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2014/12/06

『宝塚夜話・第二十二夜 < 観劇の中心は『宝塚』 >』

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今年も舞台観劇は宝塚歌劇ばかりでした。
首都圏にいると、宝塚は東京宝塚劇場の本公演、そして日本青年館や国際フォーラム、シアター・オーブなどでの特別公演、さらに関東近県の全国ツアーなど観劇可能な機会が多く、他の劇団のチケットが比較的高額ということもあり、やはり観劇の中心は宝塚歌劇になります。

時々、「宝塚を観るのもいいけど、劇団四季や帝劇に掛る公演などの本格的なものの“余録”として観た方がいいんじゃないの」とか、「わたしも宝塚は見るけど、息抜き程度に見ている」なんて言われることがあります。

そういう気持ちもわからないでもありません。
でも私はあくまで宝塚歌劇の花・月・雪・星・宙の各組を満遍なく観劇することが舞台観劇の中心です。

他の劇団との一番の違いは、宝塚の歌劇団員は「生徒」と呼ばれ、女性として生きていくうえでの大事な青春時代、そしてもっとも人生で華やかに輝く十代後半から二十代の時期を宝塚で過し、多くの団員は宝塚を去らねばならないことを承知の上で全力で舞台を務めています。
何ものにも替え難いものがそこにあるからこその、あの上級生から下級生までの全力投入の舞台があるのだと思います。

だから、我々ファンに対しての団員の皆さんの接し方は、信じられないくらいの丁寧で心を込めたものです。
実際に直接関わることのできた生徒さんは皆さんそうでした。

トップスターになれば、なったその日から自分の引退を考えねばならず、そういう立場にある人も懸命な舞台を披露してくれますが、フィナーレの時など幕が降りてきても幕の中に入ることができず、舞台袖から捌けていく若手も皆が皆、自らの宝塚人生を全うしようと素晴らしい笑顔を見せてくれ、そしてもちろん必死の舞台を見せてくれます。

請われて初めて宝塚を観る人をお連れすることもありますが、
「歌がいまひとつの人が主要な役を演じていた」、「ダンスがもうちょっとだなと思う人が何人かいた」・・などと観劇直後に感想をくれる人もいます。
私にとってそんなことはどうでもよいのです。
別にのど自慢を見に来たわけでもなく、ダンス・コンテストのように技量をはかりに来たわけでもありませんから。

次から次へと新しい舞台と、その稽古で忙しく、そんな急流のような宝塚での舞台生活を過している生徒さんのあの“ひたむきさ”が私を魅了し、また疲れている私を奮い立たせてくれることもあります。それが一番の理由です。

また来年もいくつの舞台が観られるかどうかわかりませんが、ドキドキ、わくわくしながら劇場に足を運ぶことになると思います。
今回は、宝塚観劇の私にとっての魅力についてふれてみました。


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