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2014/06/30

久しぶりに「うそ」を聞いて

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きょう、偶然にラジオ日本の番組「はかま満緒の話のタネ」を聞いたのですが、この一時間のトーク番組のゲストが、あの「うそ」を歌った中条きよしさんでした。
デビューしてからヒットするまでの話などをされていましたが、1974年に「うそ」がヒットするまでは歌手としては別名でデビューしていて、“鳴かず飛ばず”だったのですが、自分の店を持ち、別に収入にも困らなかったし、あらゆる経験をしてきたので、ヒットした当時の28歳の頃には“いっぱしの”大人だったから、世間に出ても何も困らなかった・・などという話をされていました。

あらためて「うそ」を番組中に聞きましたが、歌詞もメロディーもすうっと入ってきますね(*´▽`)
小学生低学年時代から歌謡曲、演歌などが好きだった私にはあの頃の歌謡曲を今聞いてみるとどの曲もメロディ、歌詞ともに素晴らしいとあらためて感じます。
現在の“身の回り半径2メートル”の歌というか、自分に直接関わりのあることだけ、好き勝手に歌っている楽曲とは著しく異なります。

番組中でも中条さんがヒットした1974年のヒット曲を紹介していましたが、今にしてそれらの曲名を聞くと驚きます。

うそ・中条きよし あなた・小坂明子 ふれあい・中村雅俊 くちなしの花・渡哲也 追憶・沢田研二 鐘楼流し・グレープ 星に願いを・アグネス・チャン ひと夏の経験・山口百恵 襟裳岬・森進一 岬めぐり・山本コウタローとウィークエンド 神田川・かぐや姫 よろしく哀愁・郷ひろみ 私は泣いています・リリィ なみだの操・殿さまキングス 激しい恋・西城秀樹 恋のダイヤル6700・フィンガー5、・・まだまだあるのですが、ちょっと挙げてみただけでも上記のような幅広いジャンルで、しかもどれも名曲ばかり、今また聞いてみたい曲ばかりです。

時々、USEN放送で1970年代の歌謡曲チャンネルを聞いてみるのですが、いい曲ばかり、・・しかも聞いているうちにあの時代を思い涙が出て来ます。

中条さんがおっしゃっていましたが、時々音楽番組に呼ばれることがあるが、結局往年のヒット曲しか歌わせてもらえず、しかも前後に女の子が大勢で踊りまくり、歌だか何だか大騒ぎでわからないような、理解し難い出演者のあとに自分の積み上げてきた歌唱に対する努力が見えないような場になっているところにぽっと出されて・・、やはり困ってしまう、というのが本心のようでした。

来週もこの番組にゲスト出演されるということなので、時間が間に合えば聞いてみたいと思っています。
それに、司会のはかまさんと中条さんの当時のこぼれ話がとても時代をしのばせ、懐かしいものなのでそれも楽しみです。

きょうは、1970年代の歌謡曲をもう一度聞いてみてはどうか、というお話でした。


【Now Playing】 夜汽車 / 欧陽菲菲 ( 歌謡曲 )

2014/06/28

四十~五十台の夫婦には大きな問題の本

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『結婚しても恋人でいたいなら/亀山早苗著(新潮文庫)』を読みました。
またもブックオフ価格108円。

著者は1960年生まれで、大学では演劇学を専攻していたが、卒業後はフリーライターとして女性の生き方をテーマに、恋愛、結婚、性の問題に取り組まれてきた方。
社会状況を分析する筆力には定評があるようです。

この本では、夫が五十歳を越えたあたりの夫婦を中心に著者がリポートし、分析しているのですが、多くは子供が成人したり、独立したりして夫婦二人の生活に入っていて、そこで夫婦として“男女の関係”がほとんど無くなっていて、その関係はほとんど修復できないほどの悪化を見ている状態なのです。

夫は、子供が出来て子育ての時期に仕事に追われてほとんど妻との生活を顧みなかった状況、中にはそういう中で夫婦関係が悪化し、仕事に疲れ、家庭の問題の中に飛び込むことから回避して、浮気をするという・・絵に描いたようなことになっているのでした。

妻は、子供が大きくなる中で、夫はちっともそれらに関わろうともせず、しかも中には浮気する輩もいて、夫婦の営みなどは“盆暮れ”にあればいい方、ということになり、自分の女性としての生き方、魅力についても家庭生活の中に埋没してしまい、・・夫婦共々ひどいことになっているのでした。

そんな中、あるきっかけをもとに夫婦関係を修復し始めた方々にインタビューし、なぜ関係修復に成功したのか、あるいは、今後どうなっていくのだろうか、というようなことを丹念に分析しているのがこの本です。
聞いているだけでも辛い話がいくつもあるのですが、文中の丁寧なインタビューには頭が下がります。

解決方法には、ここで書けないようなドラスティックな方法を取る方が多く、私も読んでいて「これがほんとうに解決に結びつくのか」と、ハラハラするようなことが書いてありました。

詳しく書くとこの本に対して営業妨害になってしまうので、解決方法の内容は書けませんが、要するに男と女の緊張感を取り戻すには、「相手に嫉妬する」気持ちを持たせることがきっかけとなって修復に向かうケースが多いことがわかりました。

恋人だった頃は、会う度に色々と状況が変わったり、環境もスリリングに変化したりして、いつも緊張感がつきまとっていたことと思いますが、結婚生活をして、基本的に同じ場所で家庭生活が進行し、“夫婦としての居場所”が固定されてしまったような状態では、結局夫婦の間には決定的な亀裂が生じるのでしょうね。

よくラジオ番組などの人生相談では、その多くが夫婦の精神的な繋がりについてアドバイスされたりしていますが、それだけでは解決できない、“体”の結び付きの問題について深く、遠慮無く書かれているのがこの本でした。

恥ずかしいけれど、読んでみてためになる本でした。


【Now Playing】 オトナのJAZZ TIME / 島崎保彦・阿里耶 ( ラジオ日本 )

2014/06/27

「焼き餃子と名画座」・・女性エッセイストの味歩き本、読みました

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『焼き餃子と名画座~わたしの東京 味歩き~/平松洋子著(新潮文庫)』を読みました。
いきなりタイトルからして美味しそうで(^_^)楽しそうです。

著者の平松さんは、1958年生まれで倉敷市出身ですが、その文体は長い東京生活から、“チャキチャキの江戸っ子”で、テンポ良く、その街歩きは、自転車に乗っているような軽快さで語られています。

兎に角、映画のラッシュ(撮りっぱなしの編集されていないフィルムを連続して映写すること)を見ているような書きっぷりで、東京のさまざまな街と老舗や、お気に入りのお店を紹介してくれるのですが、東京に不案内で、お店の名前をいきなり言われてもピンとこない私には追いつくことができない章が多くてたいへんでした…σ(^_^;)

でも、時としてゆったりとお店の周りの街の様子や、お友達とのゆったりとした楽しい会話、お店の人のお客さんをもてなす仕草、そして運ばれてくる料理と、その味わいなどが書かれている章もあって、そこでは読んでいるこちらも著者と共に“至福”の時間を過ごしているような気分になりました。

著者は、食文化と暮らしをテーマに執筆されているエッセイストですが、書きたいことが、言いたいことが、その場で感じたことが山とあって、もうこの一冊では書ききれなくてこぼれ落ちそうなくらいのボリュームに感じました。

また、決め技のように繰り出される、街の様子を表わしたり、運ばれてきた料理を表現したりする文章表現は、本当に惜しげも無く全編に渡り様々なパターンで使われていて、私などには何回かに分けて“小出し”にしたいくらいの小憎らしくも素晴らしい表現のオンパレードで、・・もう脱帽です。

巻末に東海林さだおさんとの対談も収録されているのですが、女性が書くこういうタイプのエッセイは、「私はこういう人なのよ」というのが多いと指摘されていて、平松さんは、女性の読者を意識し、「この人はこんなもの食べて、こんなことを考えて、こんな日常を送っているんだと思って、“私はあんまりズレてない”とか、“イケてないところを修正しよう”とか、自己確認のために読むことが多いかもしれないので、そうなるのです」と答えています。

それは、私もこの本を読んでいてずっと感じていました。
男性読者としては、逆にそれが違和感を持つことになってしまったのかもしれません。
要するに男女では、街の雰囲気やお店、料理などを感じる視線が異なるのでしょうね。

というわけで、読んでいると餃子やチキンライス、ハイボールに酎ハイ、煮込み、肉豆腐、すき焼きにうなぎなど(^^;)食べたくなって困る本でした。


【Now Playing】 <R.シュトラウス>家庭交響曲 Op.53 / 指揮:アンドレ・プレヴィン NHK交響楽団 ( Classic )

2014/06/25

負けに不思議の負け無し・・

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このブログでは、あまりタイムリー過ぎる話題を避けているのですが、あえてちょっとだけ書こうと思います。

今までも早朝から、そして今朝もあの試合の予選リーグを応援しながら見ていた方も多いと思います。

結果はとても残念なことになりましたが、でも今回のタイトルにあるように、「負けに不思議の負け無し」という言葉、正確には『勝ちに“不思議の勝ち”有り、負けに“不思議の負け”無し』という言葉があるのをご存知でしょうか。

あの南海、ヤクルト、阪神、楽天、そしてアマチュア野球のシダックスの監督をされた野村克也監督がよく使う言葉です。

要するに、「何で勝っちゃったんだろう」というのは有るかもしれないが、「何で負けちゃったんだろう」というのは無いってことですよね。
負けには必ず明白な理由があって、誰もがそこに気付いて修正し、対策を練れば、“勝ち”に近づいていけるということをおっしゃっているのだと思います。

大会が始まる前からも、そして第一戦、第二戦が終わったときにも、解説者と呼ばれている人や、コメンテーターみたいな人達は「やってくれるでしょう」とか、「期待しましょう」とか、そんな言葉ばかりが聞かれました。

これって「不思議の勝ち」が“タナボタ”で転がり込んで来るのを待っているように聞こえました。
FIFAのランキングを見ても、今回の結果どおりの順位になっていて、この予選リーグを勝ち上がるということは並大抵のことでは無理っていうのが、本当のところだったのかもしれないと思いました(思っていました)。
「これこれこういう理由で、こういう戦法を取り、相手のこういう戦い方に対して、こういう形になれば、勝利により近づくでしょう」っていう話はあまりというか、ほとんど皆無だったように思います。

“不思議の勝ち”を夢に描くばかりではこんなことになってしまうのかも、とふと感じたので書いてみました。

今大会では、意外な国が予選敗退し、サッカーに詳しい人には、“不思議の負け”とは映らないんじゃないでしょうか。それなりに明白な理由がきっとあるのだと思います。
次回までには、ぜひそこのところをトコトン修正して予選を勝ち上がり、ワールドカップに登場してほしいな、と思いました。
門外漢が失礼いたしました。怒らんといてね。


【Now Playing】 ニュース / NHK ( AMラジオ )

2014/06/23

小泉八雲集を読みました

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『小泉八雲集/訳:上田和夫(新潮文庫)』を読みました。
460頁に渡りましたが、実に興味深く、面白いものでした。

前半は、怪談・奇談が集められ、ついで後半は日本観察、日本文化に寸する作品集が刊行順に収められていました。

怪談ものについては、今や日本人でさえその全貌が掴めないであろう数々の話が収められていて、日本人への八雲の聞き取り時にもけっこうあやふやな部分があったり、話が本筋から逸れるような部分もあって、八雲自身も文中で「どうなってるんだ」みたいなことを書いています(^_^)

怪談で目立ったのは、若妻が自らの命が短いことを知り、夫に「死後はこうしてくれ、誰かと再婚するのか?しないでくれるか、ああうれしい・・。」というような筋立てで、でも親類筋から再婚をすすめられた夫が妻を娶ると、様々な仕返しの仕方で化けて出てくる・・( ̄O ̄;)そんな話が多くありました。

また、修行僧などが山中で道に迷い、人家の灯りを発見してそこに一晩の宿を願うと、こころよく招き入れてくれるのですが、実はそこには・・怖ろしい事態が待ち受けているという話も多く、読んでいるうちに、落語でよく出くわす話であるな、と感じました。

特に怖かったのは、山中で十軒ほどの民家しかないところで泊めてもらうことになった僧が、「きょうは人が亡くなって、その晩は怖ろしいことが起こるという言い伝えが有り、村人は山から降りて、死人のみ供物と共に残して翌日戻ってくるのだが、あなたは僧だから一晩この村に死人と二人残るか? …σ(^_^;)・・と聞かれ、その僧が残り、経を唱えていると、怖ろしい鬼神のようなものが現われ、死体を全てバリバリとむさぼり喰い、供物も全て食べてしまう、という、メッチャ怖ろしい話があったりしました( ̄□ ̄;)

後半の日本文化に対する作品では、特に日本人の“薄笑い”しているような表情について、それがなぜなのか、実はこういうことなのだと思うぞ、というようなことが書いてあって、八雲も日本人を理解するのにだいぶ苦労した跡が見られました。このあたりも何度も読み込むと、現在の私達日本人の参考になることが色々と見つけられそうです。

八雲は、当初出雲の松江に住まい、その頃出雲にまだ残っていた古代からの奇妙な風俗、美しく霊的なものにたいへん惹かれていたようです。
でも、松江の冬の厳しさに、痛めていた眼(既に片目は失明していた)の容態が思わしくなくなり、熊本に居を変えたようです。
でも、熊本の豪快な風土には最終的には馴染めなかったようですね(^^;)

今回は、ボリュームたっぷり、興味たっぷりの「小泉八雲集」のご紹介でした。


【Now Playing】 Gray Shade Of Love / 青江三奈 ( Jazz )

2014/06/21

美しい絵の崩壊( Two Mothers )・・衝撃の映画だった

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『美しい絵の崩壊( Two Mothers )/アンヌ・フォンテーヌ監督:2013年・オーストラリア=フランス合作 主演:ナオミ・ワッツ、ロビン・ライト』を見ました。

主演のナオミ・ワッツ、ロビン・ライト演じる二人の女性は幼い頃からの親友で、いつも一緒に遊んでいた仲。
その友情は二人が大人になり、互いの息子が立派に成長してからも変わらぬものでした。
そして息子同士も仲の良い友達になっていました。

主演ふたりは、この映画全編に渡って繰り広げられる美しい海沿いの光景の中で、互いの息子達を「なんて美しいの!若き神々のよう」と感嘆しています。


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その凜々しく美しい息子達は、互いの母の友人を第二の母のように慕い、良い時間を過ごしていたのですが、母の友人である年齢の離れた女性に、男と女が抱く感情を持ち、ある晩ロビン・ライト演じる母親がナオミ・ワッツの息子と一線を越えてしまいます。

ロビン・ライトの息子からそれを知らされたナオミ・ワッツの方は、「自分達も・・わかっているでしょう?!」と今度はロビン・ライトの息子から迫られ、いったんは拒んだものの、やがて禁断の果実を口にしてしまうのです。
もう、ここまでで驚いたのですが、衝撃はそれからもどんどん続きます。

例えば日本でこういう映画を作ると、ここから先はドロドロの関係と悲劇的なストーリーに一気に向かうのではないかと思うのですが、許されないことだと知りながら四人はある一定の期間まではこの関係を続けようという結論に達してしまいます。

ナオミ・・の方は夫を亡くしていますが、ロビン・・の方は夫がいて、何も知らずに自分の新しい赴任先に皆で引っ越そうとして拒まれ、結局赴任先で再婚してしまいます。


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あまりにも美しい海辺の大自然の中で営みを続ける四人にもやがて人生の転機がやってきて、四人のうち一番理性的で知的なロビン・・が「尊厳を取り戻し、美徳に生きよう」と、涙ながらに切り出し、息子達は結婚し子どもをもうけるという大転換を図ることになります。

そして、美しい海辺で息子、その妻、孫たちと絵に描いたような幸せなシーンがやってきて、このまま過去の不思議な禁断の愛が育まれた蜜のような時間は想い出の彼方に消えて行くのか、・・とラストシーンを勝手に想像していると、さらなる驚きの展開と時空間が歪んで見えるような衝撃を受けることになり・・ものすごい映画だと思いました。
今までに見た映画の中でも最も印象に残る映画であったと感じました。

原作となった「グランド・マザーズ」の著作者、ドリス・レッシングは、この作品をも凌ごうかという人生を歩まれたようで、2007年、史上最高齢88歳でノーベル文学賞を受賞。長年候補にあげられながら受賞を逃してきた経緯から、受賞後のスピーチは“ノーベル賞を獲得しないことについて”だったそうです。
2013年、ロンドンの自宅で94歳の高齢で亡くなられています。

監督のアンヌ・フォンテーヌは、著作者に会い、年老いたイギリス女性という印象ではなく、“非凡でとても気力あふれる人”であったことに魅了され、さらにこの物語が実話から発生していることにも、驚きよりも“美しい経験”として感銘を受けたようです。

この作品は男の私から見ると、非常に新鮮で、原作も監督も女性であるこの映画は、まさに自分の考えなど遠く及ばないものであると深い感動を覚えました。

この映画は、一般上映館ではあまり上映されていないようです。
千葉でも「千葉劇場」くらいなのでしょうか。
美しい映像と共にしっかりと記憶に刻み込まれた映画となりました。


【Now Playing】 ロマンスの神様 / スタジオUSEN ( Jazz )

2014/06/19

ちょっと久しぶりに「石田衣良」さんの短編集

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『てのひらの迷路/石田衣良著(講談社)』を読みました、またまたブックオフ価格108円。

今回は二年間に渡って二十編の“ショートショート”を連載で書いたものをまとめた本で、その二十編の短編それぞれに前書きが付いているという、ちょっとうれしい編集が成されています。

なぜ、ショートショートばかりの本になったのかというと、このブログでも以前書いたことのある「川端康成」の『掌の小説』という素晴らしい“切れ味抜群”の短編集に石田さんが影響を受け、書いてみようということになったものです。
石田さんの感覚って、いつも近いものを感じます。あの川端康成の短編集は、まさに珠玉の短編集です。いきなりうれしくなってしまいました。

しかも、私は探しているのですが、まだ出会えていない川端康成の『片腕』という小説があって・・・(これを知ったのはお笑い芸人“ピース”の読書家で有名な「又吉」さんが、自己の読書遍歴等を紹介するラジオ番組で紹介されてのことでした)・・・[男が女の腕を一晩借りて添い寝する]というファンタジーっぽいが、不穏な感じのする小説にも影響を受け、それへのオマージュとして、女の脚と添い寝する男、続編で男の左腕と添い寝する女の短編も登場するのです。

川端康成の「掌の小説」といい、「片腕」という“可笑しい”一編にも、津々の興味を持つ石田さん、石田衣良ファンの私としてはちょっと感激して“ニンマリ”です。

あまりにも奇妙なオマージュ・二作も力作となっていますが、他のショートショートも、実にタッチは軽いが、中身はぐぐっと深い、という、いい作品ばかりです。

「ぼくはどうせ書斎派なのだ。書くことと音楽と街歩き好き。結局、子どもの頃から、自分の好きなことだけして、わがままに生きてしまった。」と最後におっしゃっていますが、私もそんな感じの生き方に憧れます。

女性にも男性にもおすすめの、石田衣良さんが苦しみを感じつつも二年に渡って楽しく書き上げた短編集は、これまた私のお気に入りの一冊になりました(*^^*)


【Now Playing】 カヌー / Kenny James Trio ( Jazz )

2014/06/17

『宝塚夜話・第十八夜 < 明日海りお(あすみ・りお)さんトップ・デビューについて >』

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100周年を迎えテレビやその他宝塚関係の露出がたいへん多くて、うれしい気持ちの方が勝っていますが、でもちょっとだけ宝塚を誤解する人がいるかもしれないのが心配です (・_・;・・心配性・・・。

そんな中、facebookでは既に明日海さんのことを書いたりしていましたが、こちらでも少しふれておこうと思います。

花組のトップスター「蘭寿とむ(らんじゅ・とむ)」さん退団のあとを受けて、表題の「明日海りお」さんが男役トップスターに就任。これは歌劇団もファンも待ち望んでいたことでたいへん目出度く'(*゚▽゚*)'うれしいことでした。

明日海さんは現在名古屋の中日劇場で「ベルサイユのばら ~フェルゼンとマリー・アントワネット編~」を公演中。これは大劇場での本公演デビューを目前にトップ・プレお披露目をしているような公演です。私は見ることが出来ずにちょっと残念ですが・・。

で、以前にもこのブログで書きましたが、新トップスター誕生となると、必ずと言っていいほど宝塚大劇場と東京宝塚劇場の本公演では、“大作”を持ってくるのが劇団のやり方のようです。

いきなり“宝塚の宝物”と言っても過言ではない『エリザベート』という超大作、難作、歌唱力を含め要求されるものが多いものをぶっつけて来ました。

こんな力量が試されるような名作は、何公演かトップスターとしての経験を積んでから、実力を十分発揮出来るような“脂が乗って”きてからの方が、はっきり言ってファンとしては嬉しいのですが、・・こんな意見ダメでしょうか?!

あの実力十分の蘭寿とむさんでさえ、大作「ファントム」でトップお披露目をしたときには、かなりの“迷い”が見えました。都合三回観劇したのですが、どの回もまったく異なる演じ方で、最後の最後まで“迷走”していたように感じました。
客席からも、「あの演じ方には違和感を感じる」というひそひそ声をかなり聞きました。これは紛れもない事実です。

明日海さんは、既に月組で「準トップ」という位置を経験し、主役の龍真咲(りゅう・まさき)さんと交互に主役そのものを役替わりで演じていたのだから心配ないよ、という声もあるでしょうが、心配性・・ (・_・;な私としては、明日海さんに“アテ書き(明日海さんに、もっとも合うように、明日海さん主役を想定した脚本を書く)”するくらいの作品でデビューし、観客をうならせ、組子との息も合う状態になり、十分実力を発揮できるような勢いのある状況で「大作デビュー」をしてもらいたいのです・・ダメですかねぇd(^_^o)

ま、そんなことは百も承知、二百も合点の歌劇団だと思いますから、素人の戯言として書かせていただきました。

それにしてもチケットが取れるのか、早くも心配です。
気合いを入れなくては!(^_^)


【Now Playing】 トラブルの隠蔽 / 得田真裕 ( InstrumentalMusic )

2014/06/15

くねくね文字の行方

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『くねくね文字の行方/椎名誠著(角川文庫)』を、これまたブックオフ価格86円で入手済みのものを読了。
1997年に「むはのむは固め」というタイトルで本の雑誌社から刊行された単行本を改題し文庫化したものです。

内容としては、椎名さんが映画を作り、それを持って全国を巡っていた頃の椎名さんの様子がエッセイとなったものでした。

この頃の椎名さんは“活き”がいいですね。タイトルは「くねくね文字の行方」などとなっていますが、ほぼ直球勝負の“三球三振”みたいなキレのいい書きっぷりですd(^_^o)

椎名さん、「働き盛り」で、週刊誌連載四誌、月刊誌連載三誌、月刊の日記、月刊の写真、隔月刊小説、およびエッセイ三誌、月刊の旅行記一誌、季刊の小説一誌、が現在の仕事だ、と書かれています。
ご本人も「締め切りのデスマッチリング」と言って(^^;)いますが、すごいです。
そこを縫って日本全国、海外も周り、文学賞の選考委員もいくつか引き受けています。
でも、きっと楽しかったんでしょうね、今見ると文章が踊っています(*´▽`)

私が初めて椎名さんを知ったのは、「本の雑誌」を東京の大きな書店で発見した時でした。
その雑誌自体が本好きにはこたえられない面白い内容でしたが、どこでも手に入るものではありませんでした。
私が当時買っていたのは、渋谷の旭堂書店・・?ちょっと記憶があやしいが・・でした。
そして、配本は本の雑誌をボランティア的に手伝っている学生が直に行い、通常の配本ルートを取っていないものでした。

しかも、いつ出るのか全くわからず、「隔月刊になった」と公言しても、実際は書店に並ぶのはさらに数ヶ月後なんてこともありましたっけ。

千葉では、セントラルプラザにあった多田屋にしか当時は置いていませんでした。
書店で見つけたときの喜びは大きく、むさぼるように読んだものです。

それ以来のファンなので、椎名さんの文を見ているだけで嬉しくて、そして幸せになるのです。

今回も“イキのいい”椎名節を過去の本ですが、堪能しました。

さて次は誰の本を読もうか・・(*^^*)


【Now Playing】 A Day In The Life / The Beatles ( Rock )

2014/06/14

「しない生活」を読みました

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『しない生活/小池龍之介著(幻冬舎新書)』を読みました。
著者、小池龍之介さんは月読寺・住職であり、そのほか一般向け座禅指導などもされていて、この本は朝日新聞に連載されたものをまとめたものだそうです。

現代人の人と人のつながりや、イライラすること、人への反発心、自分を変えたいと願う心、思わず人と自分を比べてしまうこと、などへの分析や宗教的な考え方などがエッセイ風に綴られています。

どの頁も「そうだよなぁ・・」と、頷いてしまったのですが、特に印象的だったのは、現在のネット社会にいる私たちについて書かれている部分です。
それが快楽指向から来るものであるというお話でした。

太古の昔、人は飢餓状態にあるのが普通で、糖質やタンパク質、脂質などが舌にふれると快感物質ドーパミンが分泌される仕組みになっていて、現代は甘くて脂っこいものがいくらでも手に入るので快感物質の分泌が止まらなくなる、快感量が多すぎるがゆえ、麻痺を起こし満足できぬまま食べ過ぎているというのです。

脳に「快」の刺激を与える頻度と強度が増すと「快」を感じる脳の装置が麻痺してしまい、かえって気持ち良さが減っていくという仕組みです。

常にスマートフォンで情報を得ている多くの人達は「自分が発信した内容に他人がどう反応するか」という情報について最も気にしていると著者は言います。

「自分が他人にどう見られているか」、要するに『自分情報』欲しさに情報端末に釘付けになっている、というわけです。

スマートフォンとなれば、四六時中・肌身離さず持っているので、「自分が相手にされている」という有力感(もちろんこの反対は無力感だ)を得て脳に強い「快感」が入力される。・・うまい説明の仕方で、私も思わずうなってしまいました。

なので、相手からの返信やコメントに「早く早く」という思いが強くなったりします。
今や携帯端末を通じた人との繋がりは強要されていると感じるくらいの状態です。

先に書いた糖質や脂質を摂取するものが人工的になったりしている今、自然素材のものでそれらを食べることが人の健康に大事なように、デジタルでの人との繋がり以外に、相対したりする別の繋がりが必要なのだと感じました。

インスタントに繋がらない、また繋がり過ぎない、むしろ孤独を味わうくらいの気持ちもある意味大事なのかもしれません。

人は脳への「快」を求め、麻痺するくらいの状態にすぐに到達してしまうのは、路上でも駅のホームでも、自転車に乗っている時でも、スマートフォンの画面に夢中になっている人たちを見て、実感することができます。

上記のようなことをわかりやすく説明した『人とつながり過ぎると「快感過多」で不幸になる』という章が一番印象に残りました。


【Now Playing】 守るべき人生 / 得田真裕 ( InstrumentalMusic )

2014/06/12

映画「グランド・ブダペスト・ホテル」を見た

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表題の映画を見ました。
2013年、製作:イギリス/ドイツとなっていました。
品格漂うオールドスタイルのホテル、グランド・ブダペスト・ホテルを仕切る名コンシェルジュのグスタヴ(レイフ・ファインズ)が常連客のマダムが殺されたことで自らが疑われ、さらに莫大な遺産争いにも巻き込まれてしまうというお話でした。
ベルボーイのゼロ(トニー・レヴォロリ)と共にヨーロッパ中を巡って、さらにコンシェルジュの秘密結社の力を借りて主役の名コンシェルジュが連続殺人事件の謎に挑みます。

舞台となっているホテルのみならず、この世のものとは思えないロケーション、登場人物の衣装、小道具・大道具、ヘアメイク、音楽に至るまで、徹底的に追求されているであろうと想像出来る素晴らしさには先ず驚きました。
それを見るだけでも映画としての見どころになるくらい。

1930年代のコメディなどからアイデアを得たということで、クラシカルで全体の仕掛けも舞台を見ているような印象も受けました。
その中でこのミステリーが繰り広げられるわけですが、この映画、何回か見た方が良さそうです。
美しい景色や、凝った映像、役者の演技などに目を奪われていると、ストーリー展開に乗り遅れたり、ストーリーを追おうとすると、せっかくの見どころ映像を見逃してしまいそう・・。


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ただ、私にはけっこう残虐というか、見るに忍びないシーンと映像が有ったり、感覚的に日本人には向かないやり取りというか、台詞回しが有ったりして、ちょっとイヤな感じが残ってしまったというのも正直なところです。

通常の映画ファンにとっては、かなりの名作と言えるものかもしれませんが、最近の“暴力シーンなどがつらい”私にとっては、その分を差し引くと75点です。
私個人の感想はちょっと控えめになりましたが、見る価値のある映画ではあると思います。
気になられたらぜひ映画館にお運びください。損することはないと思います。


【Now Playing】 Melted Matter / Tord Gustavsen Trio ( Jazz )

2014/06/11

「蔵書の苦しみ」を読んだ

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『蔵書の苦しみ/岡崎武志著(光文社文庫)』を読みました。例によってブックオフ価格86円。

タイトルにあるように、読書が好きな故、古本屋回りが好きな故、また著述を仕事にしているために資料として必要な故、手元に置いておきたいが故の“溜まりすぎる”本をいったいどうしてくれよう、という「悩み&ある意味楽しみ」を書き綴った本です。

著者のケースももちろん書かれているのですが、著者の周囲にいる強者達の蔵書への考え方や対応策なども書かれていて、だいたいこの本で“苦しみ”を訴えているのは、蔵書2万冊以上の方です。
・・だから、私達素人がちょっと持て余している、というような生易しい状況ではないのです。

ほとんどの場合、書斎の中に人が歩く道一本が何とかあり、本棚だけでなく、床に積み上げた蔵書がさらに、廊下に出て、寝室や様々な部屋を侵食し始め、蔵書用に家を借りるか、家ごと引っ越すか、というような事態に陥るのが“蔵書の苦しみ”を訴える方々の一般的な様子です(^^;)

火事や災害で蔵書を丸ごと失い、むしろ諦めがついたというケースもありましたし、思い切って数万冊を古書店を呼んで処分したり、著者などは「一人古本市」と称して安く値を付け、期日を設けて売ってしまうというような例を紹介していました。


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そして、この本全体には、やはり処分するときの残念・無念な心模様や、処分後の閑散とした書斎に落ち着かなくなってしまう気持ちについてもリアルに描かれていて、私もかつてスチール製の本棚4~5本分の本を処分したときのことを思い起こして、あの寂しさを思い出しました (・_・;

中には新築して三階吹き抜けの部屋の床から天井まで四方を本棚にして全ての蔵書に囲まれて暮らしている夢のようなことをしている人も紹介されていましたが、たしか私もこの人の書斎?・・図書館(^^;)を写真で見たことがあります。まことに羨ましい限りですが、家族からの反響もさぞかし凄かったとお察しします。

とにかく本好きで、古本屋に行くと十冊以上は買って帰ってくるような人、そしてコレクター的な領域まで達している人には共感を持ちながら最後まで楽しめる本でした。

私もまたそろそろ処分を迫られるような状況で、f(^^;どうしようかと悩み、迷っているところなのです。


【Now Playing】 8*30のテイク / Blueno ( Pops )

2014/06/09

久しぶりに読んだ「幸田真音」さんの小説

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今回もブックオフ価格108円で『代行返上/幸田真音著(小学館文庫)』を読みました。

2003年頃の日本が舞台の金融小説です。
長引く不況の中、株価の下落に歯止めがかからず、不安感や閉塞感が蔓延し、日本の株式市場は追い詰められるところまで追い詰められているような状況下、年金改革の過程で出現したこの小説のタイトルにもなっている「代行返上」。
それにより更なる“売り圧力”がかかる、・・カネの匂いに蠢く外資系ヘッジファンドや年金基金関係者の苦悩、厚労省、企業等々それぞれの動きが約500頁に渡って“スピーディー”な時間経過と、濃厚な筆致で書かれているのがこの小説です。

しかもそれだけでお腹一杯になりそうなのに、登場人物が抱える人生の問題や、当時の働く女性に関する世間の考え方についての「疑問」についても全編に渡って漂うように描かれていました。

また、これも当時問題になっていた年金記録のずさんな管理についてもかなり踏み込んだ形で書かれていました。

今まで読んできた幸田さんの小説よりも“人間ドラマ”的な部分は踏み込みが浅い印象でしたが、「金融小説」としての内容があまりにも濃かったので、そちらまで書き込んでしまうと、焦点の定まらないものになってしまうのかもしれません。
なので、専門用語が解説も無しにバンバンとものすごいスピード感で登場して事態を進展させるので、一気に書かれている部分については分からない言葉ばかりで理解が難しい部分もありました。

この著書が国会での質問にも取り上げられたとのエピソードも後書きに書かれていましたが、あの時期の緊迫した、そして混迷した状況についての歴史的な資料とも言えるくらいの金融描写に、半分くらい意味が分からないものの、シビれるような感覚を伴って読むことができました。

幸田さんの濃厚500頁の限りなくリアルに近い金融小説でした。


【Now Playing】 斉藤雪乃のイチバンセン! / 斉藤雪乃 ( ラジオ日本 )

2014/06/06

絲山(いとやま)秋子さんの小説はしみてくる・・

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『ばかもの/絲山秋子著(新潮文庫)』を読みました。
これまたブックオフで86円でした(^^;)

200頁ほどの割と短い小説でしたが、心にじわじわと沁みてきた内容は750頁分くらいの内容がありました。

主人公は、お気楽気ままな大学生活を過ごし、しかも年上のぶっきらぼうで怖い女性との奴隷的愛欲生活まで送っている男。
そして、その相手の女性も主人公と言ってよいかもしれません。

やがて女性は簡単に主人公の男性を捨て(最後は「結婚するからじゃあね」という感じで、しかも男の下半身むき出しのまま公園の木に縛り付けて逃げてしまった・・( ̄O ̄;))結婚生活に入ります。

男性の方は大学を卒業したものの、そして新しい彼女を見つけたものの、どんどん酒に溺れ、これほどひどい状況があるか、というくらに荒んだ生活を送り、会社を解雇され、ますますどん底に落ちて行きます。
友達からも最後通告的な言い方をされ、もう救われないままアルコール依存のまま死んでしまいそうなところまで行ってしまいます。

でも、もう一人の主人公である最初付き合っていた女性の母親がやっている店に行き、酒を飲もうとして、ガツンと言われた言葉に、自ら病院に入り、人間として最低のところまででもせめて戻ろうとし始めます。

結婚してしまった元彼女は、こともあろうに夫の職場で仕事を手伝っている最中に夫の不注意で夫の操作するフォークリフトに挟まれ、片手を失い、やがて離婚。
従姉を頼り、都会から離れ、一人暮らしを始めます。

その離婚した女性の母親は、主人公の男性に喝を入れてくれただけでなく、一人暮らしを始めた自分の娘に会いに行けと言います。

全てを失った主人公の男と女が絶望の果てに再会します。

それまでが怠惰、堕落、破滅、退廃、などという言葉が似合うような話の展開であったのが、一転して歳月を経た男女の静かで、穏やかで心の糸が少しずつ繋がっていくような、そんな時間がゆっくりと流れるような展開になりました。

小説的に誇張された表現や展開はあるかもしれませんが、人として生まれて来たからには誰もが経験せざるを得ない人生の厳しさ、つらさ、ささやかな楽しみなどが巧みに描かれ、そして友や、周囲の人達との関わりなども“じわっ”と書かれていて、読んでいる間中胸が締め付けられ、哀しくなったりしました。

読む人の年代によって、異なる味わい方のできる小説だと感じました。
誰にでも勧められるものではありませんでしたが、楽しい時間なのにふと秋風のような寂しさを感じるような、そんなあなたにはお勧めいたしましょう・・<(_ _)>


【Now Playing】 Happy Endings / The Patriotic Sunday ( Organic SSW )

2014/06/05

月組の「三本立て」は・・'(*゚▽゚*)'

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宝塚歌劇・月組東京公演『宝塚をどり/明日への指針/TAKARAZUKA ! ! 花詩集100 ! !』の三本立てを観ておりましたので感想を。
三本立てということで、とても珍しい休憩が二回という、観客も次のステージへの心の準備がトイレタイム、グッズ購入タイムも含め、ちょっと馴れない感じの進行でした。

先ずは一本目、「宝塚をどり」は完全“和モノ”。
よく言う「ちょんぱ」という、暗転した会場にパッと明かりが点くと、舞台には豪華絢爛な衣装の月組の皆さんが構えていて、観客は「おおっ!」と驚くという、わかっちゃいるけど“うれしい”オープニングでした。
私が見た回は、かなり団体さんの人数が多かったので、その「おおっ!」も、本気の「おおっ!」で客席がどよめきました。

繰り広げられる舞台は、専科の松本悠里(まつもと・ゆり)先生の日本舞踊をはじめ、月組トップスターの龍真咲(りゅう・まさき)さんも11年ぶりという純日本ものの踊りと歌が極彩色に繰り広げられ、月組の“綺麗”な日本ものもなかなか良いじゃないですか!(*´▽`)と楽しんでしまいました。
月組が日本ものを演ると、その印象はとてもシャープな感じがしました。
宝塚独特の洋楽のオーケストラが奏でる音楽で、日本舞踊を含めた“和モノ”の踊りと歌が楽しめ、やはり普段は聞かない言い回しの歌詞も含め、堪能できました。
こういう演目もやはり必要だと思います。舞台の流れに身を任せながらゆるりと楽しめる“日本もの”。いいものです。
それと100期生の“口上”も有り、良いタイミングで宝塚を見ることができた幸せも感じました。

そして次は普段と比べとても時間の短いプチ・ミュージカル「明日への指針」。
打って変わって、今度は完全“洋モノ”( ̄O ̄;)
短い時間でのストーリー進行なのに、細かいストーリー上の“仕掛け”がいくつか有り、目まぐるしくて、しかも誰がいい人で悪い人(けっこう観客はストーリーを追うために、そういう分け方をして見てしまうのです)かが良くわからず、腑に落ちないまま、あっという間のエンディング。
これで良かったんかい?!と思って半信半疑的な拍手をしていたら幕が降りてしまいました (・_・;
もうちょっと“仕掛け”を少なくして「中継ぎ」としてのこの作品をゆるい感じにしても良かったかも・・と思いました。・・星組の「めぐり会いは再び」みたいにね・・d(^_^o)

さらに三本目の「TAKARAZUKA ! ! 花詩集100 ! !」は、グランド・レビューと銘打ったショー作品です。
こちらは、月組らしくキラキラと輝く月組生達の本領発揮!
ダンス、歌、衣装、舞台進行、全てが美しい、まさにグランド・レビューと言うにふさわしい出来ではなかったかと思います。
相変わらず龍真咲さんと愛希れいか(まなき・れいか)さんの並びは非常に“綺麗”で、月組らしいショーにとても満足しました。
100周年を記念するに、とてもマッチしていた今回の演目、ミュージカルがもうひとつゆるくして、しかも感動的になっていれば満点であったと思いますが、欲張ってはいけませんf(^^;
宝塚の100周年を記念する今年の数々の演目は、なかなか良いのではないかと思いました。


【Now Playing】 クロース・トゥ・パーフェクト / スタジオUSEN ( InstrumentalMusic )

2014/06/03

我が家の庭は猫くつろぎの場

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休日に窓から外を見ると野良猫や、どこか近所の飼い猫などがうちの庭でくつろいでいます。

最近は、我が家の周りがすっかり様変わりしたというか、次々とアパートが建ち並び、猫たちがゆったりできる場所が減っているようです。
というわけで、木陰が有り、花が咲き乱れるうちの庭は猫たちのくつろぎの場となっています。


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写真の黒白ニャンコは書斎にいた私と目が合うと、「せっかく物入れケースの上が暖ったかそうなので昼寝しようと思っていたのに・・場所を変えるか」と、ちょっと残念そうに背中を向けて歩き出しました。


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けっこう庭をあとにする姿に哀愁と孤独を感じさせ(^^;)ます。

また来いよ。


【Now Playing】 ラジオ深夜便 / 宇崎竜童 ( NHK-AM )

2014/06/02

フランスのロック・ミュージカル「太陽王」に行って来ました

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渋谷「ひかりえ」の東急シアターオーブで行われている宝塚歌劇・星組公演『ミュージカル 太陽王 ~ル・ロワ・ソレイユ~』を観ました。

主演はもちろんトップスターの柚希礼音(ゆずき・れおん)さんですが、娘役トップスターの夢咲ねね(ゆめさき・ねね)さんは、このあいだご紹介した「コメディ・第二章」の舞台に、若手の礼真琴(れい・まこと)さんらのグループも別の舞台に出演されていますので、中規模部隊での公演となります。

2005年にフランスで初演された人気ミュージカルを日本の宝塚に持ってきたものですが、私は存知上げませんで、予備知識無しの観劇となりました。

ストーリー展開としては、「太陽王」と呼ばれたルイ14世の司った国政の様子、また“ひとりの人間”として愛されることを願っていた人物像、、フランスの文化を興すことにも力を注ぎ、さらに自らを取り巻く多くの女性との恋についても描かれたものでした。

そもそも太陽王・ルイ14世の生涯についての私の知識が乏しく、2005年のフランスでのミュージカルについてもどのようなものだったか知らずに来たのは反省点です。
もう少し学習してから来れば、舞台上の進行をある程度理解・納得しながらついて行くことが出来たかもしれません。

結局舞台上では、あまり政治の面やフランス文化への貢献などについては力を入れて取り上げてはいませんでした。まあそれはミュージカルなのでそういうものだと思います。

専ら宝塚らしく、妃であるマリー・テレーズ(優香 りこ/ゆうか・りこ)、伯爵夫人でありながら、その妖しい魅力で何人も柚希・太陽王の子を産むことになるモンテスパン夫人(壱城 あずさ/いちじょう・あずさ※本来は男役・・でも妖しい魅力が出ていて、とても良かった)、さらに太陽王の容態に気遣い看護している間に・・恋愛状態になってしまったマリー・マンシーラニ(綺咲 愛里/きさき・あいり)、太陽王とモンテスパン婦人の間にできた子の面倒を見ていたフランソワーズ・ドビニェ(妃海 風/ひなみ・ふう)との“五角関係”をものともせず、好きになったら攻めまくる恋物語が中心となっていたように感じました。柚希さん、こういう役多いと思う (・_・;。

ルイ14世そのものに知識の無い私には、序盤はなかなか入り込み難いものとなってしまいました。
でも前半の中盤あたりから、このミュージカルの雰囲気がつかめるようになり、第二幕前には前半を踏まえた臨戦態勢が整いました。

フランスで人気のあったこのミュージカルを柚希さん中心の星組で公演したことは、歌劇団の柚希さんに対する大きな期待もあると思いますし、このフランス・ロックの強烈で、しかもメロディアス、かつ歌唱力を要求する演目は、現在の宝塚で舞台化するとなると星組しかないように思います。

きっと、柚希ファン、星組ファンは、「どうだっ」とばかりに他組のファンにアピールしたい気持ちになるかもしれません。
たしかに、宝塚初の舞台化作品としてはなかなか良かったと思います。

でも、(※これは私個人の意見ですよ)、・・宝塚で果たしてやる必要があるのか、とも思いました。
特に星組は、大劇場の本公演で「ナポレオン」という重厚で長大な大作をやって来たばかりで、またも通常の宝塚ではあまりないタイプのこの作品をシアターオーブに持ってきて連続するような形で公演しました。
何となく体育会系な印象のある星組、ちょっと「力」の入る作品ばかりで、もうちょっと軽い感じのものが見たくなった、というのが私の観劇後の感想です。

また、トップ娘役の夢咲ねねさんが他の舞台出演で不在中に、このひとつの公演で柚希さんと二人の期待の娘役と組ませているのも、その意図が気になりました。

柚希王国が続く間に娘役の交代でもあるのか?などと、ちょっと勘ぐりたくもなりました。

その一人、綺咲愛里さんは、「美しくて可愛い」存在として、宝塚内でも貴重な存在です。彼女から発するこぼれるような美しさは群を抜いています。
歌は及第点だと思いますし、演技も気品があってなかなかのものだと思います。
ひょっとして柚希さんと・・いやいや、他組の新しいトップスターのところにお嫁入りするのか・・・。

もう一人、妃海風さん。
彼女は舞台に出てきただけでその場が明るくなり、健康的で独特の雰囲気と魅力を持っています。しかも歌はかなり良くて、彼女の歌は観客の心を動かすところまでの領域に達していると思います。
彼女もトップ娘役候補の一角にいます。

というわけで、柚希さんは、夢咲さんの居ぬ間に若くて可愛い娘と浮気?(^^;)しているように見えているのはきっと多くの宝塚ファンが心の隅で思っていることなのではないでしょうか。

星組は100周年を柚希礼音さんの独走で走り抜ける様相ですが、今後もこのような重厚・長大な作品で勝負していくのでしょうか。
私は、もっと“いつもの宝塚”の星組が見てみたいのですけど・・、変な考えかな?

今回、紅ゆずる(くれない・ゆずる)さんは、ちょっと変わったコメディタッチの役回りのままでしたが、配役としては順当で仕方ないのか・・。
もっと、ぐっと腰を落とした大人っぽい役をつけてもらいたいというのが、素人の希望です。彼女にはそういう役が似合うと思うのです。

真風涼帆(まかぜ・すずほ)さんは、いい男役にななりましたが、何かもうひとつ華がほしいような気もしました。
舞台に現われただけで、パァッとあたりに光が刺すような雰囲気が出てくるとさらに威風堂々のトップスターになるのではないかと思いました。

あれこれととりとめも無く書いてしまいましたが、全体の感想としては、いい作品で演じた星組も実力を発揮して熱演、好演でしたが、でもこれを続けていくのが宝塚として良いのかどうかは、ちょっと「態度保留」というところです。


【Now Playing】 Boats & Birds / Gregory And The Hawk ( Organic SSW )

2014/06/01

「冬のひまわり」を読んだ

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続いております「ブックオフ86円シリーズ」(*^^*)
今回は『冬のひまわり/五木寛之著(新潮文庫)』です。
昭和60年刊行のものを昭和63年に文庫化したものです。
版も重ねられていますので、そこそこの売り上げがあったものと思います。

京都・山科の古い宿屋「加賀屋」、江戸時代に北陸の寺の門戸たちの宿舎であったところの娘が主人公。
そしてその主人公の友が大人しい主人公とは正反対の美人で男を手玉にとって生きているような同級生です。

その二人が高校生のところから物語は始まり、鈴鹿サーキットにオートバイのレースを見に行き、知り合ったオートバイ好きの都会派青年とひょんなことから主人公の娘は恋に落ちます。

主人公が一緒にサーキットに来た友と喧嘩して会場に放置され、泣きべそをかいているところをその都会派青年がバイクで京都まで送っていくことになり、
お互いに惹かれるまま、その場は別れてしまいます。

が、互いに恋情は募るばかり、やがて毎年鈴鹿サーキットの出会った同じ場所で互いに相手を待ちわび、何年もそれが続くことになります。
そして、一度だけ二人で一夜を過ごすことがありました。
その直後、青年はイタリアにデザインの勉強に行ってしまい、ヒロインの娘は出来てしまった子を・・・。
その時に一緒に病院に行き、父親役をしてくれたのが、加賀屋に「寺内町における多屋の成立」をテーマに卒論を書くために訪れていた福井県の農家の三男で、祖父の代まで浄土真宗の檀家総代をつとめていた信心深い家柄の男。

やがて主人公の娘はその農家の三男と結婚し、加賀屋の行く末を心配していた主人公の母も喜ぶこととなり、しかも男は婿に入り、遠野という氏も引き継ぐこととなります。

この出来た?夫は、毎年妻が鈴鹿サーキットに行くことを許します。
どう考えてもおかしな“三角関係”?のような状況が何年も続き、しかも主人公の友である美人女性は、都会派青年こそ自分にぴったりだと照準を定めている模様・・( ̄O ̄;)

五木寛之先生の繊細なタッチで、描かれた恋模様は、情熱と恋慕と諦めとが入り混じり、サーキットでのレース描写の爆音と人々の喧噪の中で逆に静かに進行します。この辺りが五木さんの小説の真骨頂ではないでしょうか。

妻が別の男に恋心をいだいたまま結婚する人のよい男性の言葉、

「人を愛するということと、人と生活するということはちがうことのような気がするんだよ。両親の暮らしを見ていて、子供のときからそう思っていた。
純粋に愛し合っている人間同士が、長くいっしょに生活していくなんてことがはたしてできるだろうか。
私はできないと思う。だから私は麻子とのあいだに、それとちがった別なものを、長い時間をかけてつくっていきたい、と思っている。だから結婚してもらったんだ。」

・・これはそうとうに深い・・ (・_・;
私も、まだ夫婦というものがどういうものなのか、わからないまま現在に至っています。

最後に相当の覚悟をして40歳になってもまた鈴鹿サーキットに会いに行く“元青年”と、それを自分のマセラッティで送っていくまだまだ美人継続中の主人公の友(・・まだ元青年をねらっている)、子供を身籠もった妻を今年も鈴鹿に静かに送り出す主人公の夫、そして主人公は鈴鹿に行ってどうするのか、元青年との燃えるような恋に懸けるのか、それとも静かに帰りを待つ夫の元に帰り、二度と青年に会わずに夫のいう「夫婦」という形態に今後の生涯を捧げるのか!

古い小説でしたが、とてもいいものでした。
結果は、この本を自分で読んでたしかめてねd(^_^o)


【Now Playing】 Spirit / 溝口肇 ( Instrumental Music )

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