『街場の現代思想』を読んだ
『街場の現代思想/内田樹著(文春文庫)』を読みました。
前にもこの方の著書について読後感を書いたことがありました。
階層社会、転職の悩み、負け犬人生・・などなど、まとめてこの方の理論でもって解説され、疑問・質問にも答えようという内容でした。
でもって、読んでいるうちに今の若い人にも、若くない私にとっても割と近い未来はあまり明るくない、・・というか真っ暗かも・・と思ってしまいました。
例えば、結婚についても、結婚は快楽を保証しない。むしろ、結婚が約束するのはエンドレスの「不快」である。だが、それをクリアーした人間に「快楽」をではなく、ある「達成」を約束している。
それは再生産ではない。「不快な隣人」、すなわち「他者」と共生する能力である。おそらくはそれこそが根源的な意味において人間を人間たらしめている条件なのである。
・・と、書かれていて、「そりゃそうだ、そうだろうけど・・」、若い人が読んだらいったいどう感じるのだろうと思いました。
離婚についても書かれていましたが、まあ、あんまり楽しい読み物ではありません (・_・;
でも、この方の理論は“いちいち”ごもっともで、何か読んでいて近い将来に胸騒ぎがするのでした。
「一億総プチ文化資本家」戦略、という章は読み応えがあります。
ここでまた概要を書いてしまうと営業妨害になってしまいますので、この本に興味を持たれた方は書店で手に取ってみてください。
現在の日本の状況に意識的になるにはヒントを与えてくれる本ではないかと思いました。
【Now Playing】 Something / The Beatles ( Rock )
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