「悪口を言う人は、なぜ、悪口を言うのか」を読んだ
『悪口を言う人は、なぜ、悪口を言うのか/和田秀樹著(ワック株式会社)』を読みました。
新聞で紹介されているのを見て読みたくなり、探しました。
この本でも再三書かれていますが、今のSNS等でのネット上は“悪口言い放題”です。
しかも匿名という環境である場合には、自分のことはさておいて、精神的な暴力というか、それを越えて“暴行”に近いものがあると私は感じています。
読み始めたときには、大人社会の、職場内などでの悪口について書かれているのかと思いましたが、多くふれているのは、学校教育の場での“建て前”のみの教えが逆に子供たちを悪口に走らせている・・というような、主に青少年達の間での「悪口蔓延」についてでした。
特に自分より弱い立場の人を見つけると攻撃し、みんなと一緒になってやっているうちに、悪口、いじめを悪いこととは感じなくなる・・というくだりには深く共感を覚えました。
そしてそんな環境で育ってきた子供がすでに大人になり、自らの子育てを始めているわけで、その“悪循環”は、今後とどまるところを知らないような状況になることは火を見るより明らかです・・。
そんな大人がやること、そして喜びさえも感じてしまうことの良い例(悪い例?)が、あの記憶に新しい、佐村河内守氏、小保方晴子氏、野々村竜太郎氏に対する強烈なバッシング報道がありました。
特に佐村河内氏、小保方氏については、持ち上げるだけ持ち上げておいて、しかも自分達の調査が不十分であったことにはまるで反省なしの報道なしにしておいての大バッシングでした。
社会正義は建て前、視聴率が本音、ということでしょう。
仮にどんな悪事をはたらいた人であっても、言っていいことと、悪いことがあるはずです。でも、報道がやっていたことは、とことん悪口を言って、“なぶり殺し”と言ってもいいと思います。
大人のする事ではない。
こんなことがもちろんそれを見ている子供にも伝染していくのです。
みんなで悪口を言い、よりひどい悪口を言うと周りが「おもしろい」と言って喜ぶので、そのエスカレートは天井知らずです。
大人も子供も“悪口言い放題”、そんな環境で生きていくための冷静な作法というか、生き方が書かれているわけですが、そこまでふれるとこの本への営業妨害になってしまうのでこの辺でやめておきます。
ただ、簡単なヒントを書いておくと、ネット上の匿名悪口、及び悪口ばかり言っている周囲の人への対策は「無視」・・これが一番みたいですねd(^_^o)
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