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2015/04/29

星組「黒豹の如く/ Dear DIAMOND!! 」を見てきました

20150429_star_troupe01

宝塚歌劇・星組東京公演『黒豹の如く(ミュージカル・プレイ)/ Dear DIAMOND !! (ダイナミック・ドリーム)』を観劇してまいりました。
この公演は6年間に渡って星組を支えてきた柚希礼音(ゆずき・れおん)さんと夢咲ねね(ゆめさき・ねね)さんのトップコンビのサヨナラ公演でもあります。

チケットはまったく手に入らないような状況でしたが、何とかして一回分の観劇は叶いました。

さて、先ずはミュージカル・プレイの「黒豹の如く」ですが、歌劇団の重鎮、柴田侑宏先生の作になるものです。
主演男役の柚希さんは、スペインの海を悪から守った伝説の海賊ソルの血を引くアントニオ・デ・オダリス大佐という役どころでした。
その柚希さんの立身出世に絡んで悪役のアラルコン公爵(役:紅ゆずる/くれない・ゆずる)が狡猾に悪の魔手を伸ばしてくる、そして主演娘役の夢咲さんは、柚希さん演じるオダリス大佐と三年前に別れた女性で、その後結婚したが夫が亡くなり未亡人、・・そして三年ぶりの再会で恋の火が段々と燃えてくる・・という・・昔の宝塚的な展開でした。

私は、他の人のブログその他いっさいの公演の感想を目に耳にしていません。
私が感じたままを書くので、「ふざけんな」と思われる方は、すぐに別のブログ等に行かれた方が良いと思います。個人的な見解で気にいらないものを見るのは体に毒ですから。

私が感じたところでいうと、“海賊の血を引く”ということで、まさに柚希さんにぴったりの役どころを想起させ、そのまま現代の社会にいる柚希さんにダブらせてきたのだと思いますが、新作にしてはいかにも“作り過ぎ”な感じがしました。
そんなことをせずとも、元々柚希さんはその存在だけでそういう前振りはいらないスターだと思うんです。

紅さんが演じた悪役も、いかにも昔からありがちな悪事を展開し、ラストでの緊迫感あるシーンにしても先があまりにも予測できてしまい、三年後の再会によって再び恋に落ちた主演二人の展開も、予想どおりのストーリーで・・柚希さん、夢咲さんの6年間の君臨を物語りの中にすっぽりと入れようとしたのだと思いますが、オーバー・プロデュースじゃないかと思いました。
紅さんは、どこかで見たようなものを再現しているような感じで、これから堂々の二番手として星組にどっかと座るのに脚本的に気の毒だと思いましたし、真風涼帆(まかぜ・すずほ)さんにしても、前回の本公演にもちょっとダブるような役柄がいまいち、すっきりしない役とごろでした。これももったいない。

あと、私が見た回だけなのかもしれませんが、主要な方々以外の組子たちがセリフどおりのギャグを何箇所か入れ込んでいたのですが、全部“空振り”していて、客席は何の反応もありませんでした。あれも修正していった方が良いのではないかと思いました。

重鎮の作品だし、柚希さん、夢咲さんのラスト公演なので、期待を込め、たくさん褒めちゃおうかな、などと足取りも軽く劇場に向かったのですが、昔からある“ベタ”な展開と、舞台の転換も少なく、どちらかというと“プレイ”に重きが置かれたこの作品は、いろいろな宝塚の舞台を見て来たファンの一人としては平坦な舞台進行に、ちょっとがっかりしたというのが素直な感想です。


20150429_star_troupe02

ショー「ディアー・ダイアモンド」は、その前のミュージカルからちょっと落ちてしまった心持ちのまま突入いたしました。
星組らしい、楽しく、力強く、スピード感もあるショーでした。
でも、こちらも柚希さんのラストを意識するあまり、コンサートの「 REON 」を感じさせるような、歌謡ショー的な部分が私には(私には、ですよ)、「重さが足りない」と感じました。

キラッキラッの豪華ショーは、それはそれで良かったのですが、でも大トップの柚希さんのラスト・ショーです。陽があれば、陰もあり、華もあれば、密やかな夢咲さんとのシーンも、もっと必要だったんじゃないかと思いました。
しっとりとしたシーンや、トップ二人の濃密な場面も作った方が良かったんじゃないか、などと思ったのです、すいません・・・若輩ものの意見です、ご容赦ください。

劇場内は、「黒豹の如く」でも周囲で泣いている方もいて、その日の私がどうかしていたのかもしれません。
そしてショーの方は藤井大介先生のものですから、もちろん場内大盛り上がりでしたし、客席降りのときの観客の興奮は凄かったのです。でも、もうひとつグッとくるトップお二人のシーンがほしかった・・などと感じてしまい・・ごめんなさい・・私の感想としてはあと一歩でした。

今回はチケットもままならないので、これが今公演の私の感想となってしまうのですが、私の体調や、その日の空気感、客席の様子なども複雑に影響する観劇の感想、これで終わるのは心苦しいばかりです・・スカッと書きたかったのに・・ごめんなさい。


【Now Playing】 長崎ブルース / 青江三奈 ( 歌謡曲 )

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