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2014/06/01

「冬のひまわり」を読んだ

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続いております「ブックオフ86円シリーズ」(*^^*)
今回は『冬のひまわり/五木寛之著(新潮文庫)』です。
昭和60年刊行のものを昭和63年に文庫化したものです。
版も重ねられていますので、そこそこの売り上げがあったものと思います。

京都・山科の古い宿屋「加賀屋」、江戸時代に北陸の寺の門戸たちの宿舎であったところの娘が主人公。
そしてその主人公の友が大人しい主人公とは正反対の美人で男を手玉にとって生きているような同級生です。

その二人が高校生のところから物語は始まり、鈴鹿サーキットにオートバイのレースを見に行き、知り合ったオートバイ好きの都会派青年とひょんなことから主人公の娘は恋に落ちます。

主人公が一緒にサーキットに来た友と喧嘩して会場に放置され、泣きべそをかいているところをその都会派青年がバイクで京都まで送っていくことになり、
お互いに惹かれるまま、その場は別れてしまいます。

が、互いに恋情は募るばかり、やがて毎年鈴鹿サーキットの出会った同じ場所で互いに相手を待ちわび、何年もそれが続くことになります。
そして、一度だけ二人で一夜を過ごすことがありました。
その直後、青年はイタリアにデザインの勉強に行ってしまい、ヒロインの娘は出来てしまった子を・・・。
その時に一緒に病院に行き、父親役をしてくれたのが、加賀屋に「寺内町における多屋の成立」をテーマに卒論を書くために訪れていた福井県の農家の三男で、祖父の代まで浄土真宗の檀家総代をつとめていた信心深い家柄の男。

やがて主人公の娘はその農家の三男と結婚し、加賀屋の行く末を心配していた主人公の母も喜ぶこととなり、しかも男は婿に入り、遠野という氏も引き継ぐこととなります。

この出来た?夫は、毎年妻が鈴鹿サーキットに行くことを許します。
どう考えてもおかしな“三角関係”?のような状況が何年も続き、しかも主人公の友である美人女性は、都会派青年こそ自分にぴったりだと照準を定めている模様・・( ̄O ̄;)

五木寛之先生の繊細なタッチで、描かれた恋模様は、情熱と恋慕と諦めとが入り混じり、サーキットでのレース描写の爆音と人々の喧噪の中で逆に静かに進行します。この辺りが五木さんの小説の真骨頂ではないでしょうか。

妻が別の男に恋心をいだいたまま結婚する人のよい男性の言葉、

「人を愛するということと、人と生活するということはちがうことのような気がするんだよ。両親の暮らしを見ていて、子供のときからそう思っていた。
純粋に愛し合っている人間同士が、長くいっしょに生活していくなんてことがはたしてできるだろうか。
私はできないと思う。だから私は麻子とのあいだに、それとちがった別なものを、長い時間をかけてつくっていきたい、と思っている。だから結婚してもらったんだ。」

・・これはそうとうに深い・・ (・_・;
私も、まだ夫婦というものがどういうものなのか、わからないまま現在に至っています。

最後に相当の覚悟をして40歳になってもまた鈴鹿サーキットに会いに行く“元青年”と、それを自分のマセラッティで送っていくまだまだ美人継続中の主人公の友(・・まだ元青年をねらっている)、子供を身籠もった妻を今年も鈴鹿に静かに送り出す主人公の夫、そして主人公は鈴鹿に行ってどうするのか、元青年との燃えるような恋に懸けるのか、それとも静かに帰りを待つ夫の元に帰り、二度と青年に会わずに夫のいう「夫婦」という形態に今後の生涯を捧げるのか!

古い小説でしたが、とてもいいものでした。
結果は、この本を自分で読んでたしかめてねd(^_^o)


【Now Playing】 Spirit / 溝口肇 ( Instrumental Music )

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コメント

し、知りたい。。

はっPさん、こんにちは。
お母様の事、お悔やみ申し上げます。
素敵で可愛いお母様だったみたいですね。

さて、、今回の投稿、これは拷問に近いです。
「冬のひまわり」どこかで見つけなければ。

総武食堂さん、こんにちは!
母への悔やみのお言葉ありがとうございます。
今頃先に逝った父とあちらの世界での生活を始めていると思います。

そして今回の投稿・・f(^^;
すいません、「えぇっ!」という展開で、でも深く納得してしまうような結末なので・・書いてしまうよりは160頁ほどの短い小説なのでお読みいただいて、感動してもらう方がよいかと思います。
主人公と、元青年と、主人公の美人の友と、主人公の夫の四人の人生の区切りが同時にやって来る・・その様子をぜひ私の拙い文よりも原文でお楽しみいただきたいと存じます(^^;)
・・・ごめんなさい。入手出来ずにそれでも気になる場合はまたこのコメント欄に「いいから教えろ」と送信してください。
その際には“ネタバレ”ですが、そっとコメント欄に書き込みますので・・・。

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