気になることばの本を読んだ
『走らないのになぜ「ご馳走」? NHK 気になることば/ NHK アナウンス室編(新潮文庫)』を、ちょっとした合間を見つけて読みました。
けっこうこのブログでも何度も“気になる言葉”については書いたことがありました。
それに、千葉で昔使われていた方言についてなどもふれたこともありました。
この本では、終盤で方言についても書かれていて、現在は若い人達が方言の音からくる“感じ”や、雰囲気に魅力を感じて、「かわいい」言葉として、自分が生まれ育った地方の方言でなくともアレンジして使っている・・という新しい方言の使い方があることを知り、興味深く思いました。
今回は、「“ひざ枕”は膝じゃないよね?」とか、「さびしいとさみしいって違うの?」など、言われてみると・・??、のようなことにもふれていて楽しい本でした。
例によって、いつもこのブログで取り上げる言葉、「目線(めせん)」ですが、この本でも取り上げていました。
私が再三ここで書いていたように、「目線」は、映画や演劇などで演技者が目を向ける方向をいう“業界用語”であると書かれていました。
また、カメラマンが「目線こっちにください」などのようにも使う、これも業界用語としての言葉であると私は感じていて、「市民“目線”に立って・・」などと公の場や、新聞などの紙面で使われていると、かなりの“違和感”を感じるのです。
でも、何年か前の福田首相なども堂々と“国民目線”などと会見の場で使っていたのをみて、「もう、この使い方が日本中で定着してしまったのだな」と思ったものでした。たぶんあえて、業界用語を使って“カッコつけた”張本人の世代の方が世の中心であった時代が長かった、あるいは、原稿を書いた役人などその次の世代がかなりその人達に影響を受けたのかもしれませんが、もう“多勢に無勢”ですね、がっかり&ざんねん・・ (・_・;
この本では、「子どもの目線に立って・・」という表現は、「視線」では言い換えられないので、「ものの見方・とらえ方」という『新しい意味』での使い方になっている、だから「上から視線」とは言わない、と書かれていました。
そういうことなんでしょうね。
でも、「ものの見方」というなら「視点」でいいと私は思うので、「目線」は業界用語か、または「上から目線」のように、ちょっとふざけた言い回しを使いたいときの言葉ではないか、と、まだ抵抗しているのです…σ(^_^;)
・・たぶん、「市民の目線に立って考える」などという使い方は日本で最後のひとりになっても使わないと思います・・(^_^;)頑固だからね・・。
ほかにもこの本では、私も苦手というか、わからなくなる「気の置けない人」と「置ける人」の違い、「閑話休題」の使い方などについても書かれていて、楽しく読みました。
“言葉の話題”、おもしろかったです(#^.^#)
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