『宝塚夜話・第三十二夜 < 私の見た柚希・夢咲コンビを振り返ってみた③>』
前回から、ゴールデンウィークを経て、少し時間が経ってしまいましたが、宝塚・星組トップスター柚希礼音(ゆずき・れおん)、夢咲ねね(ゆめさき・ねね)コンビの6年間の振り返り、続けて行きます。
2012年3月・東京宝塚劇場「ダンサ・セレナータ/Celebrity」が、次に私が観劇した公演です。
「ダンサ・セレナータ」は、正塚先生の作品で、ともすれば大きな劇場の本公演なのに、少人数のストレート・プレイみたいになってしまいがちです。そして、これもラスト3分の1くらいはそんなことになってしまって、その部分は退屈だったというのが正直な感想でした。
でも、このミュージカルが醸し出している、ちょっとヤクザな男役の感じ、ヤバい女みたいなキャラクターについて、トップお二人は堂々として演技し、他組には感じられない独特の雰囲気を出していて、それは二人の、そして星組のひとつの持ち味にもなっていたという気もします。
ショー「セレブリティ」は、星組らしいガンガン、グングンと攻めまくるような印象のステージでした。
その後の柚希・星組の方向性もある程度指し示しているような気も今になってみればするのですが、・・でもウェットなシーンが散りばめられるようなことはあまり無く、好きな人は大好きなショーかもしれませんが、私にはちょっと“剛球一直線”のようなショーは途中で単調さを感じてしまいました。
次に私が観たのは、2012年9月・大宮ソニックシティでの「琥珀色の雨にぬれて/Celebrity」、全国ツアーでした。
琥珀色の・・については、過去に三度に渡り花組が公演したもので、理想的な女性である音波みのり(おとは・みのり)さんと、あやしい大人の女である夢咲さんとの間で揺れ動く柚希さん、という設定でしたが、柚希さんの演じた主人公はとても現代的で、「そういう演じ方もあるのか」と思いましたし、感心もしましたが、もっと屈折した心模様を演じても良かったかも、・・などとも思いました。
夢咲さんは、意外とこういうあやしい女性を演じさせると魅力的になります。それの“立証”がされたような気もしました。
ショーは、前回の東京宝塚劇場公演から引き続き持って来たものでした。
人数は少数精鋭となりましたが、十輝いりす(とき・いりす)さんが飛車角抜きの舞台を必死に大車輪で埋め、星組らしさを見せてくれました。
ある意味、このツアーで星組のひとつの型のようなものが形成され、層の厚い柚希ファンの万全な応援体制が整ったような気がしました。
本日の振り返りは、ここまで。
次回は、2013年1月の東京公演から始めたいと思います。
まだ飽きていらっしゃらない方は、ご覧ください。夏の「ロミオとジュリエット」公演や、柚希さんのライブ第二弾にもふれたいと思っています。
【Now Playing】 ニュース / NHK ( AMラジオ )
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