「ことばの歳時記」を読んだ
『ことばの歳時記/金田一春彦著(新潮文庫)』を読みました。
金田一先生は皆さんもうご存知かと思いますが、日本語についての第一人者であった方で、この本は、昭和40年の1月から12月まで一年間、「東京新聞」と「中部日本新聞」に連載された先生の雑文です。
一年365日、日付を振って一日ひとつの話題で1ページ、とても面白いものでした。
「みつまめ」を買ってきて、豆のかわりに干しぶどうが入っていてこれでは塩エンドウの好きな自分には不満だが、昔からある名前がよく売れているからだろう、髪を剃るよりヒゲを剃るようになっても「かみそり」と言うようなものだ、・・と嘆いていたりして、こんなちょっとしたことについてもしみじみと楽しく(゚ー゚*)。oO読みました。
逆に社会の進歩に伴って変わってしまったのが「蚊取り線香」だという話もありました。
昔は「蚊やり火」と言っていたんだそうです。
のこくず・クスの木片・除虫菊などをいぶして、その煙で蚊を追い払うことだったんですね、私はまったくしらなかった。
当初は「蚊やり線香」でスタートしたものの、追いやるだけではナマぬるいと、できた名前がお馴染みの「香取線香」だったのだと書かれています。
書かれたのが昭和40年、書き足したり、改めたりして発行されたのが昭和48年なので、私の知らない“言葉に大きな変化のあった時代”の様子が多くの頁に記されていました。
この本はユーモアも随所に散りばめられていて、時々パラパラとめくりたくなる良い本でした。またまた“いい本”に出会えました。
【Now Playing】 今晩は吉永小百合です / ゲスト:黒木華 ( TBSラジオ )
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