「シーサイドモーテル」を借りてきて見た
どんな映画かも知らずにこのあいだご紹介した「RAILWAY」と共に借りてきたDVD『シーサイドモーテル』を見ました。
元々は漫画の『MOTEL』という作品を原作としたものらしく、 2010年の映画で、守屋健太郎監督となっていました。
シーサイドモーテルという名なのに、山奥の海などまったく見えない場所に建ち、寂れた感じのモーテルが舞台となっていました。
四つの部屋で一晩に起こるエピソード、事件を劇的に見せてくれるのですが、インチキ化粧品のセールスマン・生田斗真と部屋を間違って現われたコールガール・麻生久美子の騙し合いの疑似恋愛、ギャンブルで組の金を使い込み追われている山田孝之と遂にしけ込んだモーテルを突き止めた玉山鉄二、その他古田新太演じるスーパーの社長は、妻がその店員と不倫していることも知らずにいて、でも自分もコールガールを呼んでみたりする、・・キャバクラ嬢に入れあげて結局ひどい目に遭う池田鉄洋なども登場。
でも、どの登場人物も変な人、悪い人、ろくでもない人、知り合いにもなりたくない人ばかりで、見ているうちに暗い気分になってしまいました。
特に追い詰めたギャンブラーを「ペペ」という謎の男・温水洋一さんが拷問するシーンは見るに堪えないものでした。
結局、何の明るい話題も何もなく、事故が起きたり、死者が出たり、殺人シーンがとてもイヤなものであったり、寂れたモーテルの室内などがよりいっそう悲惨な気分を増して、なんとも後味の悪い映画でした。
感情移入するような登場人物はひとりもいなかった。
唯一の救いは、麻生久美子のコールガール、キャンディの演技でしょうか。
この人のシーンだけは映画らしい演技を映画として見ることができたような気がします。
あとは、わざわざ映画にするようなこともないエピソードばかり・・・と、私は感じた。
暴力的なシーンなどを体質的に受け入れられなくなってきた最近の私には辛い映画でした。
暴力とか、裏切りとか、人の命なんてなんとも思わないとか、刹那主義的な人にはカッコイイと感じるのかもしれないのですが、私には「毒」みたいな映画でした。
【Now Playing】 Kika / Duckstep Trio ( Jazz )
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