【2/2】『ル・ミュージカル・ア・ラ・ベル・エポック 伯爵令嬢 -ジュ・テーム、きみを愛さずにはいられない-』・・見ました(観劇記の続きです)。
前回の観劇記ではトップお二人の様子をご紹介いたしました。
二度目の今回は、雪組の組子の皆さんの様子をご紹介いたします。
夢乃聖夏(ゆめの・せいか)さんは、侯爵家の跡継ぎであり、新聞王でもある早霧せいな(さぎり・せいな)さんの新聞に書かれた記事が元となって父親が自殺してしまい、早霧さんへの復讐を成し遂げようとしていて、いわゆる“悪役”です。
こういう役をやらせたら、夢乃聖夏さんは実力を発揮しますよね。
父の死という悲劇からの苦悩や、“正しい”?悪役(^^;)として観客を「次は何をたくらんでいるのだろう」という疑心に陥れてくれました。
これで、悪と善との関係がくっきりとしてストーリーがより面白く感じられました。
また、早霧さんと距離と時間を置こうとして、あても無いのに街に飛び出してしまった咲妃みゆ(さきひ・みゆ)さんのコリンヌを騙し、一服盛って気絶させ、「ああ、咲妃さん演ずる“コリンヌ”大ピンチ」となったのですが、あまりに正直で愛らしいコリンヌに手を出せず、翌日にはコリンヌの職探しにうれしそうに付き合うなど、ちょっと憎めない人間性まで演じてくれて、観客は沸きました(*^^*)
その夢乃さんの情婦であり、宝塚の娘役として実力が必要とされるジャンヌ役の舞咲りん(まいさき・りん)さんも独特の“アク”のある人物を演じて、とても良かったd(^_^o)
実は伯爵令嬢であった咲妃さんのお爺さまにあたるロンサール伯爵を演じた我らの鳳翔大(ほうしょう・だい)ちゃんは、お爺さん役でもキラキラ・イケメンで(^-^)、別に化粧に凝らずともカッコイイ外国人に見えるので、さっすが大ちゃんっ!と、ニコニコで舞台を見ておりました。
それから今回のMVPとも言えるのが、早霧さんの執事を演じた真那春人(まな・はると)さんと、自分を助けてくれた咲妃さんを海に突き落として、伯爵令嬢に成りすました“スリ&泥棒”のアンナ役の有沙瞳(ありさ・ひとみ)さんでしょう。
真那さんは、最初は侯爵家にやって来た跳ねっ返りの咲妃・コリンヌを疎んじていましたが、コリンヌの素敵な人間的魅力を日々の暮らしの中で感じて段々と咲妃・コリンヌの応援団長みたいになっていくのが楽しくて、観客も「そうだろう、そうだろう」とニコニコで眺めていたのでした(*^^*)
有沙さんは、大役で、咲妃さんに対しこれでもかと非情なことをしていくわけですが、伯爵家にコリンヌに成りすまして入り、コリンヌの母親であるマドレーヌ・ド・ロンサール役、美穂圭子(みほ・けいこ)さんから受けた母の愛を強く感じ、伯爵令嬢という立場だけでなく、美穂・マドレーヌの娘として一時の幸せを感じている姿、またそれを失いたくないという娘心までも素晴らしい演技で見せてくれました。
いったんは牢獄に入れられたものの、最後にはまた脱獄してまで咲妃さんに襲い掛かる執念も炎のように演じ、まさにMVPの大活躍でした。
冒頭で咲妃さんに愛を告白する盲目の青年・リシャール・ド・ヴァンデルを演じた彩凪翔(あやなぎ・しょう)さんも、爽やかで、心優しい人物像をルックスも含め美しい男役のあり方を見事に演じていました。
いろいろあったが、コリンヌの幸せを一番に考える素敵な青年、良かったですよ(^-^)・・もう、ほめてばっかり!!(*^^*)
先ほどご紹介した悪役のアンナ・有沙瞳とコンビを組む泥棒モリス役の蓮城まこと(れんじょう・まこと)さんも、アンナとコンビを組みつつ、おいしい話(物語的にはとっても悪い話)には目が無く、執拗に伯爵令嬢に成りすましたアンナに取り入り、イヤな奴だが、物語の強力スパイス的な立場を狡猾に演じて、味のあるところを見せてくれました。
専科からの夏美よう(なつみ・よう)さんは、早霧さんのお父さんを演じましたが、これまたいつもよりもパワーアップした怖い父親像かつ、秘密を持っている立場を重厚に演じてくれました。
もう一人、専科からの美穂圭子さんは、コリンヌの母親役でしたが、相変わらずの人間味ある演技で、アンナ役の有沙さんが本当のお母さんのように慕うはずだと納得させる演技を見せてくれました。いつもうまいよなぁ( ̄O ̄;)
というわけで、二回に渡ってご紹介いたしました雪組新トップコンビお披露目公演、愛あふれる、にっこり、ほっこりするミュージカルでした。
“宝塚の良心”とも言える雪組の皆さん、素敵な舞台でした。ありがとうございました(^-^)/☆
【Now Playing】 夢で逢えたら / 神山純一 J.Project ( InstrumentalMusic )
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