愛川欽也さんが亡くなって
愛川欽也さんが亡くなりました。
私のような古い世代だと、「なるほど・ザ・ワールド」の楠田枝里子さんとの名調子の司会が思い起こされます。
私も毎週楽しみにしていたものです。
古くは、「おはよう子どもショー」の人気キャラクター“ロバくん”の着ぐるみに入り、独特の声で大人気だった愛川さんをご存知の方もいらっしゃるでしょう。
番組に出る子ども達は、皆、にんじんを持ってきてロバくんにプレゼントしていました。ロバくんのポッケには、いつも、にんじんがいっぱい!d(^_^o)
また、アニメ「いなかっぺ大将」の“ニャンコ先生”の声も楽しかった。
近年でも、いきなり「ニャンコ先生っ」と呼びかけられると、「だいじゃえもんっ!!」と即座にニャンコ先生になる愛川さん(^^;)、サービス精神満点でした。
もうひとつ古い話題では、TBSラジオの「それゆけ歌謡曲」で、見城美枝子さんと組んで、キンキン・ケンケンという愛称で当時としては非常にスピーディーで楽しい番組を作られていました。
そのとき、マイクを持って外に飛び出し、アドリブで“超おもしろい”街の人たちとのやり取りをしていたのが、久米宏さんと平野レミさんでした。“かけだし”だった久米さんの存在は、平野さんとの抜群のコンビネーションを見せ、一躍人気コーナーになりました。
それも愛川さんの番組にかける情熱が生んだものではなかったのでしょうか。
役者としても脇役も主役も見事に演じ、ついこの間まで司会をしていたテレビ番組の「アド街ック天国」でも、その名調子ぶりと、大勢のコメンテーターを巧みに回して、愛川さんが作る番組のクオリティーが落ちるなんてことは全くありませんでした。
愛川さんが自らの思うところを発言すると、非常に滑舌よく、しかも情熱を込めて話され、私も心打たれることが多々ありました。
昔気質で、物議をかもすこともあったようですが、でも愛川さんの人柄を考えると決して悪意あるものではなかったのだと思います。
そんな愛川さんが亡くなられて、いつも面白いお話を聞かせてくれる人がまたひとり居なくなってしまった、という喪失感でしょんぼりしています。
このブログでも何度か著書をご紹介した山本夏彦さん、特にTBSのラジオ番組でやはり名調子を聞かせてくれた小沢昭一さんというお二人が亡くなり、愛川さんまでも。
私は特にラジオでいろいろお話される方に共感を持つのですが(ラジオには独特の“語りかけ”のような効果がある)、そんな方でご健在の永六輔さん、そして同番組に必ずお手紙を書かれ、番組中で見事な文を披露してくれる野坂昭如さん、このお二人くらいでしょうか、そんな私の師匠のように慕える方。
偶然、一昨日から小沢昭一さんの名物番組「小沢昭一的こころ」の晩年の筋書きを書いていた方の本を読み始めたところでした。
昭和のたいへんな時代を生き抜いた方のお話、まだまだ聞きたいです。
きょうもテレビで愛川さんとの思い出を語っておられる方々がテレビに出ていましたが、次々と私も知らないエピソードを語り、思わず涙してしまいました。
愛川さんのご冥福をお祈りいたします。
【Now Playing】 I Got It Bad / L.A.Jazz Trio ( Jazz )
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