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2014/02/28

「ブラームスとクララ・シューマン」の純愛物語に泣いた

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宝塚歌劇団・宙組東京特別公演『翼ある人々-ブラームスとクララ・シューマン-』を見ました。
宙組本体は名古屋で「ロバート・キャパ」公演中ですが、こちら東京組29名は純愛物語に挑戦中です。

主演は次期トップスターが期待される朝夏まなと(あさか・まなと)さんと、若手ながらしっとりとした美女、怜美うらら(れいみ・うらら)さんです。

私は存知上げなかったのですが、ブラームスは貧民街でピアノ弾きをしていたのですが、名ヴァイオリニストヨーゼフ・ヨアヒム:役・澄輝さやと(すみき・さやと)のはからいで、シューマン一家を訪ね、そこで非凡な才能を見いだされシューマン家の世話になっていたのですね。
そのブラームスを今回の主役、朝夏まなとさんが演じました。

派手な世界を嫌いつつ、でも音楽には一直線、一途だが心は温かい、そんなブラームスは朝夏さんにピッタリの役だったと思います。
非常に丁寧に、そして秘めたる情熱を感じさせ、さらに恩義あるシューマン:役・緒月遠麻(おづき・とおま)の妻、クララ・シューマン:役・怜美うららに恋心を次第に抱いてしまう・・でもそれは心の中だけにある純愛であるという・・・私好みのストーリー展開でした。

朝夏まなとさんの“舞台さばき”は、いつもながらに美しく、キレがあるのに柔らかい、実に惚れ惚れするような姿で、見とれてしまいました。

そして今回の相手役、怜美うららさんの美しいことといったら、もうこのクララ・シューマンの実在の肖像もとても美しいとのことですが、怜美さんはまさに美女中の美女!
あまりの美しさとたたずまいにずっと目が怜美さんを追いかけ続けてしまう私でした。
演技も相変わらず“たおやか”であり、また寸分の隙もない麗しい様子と、子供達を厳しく、そしてやさしく育てて行く姿も女神のように美しく、・・もう言うこと無いですねd(^_^o)
ひとつだけ難を言えば、以前の凰稀かなめ(おうき・かなめ)さんと組んだ「ロバート・キャパ」でもソロで歌うときにちょっと声がひっくり返ったり、かすれてしまう部分がわずかですがあったことです。
でも、それも稽古していけばきっと克服できるでしょう。
今回のMVPは、怜美さんだったと、私は感じました。

シューマン役の緒月さんは、「役者」の格が一段階上の部分にいるようで、この優しくも大きな心を持ち、ブラームスのことを思いやり、妻を子を思い、皆の人生を思いつつ自らの人生の終幕を迎える難役を重厚に、そして輝かしく演じていました。この人も宝塚歌劇団には貴重な存在です。

敵役として舞台に立った、リスト役の愛月ひかる(あいづき・ひかる)さんも成長のあとを見せ、すっかり立派な舞台役者となっていましたし、ベートーヴェン?役を演じた凜城きら(りんじょう・きら)さんも、お客さんとの間合いを心得て、笑いを取ったり、ブラームスを鼓舞したりの活躍でした。

澄輝さやとさんは、ストーリーを回していく貴重な役回りで、今回大活躍でした。この人の小技もなかなかのものです。うまいっ!

ちょっと割を食った感じなのは、すみれ乃麗(すみれの・れい)さんかもしれませんが、一時期、“胸にイチモツ”的な役など、ただ可愛い、綺麗な役でないものも回って来ていたのですが、ちょっとまた路線が可愛い、素直な娘役に戻って来て、もちろんこういう役は得意なので見事でしたが、もうひとつ純矢ちとせ(じゅんや・ちとせ)さんなどが演じるような役をもらってもいいかと思いました。・・でも、今回は少数精鋭の舞台ですから、仕方ないですね。

で、舞台は、朝夏さんと怜美さんの身体も触れぬ、純愛一直線で、あまりにも純粋な愛の姿に第二幕後半はずっと涙が頬をつたい、私の住む魑魅魍魎が跋扈する現世では死に絶えた「純愛」という絶滅危惧されるものを堪能したのでした(T_T)

私が見た回は、終演後にトークショーがオマケでついており、澄輝さやとさん司会で主要メンバーによる楽しいお話を聞くことができました。
純愛で泣いたあとに、ほのぼのトークも聞けて、大満足。
そして、舞台ではけっこうハプニングがあって、何気なくそれを観客に悟られるようなことなく進行させているっていうのもわかりました。
舞台は生き物、毎日色々なことが起こっているんですね。


【Now Playing】 Miyako / Wayne Shorter ( Jazz )

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