【2/2】「エリザベート」を見ることができた
エリザベート観劇記・続編です。
まずは、主要登場人物について。
皇帝フランツ・ヨーゼフを演じた専科から出演の北翔海莉(ほくしょう・かいり)さん。
エリザベートを見初め、永遠の愛を信じて結婚するのですが、母であり皇太后のゾフィーが政についても、ヨーゼフ夫妻についても実権を握り、エリザベートの悩みと共にフランツ・ヨーゼフ自身も苦しむこととなります。
エリザベートの寝室の扉の前で開けてくれと悲しそうに歌うシーンが見どころですが、北翔さんの歌も演技も大袈裟にならず良かったと思います。公の場での優雅な振る舞いも隙なく見事だったと感じました。北翔さんにしては珍しく地味に演じましたが、渋めに抑えた演技が逆に光っていたと思います。
皇太后ゾフィーを演じた桜一花(さくら・いちか)さん。
エリザベート公演が決まったときに、きっと桜さんもこの役が回ってくるだろうと思ったことと察します。
桜さんは、この公演で退団されるとのことで非常に残念で勿体ないことだと感じましたが、桜さん、舞台での立ち居振る舞いもキリッとして見事だし、過激にならない怖いゾフィーを巧く演じていました。
ベテランの桜さんのことですから、今後も東京のお客様の反応を見て、修正を加えていくことと思いますが、私が見た回はやや抑え目くらいの印象でした。
ファントムのカルロッタの時もそうでしたが、回を重ねるにつれ、どんどん良くなっていくことと思います。
さて、もう一つの重要な役、皇太子のルドルフ。
今回は、芹香斗亜(せりか・とあ)さんと、柚香光(ゆずか・れい)さんの役替わり公演となっています。
私が見たのは、芹香斗亜さんのルドルフ。
見せどころは、もちろんトートとの銀橋での「闇が広がる」を歌うシーン。
トートの強烈な死への誘いに、手を取られ、振り解こうとしても、グイグイと黄泉の世界に引っ張られていく様子、・・芹香さんの全体のルックスも良いと思いましたし、あのジリジリと後ずさりしながら銀橋をトートと渡っていく様子には引き込まれました。とても良かった。歌も迫力がありました。文句なし、です。
柚香光さんのルドルフも見たいのですが、次回観劇予定日も芹香さんのルドルフが配役されているので、ちょっと残念。
また、今回は、長いこと休演されていて気になっていた、花野じゅりあ(はなの・じゅりあ)さんがエリザベートの母親役で復帰されています。
いつもどおりの安心して見ていられる演技を見せてくれました。復帰されてよかった(^-^)
それから、今回の公演で大河凜(たいが・りん)さんも退団されるとのこと。
今公演では、マダム・ヴォルフという女性の役を演じていて、もともと可愛いお顔立ちなのですんなりと役にはまっていましたが、爽やかでキリッとしたたたずまいが素敵なカッコイイ男役でした。
まだまだ舞台でその姿を見たかった、と残念に思いました。
全体に、今回のエリザベート公演は、花組らしく美しい舞台でした。
衣装の着こなしも、演者の所作も、そしてもちろん歌も美しく、丁寧な舞台運びがいかにも花組の舞台だ、と深く感じ入りました。
ラストが近づくに連れ、胸に迫ってくるものがあり、最後には・・やはり涙が頬を伝い・・(T_T)・・宝塚のエリザベート、ほんとうに良い作品だ、と涙を拭いました。
もう一回見られるチャンスがあるので、次回はまた視点を変えて見られればと考えています。
宝塚花組・東京公演「エリザベート」の観劇記でした。いたらない観劇記でしたが、その雰囲気、思いは少しですが、伝えられたと思います。
【Now Playing】 さすらい / 小林旭 ( 歌謡曲 )
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