地下旅(ちかたび)!を読みました
『地下旅/酒井順子著(文春文庫)』を読みました。
著者の酒井さんは、1966年生まれのエッセイスト。2004年にブレイクした「負け犬の遠吠え」の著者と言えば「あぁ、あの!」という感じでしょうか。
今回ご紹介する本は、酒井さんが都内の地下鉄各線に乗って(ラストでは東京以外の地下鉄にも乗ります)、“途中下車の旅”的に、酒井さんが興味を持っているお店や施設、その他巡り歩くというものです。
酒井さんの文は、簡潔にして明朗、何か引き摺るような嫌らしい部分がなく、とても読みやすいですd(^_^o)
思ったことをスパスパと言ってのけるところが魅力でした。
銀座線で上野に行き、「国際子ども図書館」に行くところで、私もかつて行ったことがあり、身を乗り出すように読んでしまいました。
酒井さんが「ここは鹿鳴館か?」と思わず言ってしまったその建物は、1906年に創建された「帝国図書館」の建物を利用し、安藤忠雄さんによりリノベーションされたものでした。
実は私が耐震工事の仕事をしていた頃に、リノベーション真っ最中のこの建物を視察に来たことがあるのです。
とにかく細部に渡り、傷んだ部分を復刻し、特に銅板を彫金している職人さんのあまりに鮮やかな手さばきに息を呑んだことを思い出します。
全てが完璧と言えるくらいの手の込んだ仕事で、いまだに強く印象に残っています。
そして、建物の地下に入り、免震用の巨大なバネが何本かストッパーが掛けられている状態で設置されている様子に驚きました。
酒井さんは、資料室の中学や高校の教科書一式が展示されているものを見て驚きと喜びを感じたり、名作絵本の数々にも心躍らせています。
図書館併設のカフェでのケーキとお茶の時間も楽しく、帰りは地下鉄の中で本を読みながら・・と、この回だけでも、とても面白い(゚ー゚*)。oO
そんなお話が満載のこの本、気軽に、楽しく読めました。
地下鉄から地上に上がったときの、「ここはどんな街だろう」という、そんな感覚がわかるあなたにおすすめ本です(#^.^#)
【Now Playing】 ラジオなんですけど / 久米宏 ( TBSラジオ )
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