「はなうた日和」読みました
『はなうた日和/山本幸久著(集英社文庫)』を読みました。
またもブックオフで105円也(^-^)
九遍の短編から成っているのですが、どの話も日々普通に暮らしている市井の人々の悲哀を感じさせるエピソードが語られていて、読んでいるこちらも身に染みるようなものばかりです。
定年間近の平凡な会社員が部下の美人OLから飲みに誘われて、そこで頼まれたこと・・・、売れないアイドルのまま30歳を迎えてしまい、オタク相手の撮影会へ仕事で出かける女性の話・・・、犬の散歩の仕事を得た男がすぐに犬に逃げられてしまう話・・・、子連れの元カレと再会するシーン・・・。
とにかく、読んでいる私のことかと思うようなエピソードを含め、さえない日常(見てきたように書かれている)が、トツトツと進行し、その中に小さな幸せと、わずかではあるが“きらめき”さえも感じる小説でした。
いつもだったらそのまま読めるのですが、途中で哀しくて止まってしまい、ちょっと時間をかけて読むことになってしまいました。
“はなうた”が出るくらい心に余裕というか、“のりしろ”が出来たら、またこの著者の本を読んでみようと思います。
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