フォト

わたしのいきつけ

無料ブログはココログ

« 愛川欽也さんが亡くなって | トップページ | 【はっPのアナログ探訪_0031: The Word Girl / Scritti Politti (30cm/Single)】 »

2015/04/21

「小沢昭一的こころ」の筋書き作家が書いた本

20150421_ashitano_kokoroda01

『あしたのこころだ -小沢昭一的風景を巡る- 三田完著(文藝春秋)』を読みました。

この本は、TBSラジオの名物長寿番組であった「小沢昭一の小沢昭一的こころ」の筋書き作家を2009年からつとめた三田完(みた・かん)さんが書いた、小沢昭一さんのことを振り返ったり、ゆかりの地へ足を運んだりする、小沢さんのファンにとっては、うれしい本です。

2012年に亡くなられた小沢さん。
この本の冒頭では、小沢さんの葬儀のシーンから始まり、最期のラジオ番組収録の様子、またその頃の奥さま、娘さんがスタジオに付き添っていた様子なども書かれていて、いきなり胸に迫る当時の小沢さんと周囲の様子が心を打ちました。

収録スタジオの椅子から立ち上がるのも難儀していた小沢さんの様子も書かれていましたが、でも録音時には、今までどおりの小沢節が見事に展開され、あの独特な名調子が録音されたのでした。

YouTubeでも、放送された音声が聞けたのですが、さすがです、いつもの小沢節です。
最期まで小沢さんは“芸”に生きていました。

俳優、そして放浪芸の研究者、エッセイスト、俳人(“変哲”へんてつ、という俳号を持つ)、ラジオ・パーソナリティ、など多彩な面をいくつも私達に見せてくれた小沢さん。
その小沢さんの最晩年、しかも小沢さんの小沢さんたる所以である「小沢昭一的こころ」の筋書きを書いていた著者は、小沢さんが亡くなったあと、小沢さんが少年時代を過したところを訪ねたり、小沢さんゆかりの地へ赴き、小沢さんがそこでどんなことを考えていたのか、当時の小沢さんの様子がどんなだったかも、その地の方達に聞き、小沢さんを知るための行脚を行います。

そして、小沢さんの本当の姿というものは、結局誰にも見せていなかったのかもしれないし、全てが「小沢昭一」を演じていたのかもしれない、そして小沢さん死後の奥さまが語る小沢さんというものも、ひょっとして元役者だった奥さまが小沢さんのイメージをくずさないための演技をしていたのかも・・などと書かれていました。

それほど小沢さんは愉しくも不思議な方でした。
このブログでも書きましたが、放浪芸の研究本なども出されていて、「芸」というものへの入れ込みようは並々ならぬものがありました。

この本には、身近にいて小沢さんの息づかいまで感じていた方が書かれただけあって、小沢さんが「芸」に「人生」に、どういうふうに取り組んでいたのかが伝わってきて、とても“温かみ”を感じました。

小沢さんのファン、または、これからでも遅くない、YouTubeや、残された音源や書物から後追い的にファンになる方にもおすすめしたい“ぬくもり本”です。
毎度おすすめする本が何冊にもなってしまいますが、これも“おすすめ本”です。


【Now Playing】 Sonnymoon For Two / Sonny Rollins ( Jazz )

« 愛川欽也さんが亡くなって | トップページ | 【はっPのアナログ探訪_0031: The Word Girl / Scritti Politti (30cm/Single)】 »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/65505/61474831

この記事へのトラックバック一覧です: 「小沢昭一的こころ」の筋書き作家が書いた本:

« 愛川欽也さんが亡くなって | トップページ | 【はっPのアナログ探訪_0031: The Word Girl / Scritti Politti (30cm/Single)】 »

2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最近のトラックバック