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2014/09/06

川上弘美さんの小説「古道具中野商店」を読んだ

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『古道具中野商店/川上弘美著(新潮文庫)』を読みました。
例によって、ブックオフで108円。
この作品は平成17年に刊行されたものです。

主人公は、中野さん営む古道具屋のアルバイト店員の女性。
それを取り巻く登場人物のひとり、中野商店店主・・儲かっているのか、つぶれそうなのかはっきりとわからない店を営み、「銀行に行ってくる」と言ったときは、ほぼ日中から愛人とラブホテルにしけ込むので、主人公のヒトミは、その愛人のことを「銀行」と呼んでいる・・(^^;)

ヒトミと同じくアルバイトのタケオは、飄々として不思議な男、主人公と食事をしたり、酒を飲んだり、互いにそれとなく気になっていて、ある日あっという間のきっかけで結ばれ・・でも、ふとした主人公の言葉で関係が崩壊・・。

店主中野さんの姉や、その姉の愛人、古道具屋にやって来る不思議な人達によって物語は大きな波乱らしきものも無く、進行します。

ヒトミは、それらの登場人物の人となりや人生模様を眺めつつ、生きていきます。
ヒトミは30前後で、タケオとのよりを戻すことを考えたり、時には諦め気分になり寂しくなったりを繰り返しますが、そのちょっと寂しいような、淡々としているような様子の描き方は、著者・川上さんならではのものです。

そんなシチュエーションに、古道具屋という舞台は丁度“ひなびていて”マッチしていました。

小説で上記のような女性を描くと、たいていは、劇的な出来事などを起こして、その人生を急流に呑み込ませ、ストーリー展開させることが多いのかもしれませんが、川上さんのしみじみと“枯れた”世界はとても読者としても“居心地”のよいものです。

私の大好きな川上さんの作品「センセイの鞄」も“枯れ”まくっていましたが、どこかあきらめているような人生の過ごし方にいつも共感してしまいます。

ラストでは、中野商店がいったん閉められ、ヒトミもタケオも職を失い、再就職(再々就職)の場でばったり行き会い、互いが割とイキイキしている姿に感心し、アンティークショップとして再開した中野商店あらため、「なかの」で、懐かしい登場人物が集まり、人と人の“いいつながり”を感じさせてくれ、主人公ヒトミとタケオのこれからがちょっと開けてきたところで物語りは終わります。

しみじみとして味わいがあり、時の流れをうまく描いた作品でした。
相変わらず、川上弘美さんの作品は私の心に染み入ります。


【Now Playing】 永六輔その新世界 / 毒蝮三太夫他 ( TBSラジオ )

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