写真。1966年来日時のジョージのサイン、さらに、軽井沢の万平ホテルからジョンがアップルのデレク・テイラーに送った絵葉書です。
その他、サインや直筆の契約書なども展示されていて、ただ驚きながら見つめていました。

以上、まだまだ色々な物と、話題もありますが、ひとまずこれでビートルズ資料館訪問記は、お開きといたします。
できれば、また伺って色々なものを見せていただいたり、聞かせていただいたりしたいと思っています。
館長、野口さん、貴重な体験ありがとうございました。


【Now Playing】 I'll Be Back / The Beatles ( Rock )

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