快楽 [ KERAKU ] を読んだ
『快楽 KERAKU /工藤美代子著(中公文庫)』を読みました。
古本屋でわずか100円で買いましたが、中身は濃い!
「婦人公論」で連載中から話題を呼んでいたノンフィクションだったのだそうです。
内容は、更年期を迎えた女性が、いかに性と向き合えばよいのか、同世代の著者が「女であり続けること」、「女でいたい」という欲望のはざまで揺れる女性達に真っ向から出会い、話し、励まし、驚き、おののき、自身も悩み・・と、決して高いところからや、逆に下手に出て話をただ聞くということもなく、つかず離れずの状態でルポしているものでした。
最初に驚くのは、この著者が出会い、インタビューした友人も含めた更年期の女性達は50代にして離婚歴なく婚姻状態が続いてる人達には、もうセックスが無くなっているということでした。
再婚してその年齢を迎えている女性にはセックスはまだあるのですが。
事実としてそういうことになり、筆者も驚いていました。
離婚後に彼氏をつくり、性的な関係を持ちながらも様々なセックスの悩みを持つ女性も登場しますし、自らは独身で、妻子ある男性と関係を続けながらも、いざ別れるとなると取り乱す女性、夫の性癖やその他もう我慢できない状態になり、今までの人生を返してくれとばかりに別の男性に走りたいが・・どうすればいいのか、と著者に相談する女性・・。
様々な女性と、そのパートナーの男性もインタビューに登場し、「更年期」がいかに人間の第二の人生にとって重要な時期であり、体にとっても最重要な時期であるかということが300頁を越えて綴られていました。
これがベストセラーになったのも良くわかりましたし、女性にとっては誰にも相談できないようなことがこの本の中では相談され、医師、漢方薬局、ハプニング・バー、診療内科、不思議なセックス奉仕隊という組織を経営している人物、パートナー探しを生業としている方、とにかく登場するのは、相談する女性(男性もいる)だけでもありとあらゆるパターンの方なのですが、それらの解決の糸口となることを職業としている人達の実体、本音、なども丁寧に書かれていて、この本は女性にとっても良書でありますが、実はパートナーが更年期に入ろうかという時期の男性にとって一番読まねばならない本であると感じました。
この本に登場するひどい男性(特に夫)の例は、ほんとうに女性の心を無視し、女性に対する行動もあまりにもひどく、読んでいて呆れ果てるほどでした。
ついつい飛び出す話題が面白く感じてしまうので、読物的に楽しんでしまいがちですが、この本には男女共に知っておいて損の無い大きな“キーワード”が潜んでいました。
まだまだそんな時期じゃないよという方、今から読んでおいた方がいいかもよぉ~っd(^_^o)
【Now Playing】 Fire Waltz / Eric Dolphy ( Jazz )
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