CATCH ME IF YOU CAN 観て来た
宝塚歌劇・星組東京特別公演『 CATCH ME IF YOU CAN 』At 赤坂ACTシアターを既に観ておりましたので、その感想を。
これは、星組本体が新トップの北翔海莉(ほくしょう・かいり)、妃海風(ひなみ・ふう)コンビで全国ツアー中(チケット取れず・・(T_T))で、部隊を二つに分け、こちらは二番手の紅ゆずる(くれない・ゆずる)さんを中心に、相手娘役を若手期待の綺咲愛里(きさき・あいり)さん、二番手的な位置には、宙組から組替えでやってきた七海ひろき(ななみ・ひろき)さんを据えての公演となりました。
演出の小柳奈穂子先生がニューヨークで観たこのミュージカルをぜひとも宝塚で、ということで実現したものです。ミュージカル化される前には、スピルバーグ監督でレオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクスの豪華キャストで映画化されていました。
宝塚がそれを取り上げるとなると、d(^_^o)面白いに決まってるじゃありませんか。
内容は、実在の天才詐欺師、パイロットや医師、弁護士などと次から次へとなりすまし、莫大な金をだまし取るフランク・アバグネイル(役:紅ゆずる)と、それを追うFBIのカール・ハンラテイ(役:七海ひろき)、そして紅フランクが真剣に愛してしまった美女ブレンダ・ストロングを綺咲愛里さんが演じ、愉快な詐欺師の騙しっぷりと、それを七海さん扮するFBIの捜査官が真剣に追うが故に面白可笑しくなってしまう、歌とダンスと、コミカルなストーリーが楽しい作品でした。
もともと紅さんはこういう役が合うとは思いましたが、逆に本人にとってはそれがプレッシャーであったかもしれません。
でも、紅さんは、自由自在縦横無尽に演じていました(^-^)
お客さんの反応もたぶん毎日異なっていると思いますが、それを楽しんでいるかの如くの楽しい舞台でした。
当日は大拍手の中、会場に入って来た前星組トップスターの柚希礼音(ゆずき・れおん)さんが観劇するというプレッシャーも加わっていたと思いますが、終演後の舞台挨拶で「レジェンド!柚希礼音さんご観劇でしたぁ~っ。後で駄目だしお願いします」とやって、また笑いを取っていました。
紅さんの詐欺師としての七変化と、綺咲さんという可憐な美女を愛し、心の中に芽生える何かを感じ取る様子、人としての変化も巧みに演じていました。
紅さん、完全復活に近いところまで来たように思いました。
そこに宙組から来た七海さんのFBI捜査官が実に真剣に、そしてそれがゆえにコミカルになってしまう演技が素晴らしく、この人にこういう役をやらせたら宝塚随一なのではないでしょうか。
七海さんご本人が持つ人柄がそう感じさせるのか、どこまでも演技で見せてくれているのか、まったくわからないのですが、それがまた七海さんの魅力でしょう。今回も七海さん珠玉の二番手的演技でした。満点です!
綺咲愛里さんは、その美貌と愛らしさに演技力、観客との間合いの取り方のうまさも加わり、星組のトップ娘役妃海風さんに次ぐ立派な娘役に成長していると感じました。
紅さんの父役の夏美よう(なつみ・よう)さんの演技もさることながら、久しぶりに長尺の歌唱も堪能できて素晴らしかった。さらに綺咲さんの父を演じた悠真倫(ゆうま・りん)さんの演技も卓越したものでした。
紅さんの母親役の夢妃杏瑠(ゆめき・あんる)さんの演技もぐいぐいとストーリーを引っ張っていました。
その他七海さんの部下を演じた方達も観客の笑いを見事に取って、終始楽しいミュージカルでした。
紅さんは、いつも感じるのですが、歌詞がはっきり聞き取れる歌い方がとても良く、さらに自分なりに役の解釈を綿密に研究し、それを実行し、さらにブラッシュアップしていく様子がたいへん頼もしいと思います。
次回、本公演でも新トップ北翔さんから学び取ることは多々あると思いますが、それらを十分吸収して、さらに素晴らしい男役になってほしいです。
次の星組観劇記は、ぜひ「ガイズ・アンド・ドールズ」のチケットを手に入れて書いてみたいと思います。
【Now Playing】 Hope For The Future / Paul McCartney ( Rock )
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