花組・エリザベート2回目の観劇
宝塚歌劇・花組東京公演「エリザベート -愛と死の輪舞(ロンド)-」、幸運にも2回目の観劇が実現しました。
前回の観劇から一週間とちょっとですが、花組の皆さん、舞台をどんどん良くしていました。
冒頭の望海風斗(のぞみ・ふうと)さん演ずるルイジ・ルキーニの裁判所でのやり取りから、エリザベートと同時代を生きた人達の霊魂を蘇らせ、ちょっと怖ろしいダンスで始まるこの物語、きょうも望海さん、抜群のセンスで観客を魅了してくれました。
台詞もいい、身のこなしもいい、ダンスもいい、もちろん歌も素晴らしいっ!'(*゚▽゚*)'
前回も良かったが、さらに磨きが掛かった印象でした。文句なしの満点ルキーニでした。
あの、二幕の銀橋で写真撮影するアドリブを利かせるシーン、この日は元娘役トップスターの紺野まひるさんが観劇していて、紺野さんを撮影し会場を沸かせました。
トップ娘役、エリザベートを演じる蘭乃はな(らんの・はな)さんも前回からさらに深みが出て来ました。
それぞれのシーンでの表情が前回よりも様々な場面で絶妙になり、演技しているときの観客からの見え方にも工夫されている様子がうかがえました。
また、歌唱も非常に落ち着いて、堂々と歌い、観客の視線を十分に感じつつ自らのエネルギーに替えているかのようでした。
ご本人も充実感を持ちながら最後の舞台を力の限り演じている姿にこちらも心動かされました(゚ー゚*)
主役トートを演じる新トップスターの明日海りお(あすみ・りお)さんについても明日海・トートの完成形にほぼ近づいたのではないか、と感じました。
その美しさと、華麗さ、かつクールなトートという役を、この世の物とは思えない存在感を出し、堂々と演じ、明日海さんもまた、一週間とちょっとで、想像を超えた進化を遂げていました。
全体に“骨太”になった印象で、個々の歌についても強弱が有り、前回のブログでも書きましたか、一幕最後の銀橋での歌唱は観客の心を根こそぎ持って行った感がありました。
カーテンが降り、舞台が暗転する中、銀橋をゆっくりと渡って行く明日海さんに観客は息を呑んで一瞬静かになったあと、潮が満ちてくるように拍手がワァッと広がりました、いい瞬間でした。素晴らし過ぎるっ!*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
花組の、この日の舞台は、明らかに前回見たときよりも、スケール感が増しました。
また、組の結束というか、組全体で作り上げているという印象も強くなりました。
明日海さんもそれを感じ、組を自らのスケールアップした演技で引っ張っているようでした。早くもトップスターらしい何かがあふれ出て来たのかもしれません。
フランツ・ヨーゼフ役の専科から出演している北翔海莉(ほくしょう・かいり)さんも、母であり、皇太后であるゾフィーに口応えできない様子や、特にラスト近辺のエリザベートとの関係についてもきめ細かい演技を見せてくれ、その僅かだがぐっと効果を増す修正にさすがだと思いました。それに引っ張られ、エリザベートの蘭乃さんも重心の低い、深みある演技をしていて、相乗効果を発揮し、二人のシーンでも、さらに進化を見せていました。
そして、上記の皇太后・ゾフィーを演ずる桜一花(さくら・いちか)さんも、前回からギュッと、表情も身のこなしも“締めた”ような感じで、しかも怖ろしさ30%増量し、(^^;)こちらもゾフィーの完成形に限りなく近づいた印象でした。
エリザベートが病院を慰問した際に、自分こそエリザベートだと思っている患者を演じた仙名彩世(せんな・あやせ)さんの、狂気を含んだ蘭乃さんとのやり取りも、より大きなエピソード・シーンになってきたと思います。
ここでもそれに引っ張られた蘭乃さんの演技が微妙に繊細さを出していて・・よかった・・d(^_^o)
マダム・ヴォルフを演じた大河凜(たいが・りん)さんも、歌も良く、ステージ上の存在感もさらに魅力的になっていて、この人も良かったなぁ(*^^*)、またほめてばっかりのブログになってきたぞ…σ(^_^;)
ルドルフ・芹香斗亜(せりか・とあ)さんと、トートの明日海さんの銀橋での「闇が広がる」はさらに迫力が増し、あまりに素晴らしく、もう釘付けになりました。周囲の観客の様子も息を呑んでいる感じ。
芹香さんは、以前にも増して舞台上の輝きが素晴らしく、オーラのようなものさえ感じられました。
リヒテンシュタイン伯爵夫人の芽吹幸奈(めぶき・ゆきな)さんの演技も歌も観客を魅了しました。
この人の歌のシーンも見どころになってたよなぁ・・いいシーンばかりです'(*゚▽゚*)'
それからふと気付いたのは、生演奏のオーケストラも舞台の迫力に引っ張られて、特にドラムが譜面どおりに淡々と叩かれるのでなく、生の舞台を煽るくらいに派手に強くプレイされる部分があって、それにも心躍りました。
譜面には、「迫力をアップ」などという記号は無いと思いますが、宝塚のオーケストラって、けっこう“乗って”くると勢いがついてくることがあって、そこも魅力のひとつではないかと思ったのです。
もう一つ、千葉市出身(市立朝日ヶ丘中学)の男役・綺城ひか理(あやき・ひかり)さんも気になってステージ上の姿を追いかけましたが、やはり高身長で美しい顔立ちの綺城さん、目立っていましたよ。
2011年初舞台の、まだまだ若手ですが、“華”のあるいい男役になるのではないでしょうか。
プログラムや「宝塚おとめ(歌劇団員全員を紹介してる年一回発行の冊子)」でお顔をご確認のうえ、どうか探してみてください。美形で高身長なので、割とすぐに判ると思います。どうぞ、よろしく<(_ _)>
長くなりましたが、これで2回目のエリザベート観劇記を終わりにします。
トップ娘役、蘭乃はなさんについてもこれで見納めになりましたが、今回のラストの舞台でも著しく進化するところを見せてくれた蘭乃さん、たくさんの作品で様々な役を見せていただきました。
ありがとうございました。
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