コメディ『第二章 -CHAPTER TWO by Neil Simon-』の舞台を見た
宝塚歌劇・専科東京特別公演の「第二章 -CHAPTER TWO by Neil Simon-」を日本青年館で見ました。
舞台に上がるのは、主演の専科・轟悠(とどろき・ゆう)さん、星組・娘役トップスター夢咲ねね(ゆめさき・ねね)さん、そして轟さんの弟役として、やはり専科から英真なおき(えま・なおき)さん、もうひとり夢咲さんの友達の女優役の星組・早乙女わかば(さおとめ・わかば)さん(※早乙女さんはこの後月組への組替えが決定しています)の“四人だけ”です。
しかも、歌も無い「ストレートプレイ」です。それぞれの芝居の力量がはっきりわかってしまうガチンコの舞台となっていました。
轟さんは、12年連れ添った妻に先立たれ、涙にくれる日々を過ごす40代前半の作家という設定。
英真さんは、その轟さんの弟役で、舞台記者を仕事にしています。轟さんに次々と見合いの相手を紹介し、お節介だといやがられます。
そして、舞台女優と火遊び中・・・。
夢咲さんは、やはり女優で6年間のスポーツ選手との結婚生活にピリオドを打ち、「あの6年間を返せ」とばかり、自らの人生を悔やんでいる最中。
そして、その夢咲さんの女優友達を演じるのが宝塚きっての美人、早乙女さん。
早乙女さんは、英真さんとの危険な火遊び中ですが、そんな仲なので、英真さんと組んで轟さんと夢咲さんを“くっつけ”ようと策を練ります。
私が「こりゃいい」と思ったのは、間違い電話で轟さんが夢咲さんのところに電話を掛けてしまい、決して見合いがしたくて掛けたわけではないと言い分けをしてからあっという間に何度も電話を掛け直し、結局“テスト”だと言って8分後に会う約束をしてしまい、会った瞬間に恋に落ちる見事な舞台展開でした。
舞台ならではの面白さがすごい勢いで繰り広げられ、ここは見どころだなあと思いました。
轟さんは、もう宝塚の男役というよりも、「轟悠」というひとつの役者としての世界にいる方だと思いました。硬軟・緩急取り混ぜた舞台さばきは、ただただ見ているこちらをストーリーに引き込んでくれます。
相手役夢咲さんも、ちょっと我が儘で、でも知的な男性に惹かれる、美しいバツイチ女優を彼女らしく、可愛く、でも大人の魅力もあり、憎めない、実は真面目な女性をうまく演じていました。
英真さんは、自由だけど、奥さんとはその自由なゆえのトラブルを抱えつつ、女優と火遊びをし、さらに兄の轟さんを思いやる、これまた魅力的な男性像を巧みに描き出していました。人間味あるこの役、英真さんにぴったりとはまりました。
早乙女さんは、その美貌を十分に生かした女優役で、自分の女性としての短い“華のある”期間を精一杯生きようとして・・英真さんとの浮気に走る(^^;)、身勝手だけど憎めない役をうまく演じていました。
前半は、上記の人達が生き生きとそれぞれの持ち味と生き方をしている描写が楽しく、後半は実際に二組のカップルが人生の中で不器用な恋愛をして、悩み、求めているものの本質はいったい何なのか、人生の深みに突き当たる、中身の深いところまで入っていきました。
感想というか、私の気持ちとしては、四人のタカラジェンヌに「ブラボー!」です。
とても楽しめるストレートプレイでした。
おまけのショーでは、夢咲さんの超キュートな衣装での「 Cuty Bomb 」が炸裂し、男性ファンは客席のあちこちで“爆死”したことでしょう(^^;)
そして轟さんの貫禄ある歌とダンスで見事に締まりました。
満足度100%のお芝居でした*・'(*゚▽゚*)'・*:.。.
【Now Playing】 I'll Follow The Sun / The Beatles ( Rock )
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