「辞書の仕事」読んだ
この掲載も未来の日付でアップするように設定しているので、私自身が忘れた頃にアップされると思います。
『辞書の仕事/増井元著(岩波新書)』を読みました。
読み始めて思い出したのが「三浦しをん」さんの『舟を編む』でした。
今回の「辞書の仕事」は、まさにあのストーリーの主人公にあたる実在の国語辞典編集者の面白いエピソードや、苦労話などを書き記したものです。
この本を読んでみると、辞書というものはいったん世に出ると、いろいろクレームというか、「自分はこう思う」というような反応がたくさん出てくるのですね。
特に乱れている日本語を正しい方向に導け・・的なご意見が多いようです。
皆、真面目なんですね。
私が愛用しているのは、著者がたずさわった「広辞苑」や「岩波国語辞典」ではなく、三省堂の「新明解国語辞典」です。けっこう“踏み込んだ”というか、斬新な語釈が採用されているものです。
私としては、“読み物”的に面白いと感じる辞書だから、というのが理由です。
辞書はもちろん、意味や用法、漢字を調べたりするために使っているのですが、時々パラパラとめくって、普段よく使う言葉や、全く知らない語などを楽しんでみたりもするのです。紙の辞書はそこがいいんですよねd(^_^o)
時代と共に用法や、意味が変化したりする言葉に対して著者はけっこう寛容で、大胆な考え方も示されています。
また実際に辞書を編纂するにあたって、そのルールづくりも各社で異なるのだ、ということも書かれていて、そのルールを満たしながら、しかも紙の辞書は、ページ数という制限もあるので、辞書に載っている内容は“そぎ落とした”考えに考えて載せられているものだということもわかりました。
電子辞書もよいけれど、紙の辞書を使うときの楽しみもあり、また紙の素材自体も「舟を編む」でも書かれていましたが、“ぬめり”のようなさわり心地を大事にしたり、薄くても裏写りしないものを厳選したり、色も真っ白だと疲れるので、微妙なアイボリー色だったりと、手に取ったときの紙の良さまで書かれていて、この本、「辞書好き」には応えられない本となっていました。
私も「新明解」以外の国語辞典を時々は本屋さんで見てみようという気になりました。
【Now Playing】 終わらない夢 / THE ALFEE ( NHK-FM )
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