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2014/02/16

「眠らない男・ナポレオン」観劇いたしました

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宝塚歌劇・東京星組公演『眠らない男・ナポレオン -愛と栄光の涯に-』を観劇いたしましたので、その報告を。

この作品は今年100周年を迎えた宝塚歌劇の大劇場(本場宝塚の専用劇場)第一作目として売れっ子の小池修一郎先生が作り上げた渾身の作といっても良い“一本もの”の大作です。
しかも、作曲をあのフランス版ロックミュージカル「ロミオとジュリエット」の作者、ジェラール・プレスギュルヴィック氏に依頼し、小池先生とのコラボ作品ともなっている日仏合作といえる力作です。


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まるで星組の主演、柚希礼音(ゆずき・れおん)さんと夢咲ねね(ゆめさき・ねね)さんに“宛て書き”したかのようなピッタリと“あつらえた”ようにハマる配役となっています。

私が見たのは、宝塚から舞台を東京に移し、二日目。チケットは前の職場で“仲良し”していただいた(今も仲良し(^-^))女神から譲り受けたものです。女神、ありがとうございました!今、感想書いていますよd(^_^o)

物語は、もちろんナポレオンが田舎の下級貴族に生まれながら、やがて世界統一を目指して嵐のような生き方をし、その栄光と共に堕ちていくまでの生涯を描いたものです。
そこに宝塚らしく、ナポレオンが愛したジョセフィーヌとの愛と憎しみと後悔を背景にして、強引に結婚したジョセフィーヌとの間に世継ぎが出来ず、離婚に踏み切る複雑な周囲との関係と苦悩、そのジョセフィーヌの不貞とそれへの反省と償いや、周囲の人々との人間関係、ナポレオンという人物の常人には理解できない行動など、見どころは満載ですが、それを短時間に全部受け入れる容量が果たして観客にあるのか?!などなど(^_^;)ほんとにもう、見ているだけで大変な情報量でした。

プログラムに書かれていた小池先生の談にもありましたが、休憩を除いての2時間半に盛り込めるものには限りがあります。
これでも削りに削り、捨て去った部分もかなりなものであろうと想像できますが、それでも“ぎゅうぎゅう”に詰め込んだ感は、かなり感じました。
息つく間もない、という印象でした。

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物語のほとんどは、プレスギュルヴィック氏の作品である歌で紡がれ、柚希さんを中心とした歌唱は圧倒的でした。
星組でなければなかなかこうまでは短時間で持ってこれなかっただろうな、と思いましたが、それでも“濃密”過ぎて一幕が終えたときには見ているこちらも集中力に限界が来て、やっと着いていくような状態でした。

重厚にして長大なこのミュージカルは、第二幕目以降も同様で、パッと明るい場面転換があるわけでもなく、観客がちょっと気を緩めてリラックスするような場面があるわけでもありませんでした。

とにかく盛り込まれているエピソードが多く、二番手男役・紅ゆずる(くれない・ゆずる)さんや、真風涼帆(まかぜ・すずほ)さんら主要メンバーが十分な間を取って観客を引き込むような芝居ができなかった、という印象も受けました。

音波みのり(おとは・みのり)さん、早乙女わかば(さおとめ・わかば)さん、妃海風(ひなみ・ふう)さん、などは、もうちょっと表現の場と時間があれば、さらにナポレオンの周囲にある人間模様も深く描けたのではないかとも感じました。

その中では短時間ではありましたが、綺咲愛里(きさき・あいり)さんが、わずかな出番で、若くしてナポレオンの後妻となり、世継ぎを身籠もるまでの部分を静かに深く描いていて、なかなかやるな・・と驚きました。

専科の北翔海莉(ほくしょう・かいり)さん、美穂圭子(みほ・けいこ)さんらも、この重厚な内容をより深めていたように感じました。実力者ばかりの専科陣の演技も見どころがあります。

柚希さん、夢咲さんのトップコンビにとっては、この作品がこれからも記憶に残る代表作となるのではないかと思いますが、またひとつ階段を二人で昇った印象があります。
またこの作品は宝塚でなくとも他の舞台に掛けても魅力ある作品であると感じました、エリザベートのように。

柚希さんは、より“歌えて”説得力と力感のある個性にさらに磨きがかかり、夢咲さんは、一定の齢を経、子を育て、人生経験を積んだうえでの新たなる愛に生きる人生を描いていてトップスターとしてさらに一回り大きなものを得たのではないでしょうか。

また、歴史物だけに、衣装や舞台装置なども豪華で細かい所まで配慮されていて、戴冠式のシーンなどは「絵画的」であるとさえ感じました。
それらを目にするだけでも価値ある舞台ではないかと思います。

ただ、現段階では、このミュージカル、まだまだ見直したり、もったいないけど削っていかねばならないところもあるかと思いました。
そして削ったところにあえて詰め込みをせずに、「余白」的な部分も必要ではないかとも思いました。

とにかく、今回のこのナポレオンの生涯を描いた作品、見どころは多いが、全部本気で見ているとちょっと疲れるくらいの濃厚なものでした。
気持ちをクリアにして、自らを“軽い”状態にして臨むと良いかもしれません。


【Now Playing】 音楽的イラストレーション“吹雪”から“ワルツ” / モスクワ放送交響楽団 ( NHK-FM・きらクラ )

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コメント

はっP様
早速、話題の星組公演「ナポレオン」ご覧になられたのですね。
羨ましい!!

私は苦心して手に入れた初日チケットでしたが、あの雪のため、劇場徒歩圏内の友人に泣く泣く譲り、拝見できるのはまだしばらく先の予定です。
(早く見たい!!)

結局・・・
もの凄く感動した、良かった!という作品ではなかった?
いやいや
流石星組、柚希さん、そしてプレスギュルヴィックさんの力作、なかなかの作品だった?
どんな感じなのかなぁ・・・・
私も観劇の時は、はっP様のお薦めに従って、クリアな気持ちで、頭を軽くして臨みたいと思います。

ともちゃんさん、こんばんは!(^o^)
初日、ご覧になれず残念でしたね。

今回の作品、とても力の入った作品で、「ものすごく感動した!」と言いたいところですが、観劇記にも書いたように、なにぶん初見の作品であることと、どこに見どころがあるのか、作品の流れも終わるまで全体が見渡せなかったのでちょっと直接的な感想にならなかったですね(^^;)反省。

ブログ中にも書きましたが、たぶんナポレオンのエピソードとして、この場面も入れたい、あの場面も欠かせない、ということもあり、ギュウギュウにエピソードが詰め込まれていて、どこも力が入っているように感じてしまい(プレスギュルヴィックさんの曲についても間を空けず使われていた印象)、作品の流れに緩急が無かったように感じてしまったのです。

いい作品には違いなく、良かったのですが、もうちょっと観客にゆとりをもって見られるような作品であるとなお良かった・・などと思ってしまったのですが、たぶん、この作品を他組などが再演したりするとどんどん磨かれて素晴らしいものになっていくように・・生意気ですが感じました。

私は、もう一度見る予定があるので、そのときにやっと自分の心の中に伝わってくるものについて書けるような気がしますd(^_^o)
ちょっと先になってしまうのですが、また二度目の観劇をしたら書いてみますね。

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