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2014/07/21

北大路魯山人の「料理王國」を読みました

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『春夏秋冬 料理王國/北大路魯山人著(中公文庫)』を読みました。
独学、独習で書・纂刻・絵画を志した著者は、明治16年生まれ、大正期には「美食倶楽部」「星岡茶寮」を創業し、使用する一切の食器(陶器・漆器)を自ら草案制作し、以後ひたすら陶芸に没頭、昭和34年死去しています。

私はこの魯山人の名を聞くと、漫画「美味しんぼ」の登場人物、海原雄山を思い出してしまいます。
言っていることは全て本当のことではありますが、ここでわざわざ言わなくとも・・というところでも声を大にして言い、ついでに相手を名指しでこてんぱんにやり込めてしまうのもこの本を読んでいて、“似ているな”と感じました。

全て裏付けがあってごもっともではありますが(^^;)、そこまでせんでも・・と感じました。
でも、そういう人なんです。あらためてこの本を読んでよくわかりました。

ただ、この人の美に対する芯の通ったものの見方、考え方は一貫していて、だから料理だけでなく器もあって、はじめて料理が美しく成立するのだという考え方も納得させられるものでした。

多くの頁数を割いて書かれた「鮎」に対する魯山人の選び方、料理の仕方は究極、不滅なものを感じました。
その他、鰻や河豚、猪、変わったところでは山椒魚まで様々な食べ方、自ら試してみた料理方法が紹介されていました。このくだりもたいへん面白く読みました。

江戸前寿司について書かれたところでは、商売優先で安直な寿司を売っている店を非難し、ついでに「今にトマト寿司やらコンビーフ寿司、とんかつ寿司、挙げ句にパンも挟んだサンドイッチ寿司だって出てくるに違いない。」と言っています。
大正期を中心に活躍した著者が言っている上記の様子って、今の回転寿司のことを言い当てているような気がして、たいへん驚きました。

それから意外と使う言葉に「超スピード」や「スローモー」などというのがあって、やはり驚きました。
偏屈な爺さんですが、言葉は割と先取りしていたのかもしれません。

文中でも、名指しで批判・論破するところが何度か有り、当時、周囲の人は怖がっていたのだろうな・・などとも思いましたが、でも不思議と読めば読むほど魅力ある人に感じるのです。

自分の美学を信じ、生涯をそれで徹した生き方が現代の我々をも惹きつけるのかもしれません。

「世界食べ歩き」の章も有り、和食がいかに優れているかをそこでも論じ、証してみせますが、美味いものは美味いと正直に言い、でもトゥール・ダルジャンでの傲慢な態度は周囲を慌てさせ、まさに孤高の人と言えるかもしれません。

料理について、素材そのものの良否や、技法を知るために読むのも楽しいし、魯山人という人物にふれるという楽しみもある本でした。
300頁の充実感満載の本、美食家の貴方におすすめいたします!


【Now Playing】 Sophisticated Lady / Cedar Walton ( Jazz )

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