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2015/07/01

貴重な出会いとなった「少年譜」

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『少年譜/伊集院静著(文春文庫)』を読みました。
これは、わずか200円ほどでブックオフで手に入りました。
人生に数度あるかという本との出会いとなりました。

伊集院静氏の七篇に渡る短編が綴られたものです。
いずれも、真っ直ぐに前を見据え、ひたすら「励む」少年、そして生きて行くことが避けることのできない苦しみとの遭遇であることを登場人物の少年、そしてその周囲に生きる善良な人達の人生から感じ取ることができました。

初っ端の「少年譜」にしても、主人公の少年が、こんなことに耐えられるのかという経験をします。今の時代では想像もできない艱難辛苦と対峙し、身の処し方に迷いつつも“真っ直ぐ”な方向を選び、進み、、人生の大切なものをやがて見つけます。
その感動といったら、胸に棘のあるものがグサグサと刺さりながら身体中に静かで熱いものが広がるかのようでした。痛みを伴う感動というのでしょうか。

そして多くの篇に登場する師と仰げるような人物。
さらに、少年を絶えず励ます無償の愛を注いでくれる母親やその他母親代わりの人たち。

二篇目の「古備前」という話では、少年時代に寿司職人になろうとして苦労した主人公が、今度は“不器用”で覚えの遅い少年を鍛え、その少年に自らの姿を投影し、店にとって大切な「古備前」の器を割ってしまった少年に対してどう処遇するか・・、あまりにも美しい物語に、一篇目に続いてまた涙してしまう私・・。

また、各篇の主人公である少年に大人の女性がついて、世話を焼き、そして不思議な、女性としての魅力や、怪しさなども魅せ、これも物語が只の“いい話”に終わらないということになっていて、深く人生の陰日向の部分を感じさせてくれるのです。

心の奥底が揺すぶられるような本で、読後の今も一種の感動の余韻がまだまだ残っています。

もっと若いうちに読むことができたら、少し人生が変わっていたかもしれないと思いました。
そして、ぜひ今の若い人にも読んでもらいたいと思いました。
・・読んでよかった「貴重な出会い本」でした。


【Now Playing】 スターズ・フェル・オン・アラバマ / ジョアン・チャモロ・プレセンタ・ラ・マヒア・デ・ラ・ベウ ( Jazz )

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