『宝塚夜話・第十三夜 < 退団の報の悲しさ > 』
いきなり、ネットで宝塚歌劇団・雪組トップスター・壮一帆(そう・かずほ)さんの退団会見があったことを知りました。
壮さん、まだトップスターになったばかりではないですか。
私は宝塚観劇をしばらくお休みしていて、復帰し始めたときには、壮さんは花組・真飛聖(まとぶ・せい)さんのもと、三番手~二番手として活躍していました。
「太王四神記」や「虞美人」など、壮さんなくしては舞台が成り立たないような存在感でした。それに、真飛さんとのドラマ「相棒」の舞台化に際しても、壮さんの“相棒”ぶりは“はつらつ”としていて爽やかかつ素敵な男役像が印象に残りました。
また、同期の蘭寿とむ(らんじゅ・とむ)さんが、組替えで花組に来てトップスターになったときにも、お披露目公演の「ファントム」で舞台に迷いの見える蘭寿さんを父親役としてがっちりと支え、舞台そのものを成立させていたのは壮さんのおかげだったと私は思います。あまりにも素晴らしい“二番手男役っぷり”でした。
その蘭寿さんの退団発表も早過ぎると思った(今が一番円熟している時で、今こそ蘭寿さんの素晴らしさが生きてくる・・と思った矢先です)のですが、壮さんはいかにも早過ぎです。
トップスターとなった壮さんの大劇場・東京宝塚劇場でのお披露目は、「ベルサイユのばら・フェルゼン編」でしたが、お披露目というには、あまりにも堂々とした“トップっぷり”でした。
そして、「若き日の唄は忘れじ/ナルシス・ノアールⅡ」でも、和物ミュージカルにも強く、オールドスタイルのショーも余裕でこなす充実ぶりを見せてくれました。
さらに、ついこのあいだの、「シャル・ウィー・ダンス/コングラチュレーション・宝塚」でも、壮さんの描いた主役の人物像は見事に舞台で花を咲かせていましたし、ショーは組全体が“乗りまくって”素敵な宝塚らしいスケールの大きい優雅なショーを完成させていました。
あまりにも大きい壮さんの退団という事実。
テレビなどで拝見するインタビューでも、真摯に、そして自分だけでなく組子の頑張る様子をうれしく思っている姿が、トップスターとして立派なものであると感じていました。
今年の8月の東京公演が壮さん最後の宝塚劇場での姿となります。
最後まで応援しています。
もう2年くらい壮さんが大活躍する雪組の舞台を見たかった。
ありがとう、壮さん、そして最後まで頑張って!!
【Now Playing】 Hand Of Fate / The Rolling Stones ( Rock )
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