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2014/10/13

「ふしぎな岬の物語」を見ました。

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吉永小百合さん企画の映画『ふしぎな岬の物語/成島 出監督』を見ました。
朝一番の上映に向かったのですが、お客さんは割と多く、ただ年齢的には、60代以上の方が中心で、50代もチラホラ、40代は数人はいるかな・・という状況でした。
まだ感想を書く前に言っちゃいますけど、もっと若い人が見た方が良い映画だと思いました。人の寂しさや、人の温かさ、今生きている人達の“心のすきま”に染み入る心地よく、しかも何かが自分の中で醸成していくような映画でした。若い人にもぜひ見ていただきたい・・。

吉永さん演ずる柏木悦子がやっている岬のカフェにやってくるタニさん(笑福亭鶴瓶)はじめ、なじみ客たち、吉永さんを支える自由気ままで破天荒な岬の問題児・柏木浩司(阿部寛)、父の反対を押し切って結婚し、家を出たが、ある日岬に戻ってくる竜崎みどり(竹内結子)らを中心に、この映画全体を通している優しいトーンの色調映像の如く、人びとの心模様もやさしく、そしてあるときは寂しく、岬の海の様子のように描かれていました。

物語は、いくつかのエピソードで綴られていて、父と岬のカフェに現われる幼子は、実に不思議な印象を与え、終盤にも登場し、この物語唯一の大きな波乱の前触れを起こします。
この父娘と吉永さんの関わりは、映画の中でもちょっと不思議な部分です。大きなアクセントとなっていました。

また、カフェに入る泥棒と吉永さんのやり取り、そしてラストでの“いいシーン”、知らず知らず涙が出てしまいました。これから見る方、泥棒さんとの二回のシーン、いいですよ(゚ー゚*)。oO

竹内結子さんのお父さん(漁師)を演じた笹野高史さんは、ロケ地に黄色いポルシェでさっそうと現われたそうですが、演技の方は本当に漁村の漁師らしくて、しかも劇中の“鯨祭り”を仕切り、男衆を率いて朗々と鯨唄を歌うシーンは素晴らしく、娘が帰ってきてからの心の通わせ方なども涙なしには見ることができませんでした。
号泣する竹内さんと共に私もぼとぼと涙をこぼしてしまいました。

その笹野さんの病気を心配する医師、米倉斉加年さんの真似できない風情ある演技も良かった・・遺作となってしまいました・・・、米倉さんのご冥福をお祈り申し上げます。

そうそう、劇中歌として「岬村青年団フォーク愛好会」を演ずるのは、杉田次郎、堀内孝雄、ばんばひろふみ、高山厳、稲葉晃の“ブラザーズ5”でした。
どうみても田舎のおっさんにしか見えない出で立ちで結婚式などで歌うシーンも見どころです。
こんな大御所が、こんな役で、しかも楽しく歌い上げるシーンは、よそでは絶対に見られませんよ!(*゚▽゚)ノ

吉永さんは、全編に渡り、やさしく素敵な女性を演じていました(衣装もさりげないが、とても可愛い感じの、ありそうでどこにもないような素敵なものでした(鳥居ユキさんの衣装デザインも素晴らしかった)。

阿部寛さんと吉永さんの関係も見どころなのですが、ラスト近くのリハーサル無し、本番一発撮りだったという吉永さんが今までの自分と阿部さんの関係、生き方、亡くした夫のこと、など人生の一番辛い時に激しく独白するシーンは映画のクライマックスでしたが、「役者魂」を見た、と、こちらもふるえるような思いで見ました。最重要シーンでした。

この映画は千葉の内房も外房も房総半島突端の館山もロケ地になっていて、千葉の自然の魅力もふんだんに映像から感じることができます。
まだ始まったばかりですが、ぜひとも日本中の人に見てもらいたいな、と思いました。人生捨てたもんじゃない、人と人のつながりって素敵なことだと、ほのかに感じることのできるやさしい映画でした。

また、大好きな映画のひとつに加えられる作品に出会えました。


【Now Playing】 Blue Streak / Dizzy Reece ( Jazz )

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コメント

こんばんは~

 この映画観たいです~

はっPさんの解説で、またまた観に行きたくなった(笑)
時間を作っていってきます^^。

お庭の花たちかわいいですね!
草花っていいですね^^。

みいさん、こんばんは~*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
この映画、いいですよ(゚ー゚*)。oO
全編に渡ってちょっと寂しげなやさしさに包まれていて・・。
今だに健在の単線無人駅ばかりのいすみ鉄道・小湊鐵道の駅もロケ地になっていてタイムスリップしたような気分も味わえます。
映画音楽には、あの村治佳織さんのギター演奏も!(*^^*)
岬のカフェから手を振る吉永さんと、フェリーからそれに気づき、別れを惜しむ鶴瓶さんとのシーンも・・とても感動的でした。
もう、いいシーンばかり・・(*´▽`)
ぜひ見ていただきたいです。

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