久しぶりに小田島雄志さんのシェイクスピア本を読んだ
「シェイクスピア名言集/小田島雄志著(岩波ジュニア新書)」を読みました。
昔、BBCによって、シェイクスピア全戯曲がテレビ化(ロケ有り、スタジオ有りの舞台再現的な内容)され、それをNHKが放送したことがありました。
そのときにシェイクスピアに興味を持ち、結局全作品を読んでみたことがありました。
同じ作品でも、訳者を変えて本を読んでみると、かなり印象が異なったのですが、そのときに一番読みやすく、わかりやすかったのが小田島先生の訳本でした。
小田島先生は、シェイクスピアの関連本も数多く出していて(宝塚関係の本も何冊も出していた)、かなり楽しめた記憶があります。
今回読んだのは「名言集」です。
「愛の歓び」「愛の嘆き」「男女の諸相」「美徳の教え」などと章立てされていますが、今のわたしが気になった名言を少し挙げてみます。
「恋の翼でこの塀は飛び越えました」・・ロミオとジュリエット
ロミオがジュリエット逢いたさによじ登ってきたあの有名なバルコニーのシーンでの台詞です。
つい最近でも、宝塚のロミオとジュリエットでやや言葉は変えていますが、この台詞がありました。これはあのシーンにぴったりの“名台詞”だと思いました。愛の歓びに満ちています。
「悲しみは一つの実体が二十もの影をもっています」・・リチャードⅡ世
ひとつの悲しみがいくつもの悲しみの幻影を生み出すことは誰にで経験があると思います。
「悲しみは独りではこない、必ず連れを伴ってくる その悲しみの跡継ぎとなるような連れを」・・ペリクリーズ
悲しみというものは、単独でやって来ず、必ず大挙して押し寄せてくるのです。どん底にいるときに。次から次へと・・。
「不幸というものは、耐える力が弱いと見てとると、そこに重くのしかかる」・・リチャードⅡ世
そういうことだと実感します。私には果たして耐えられるのかと思うことが何度もありました。
「人間、衣装を剥ぎとれば、おまえのように、あわれな裸の二本足の動物にすぎぬ」・・リア王
私たちは、人を見るとき、ともすれば職業とか肩書きとかで判断しようとします。社会生活もそういうもので成り立っているところが大きいのですが、「外側の権威」によりかかって生きていこうとするのが人間であるということだとこの台詞は言っています。
でも、人は皆誰もが同じく“あわれ”な存在であり、リア王の言う「衣装」というのは象徴的には「外側の権威」を意味しているのでしょう、深い言葉です。
【Now Playing】 Heart Of Glass / Blondie ( Rock )
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