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2015/08/31

映画「彼は秘密の女ともだち」を見ました

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『彼は秘密の女ともだち(UNE NOUVELLE AMIE)/脚本・監督:フランソワ・オゾン(仏・2014年)』という映画を見ました。
大きな映画館などではやっていませんが、見てよかった心に残る映画でした。

幼い頃からの親友であった女性二人。最初に二人の出会いから愛し合っているかのような仲の良い少女時代、その後それぞれに彼が出来たり、悩みを乗り越えたりした後、その女性のひとりで主人公のクレール(アナイス・ドゥムースティエ)が祝福する中、親友のローラ(イジルド・ル・ベスコ)が結婚、それを見てクレールも結婚。

親友のローラは、子を授かりますが、その時点で病魔に襲われ、出産後に死去。
主人公クレールの夫ジル(ラファエル・ペルソナ)が葬儀後にまったく外に出てこないローラの夫ダヴィッド(ロマン・デュリス)と残された赤ちゃんを心配して様子を見に行った方がいい、ということでクレールはダヴィッドの家に行きます。

そこで見たのは・・亡くなった親友ローラの服を着て女装しながら赤ちゃんの面倒をみているローラの夫ダヴィッドの姿でした。


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「母親と父親の両方の役割をするためだ」というダヴィッドの言い訳を聞いたクレールは、「ほんとうは自分の快楽のためではないのか」と問いただします。
そして、ダヴィッドは素直にそれを認めます。
女装の趣味があったことは、亡くなったダヴィッドの妻ローラも知っていた事実があり、でもダヴィッドはゲイではないのです。

女装し、女として存在しているときのダヴィッド(映画の中では女性になっているときにはヴィルジニアと呼ぶ)の喜びに満ちた姿に最初は違和感を感じるクレールでしたが、やがて女装したヴィルジニアと共に女性同士として買い物に出掛けたりしている中で不思議な関係になっていきます。ここがこの物語の一番肝心な部分。

映画のつくりとしては、女装した時のダヴィッド(ヴィルジニア)は、まるで女性、というわけでもなく、しかし、女性としての凜とした様子もうかがわせ、微妙な設定が絶妙に感じました。


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クレールは夫に嘘を言い、女装したヴィルジニアとかつてローラがいた別荘に泊まり(何も起こらなかった)、女装のままドレスで正装してディナーをとったり、二人の関係が段々と複雑になっていきます。
そして、比較的地味な服装しかしなかった主人公のクレールもヴィルジニアと外に出掛けるなかで女性として生き生きとしてくるのです。

ダヴィッドとしてではなく、ヴィルジニアとしての男とも女ともつかぬ存在を愛し始めるクレールと、そしてダヴィッドの方もクレールへの想いを寄せる展開となり、ラストに向けて、クレールの夫、ダヴィッドの妻ローラの両親も絡めて急流を下るようなストーリーの進行となります。

ダヴィッドの思わぬ交通事故から、見ているこちらが思っていたような方向ではない方に方向転換して・・ラストは安堵するような、でも衝撃的なものになります。
しかも、映画の上ではどちらともとれるような曖昧・不思議な様子のままエンドロール。
見ている人の解釈はたぶん八割方こうだろう・・という感じはあるのですが・・これまた不思議なエンディングでした。

私自身もいろいろと衝撃も受けましたし、人の「愛」というもののとらえ方に、この歳になってまた新たな発見がありました。
とても良い映画だと思いました。
千葉県では柏市のキネマ旬報シアターと、千葉市の千葉劇場のみの上映のようです。
見て損はない素晴らしい作品、気になったらぜひご覧ください。


【Now Playing】 ニュース / NHK ( AMラジオ )

2015/08/30

気になる報道と物言い

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8月9日のこのブログで、政治的なことや話題の渦中にあることは避けているが、いくらなんでもと思ったので書く、と言って「結局何も変っていない」というタイトルでブログを書きました。同感との反応もいただき心強く思いました。
それっきりにしようかと思っていましたが、また書きたくなりましたのでもう一度。

今日は国会周辺で「安全保障関連法案」に反対する集会があったと報道がありました。
主催者側の発表では12万人の参加者、警察関係者の発表では3万3千人とのこと。

ヘリコプターから撮影された様子を見ると、どう見ても3万人程度とは思えない。
ものすごい数ですよ。東京ドームの観客数なんて問題じゃない、その何倍もあるくらい。
それを敢えて過少に発表する当局。そして報道についてもわざわざ両者の発表数を言って、「こういう数字になってます、私達には責任ないですから」・・という態度・・。
「報道するなら自分で行って確かめて来い」と言いたい。

facebookでの友達がシェアしていたマスコミへの一文がありました。
その一部をご紹介します。

<マスコミの方へ>
あなたは会社命令で情報の隠蔽、捏造をしていませんか
あなたは自分の良心との板ばさみになっていませんか
あなたにはまだジャーナリズムは残っていますか

まだ続きますが、私も上記のようなことを強く感じています。

ラジオのニッポン放送「そこまで言うか」という番組の中で、「平日に国会周辺に集まってデモしているヤツは昼間から働かず、勉強にも行かないヤツだ、ろくなヤツじゃない。」と発言したコメンテーターがいました。“ろくなヤツじゃない”のはお前だ。

デモをしているSEALDsに対しても、「安倍首相に対して辞めろという権利は選出選挙区の住民でもないのに何を言っている。憲法違反になるぞ」と同じ番組で別のコメンテーターが言っていましたが、「何ですか、首相に対して国民として感じていること。思っていることを言うと選挙区の住民でなければ憲法違反なんですか?これは言論統制じゃないの、どうしてただ国民として思っていることを発言する人を脅かすの?!」と聞きたい。

マスコミは何を怖がっているのでしょう。

ツイッターで俳優の渡辺謙さんがツイートした一文についても、それに対するネット上(SNSで見た)での物言いが大変気になりました。

以下、渡辺さんのツイートです。

一人も兵士が戦死しないで70年を過ごしてきたこの国。どんな経緯で出来た憲法であれ僕は世界に誇れると思う、戦争はしないんだと!複雑で利害が異なる隣国とも、ポケットに忍ばせた拳や石ころよりも最大の抑止力は友人であることだと思う。その為に僕は世界に友人を増やしたい。絵空事と笑われても。

渡辺さんがツイートしたのは上記のようなものです。
おかしなところはひとつもない。まっとうなコメントです。
それに対して私がSNSで見たコメントは、「いい役者さんになられたと思っていたところなのに、ねぇ」・・。

いい役者さんになられたと思っていたのに・・・なんだっていうんだ!
私がその次に来る言葉を想像してみると
①そんなことを言ってしまうと、干されますよ。
②増長して役者ふぜいが何を言っているんでしょ。
・・こんな感じじゃありませんか。
思っていたのに・・で切っているのが底意地の悪さを感じるし、卑怯な人間だと感じました。

今、私が思うことは、今回の法案について自分の意見を言う人に対し、「威圧したり」「バカにしたり」「ふんっと薄笑いを浮かべたり」そんなことをする人を怪しむことが大事じゃないかということです。

渡辺さんのツイートの件にも関連するのですが、「仕事が無くなっちゃうよ」という脅かしがあるにも関わらず正々堂々と意見を述べている芸能人が何人もいることに心強くも感じました。
つまらぬ脅しをするような“人でなし”のためにこの世の中があるわけではないのです。


【Now Playing】 地球楽団 / 橋幸夫 ( TBSラジオ )

【はっPのアナログ探訪_0057: 鋼鉄(ハガネ)のロック魂(Clear Air Turbulence) / イアン・ギラン・バンド(Ian Gillan Band) ( LP )】

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今回は、あのディープ・パープルで、ギターのリッチー・ブラックモアと共にバンドを支えてきたボーカルのイアン・ギランがディープ・パープル脱退後、ソロ活動二作目のアルバムとしてリリースしたものです。

脱退後は事業をするので、ロック界への復活はない、とのことでしたが、そこはやはりあれだけのボーカリストです。「チャイルド・イン・タイム」というソロ一作目は聞いていないのですが、ディープ・パープルでやった同名曲を彼なりの解釈でもう一度作り直したものだったらしい、そんな作品で復活しています。


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で、今回ご紹介するソロ二作目が、バンドとしてのメンバーを決め、イアン・ギランのソロとしてがっちりと取り組んだもののようです。実質上のソロ第一作と言っていいものだったのかもしれません。


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「鋼鉄のロック魂」という邦題は、実際にこのレコードを聞いてみると、まったく“そぐわない”という感想を持ちました。実際の英語タイトルは「Clear Air Turbulence」です。
彼のディープ・パープル時代のシャウトを連想させ、かつてのファンにも買ってもらおうという日本側の気持ちもわからないでもないが、それを期待して買ったら、まったく異なるものに出会うこととなります。

今、あらためて聞いた感じでいうと、プログレッシブ・ロックとフュージョンを融合させたもの・・、そんな印象でした。
中には一曲、彼のシャウトを聞かせるディープ・パープル・ファンにもウケるような曲もありましたが、アルバム全体のコンセプトとしては、上記の融合的音楽をきっちり、スキ無く作り上げた力作といえるものです。


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当時流行りの音だと思いますが、サウンド的にはその頃のフュージョン・バンドのものに近いような気がします。
そして、もうひとつ気付くのが、黒人音楽にかなり寄っていて、ファンキーな楽曲、演奏がかなり強く聞いたあとに残るな、というものでした。

まったくディープ・パープルのロックとは異なる世界のイアン・ギランのソロ・アルバム、久しぶりに聞くと、スピーカーと対峙して聞くというよりは、ちょっと気軽にBGM的に聞きたいような感じの曲に、自分の印象も変化していました。

今回は、たぶんあまり知られていないかもしれない、イアン・ギランのソロ二作目のアルバムをご紹介しました。

2015/08/29

「南国かつおまぐろ旅」を読んだ

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『南国かつおまぐろ旅/椎名誠著(文春文庫)』を読みました。
もちろん、ブックオフ価格108円d(^_^o)

初出が週刊文春の1993年となっていますから、かなり古いものですが、相変わらず椎名さんの本、楽しめました。

椎名さん自身、この本のあと書きで書いていますが、「書いてあることは殆ど人生に何の役にも立たないことばかりなので、読む人もそのへんのことを考えて、もうとことんまで投げやりに読んでもらいたい。」なんて言っていて、(*^_^*)私もほんとうに心身の骨休め的にいつも椎名さんのこのシリーズを読んでいるのです。

いつもどおり、日本全国を歩いて、美味しい魚や、お弁当、時には“まずいラーメン”などを食べつつ、椎名節を聞かせてくれます。

今回、いちばん印象に残ったのは、尾籠な話で恐縮ですが、椎名さんが何でもない飲み会から帰宅する途中で起こった不幸な事件の話でした。
リアル・ドキュメント・タッチで、あの楽しい飲み会から幸せ気分で帰宅途中に少しずつ忍び寄る人生最悪の下腹部のクーデター・・!(^_^;)

だんだんと様子がおかしくなり、駅のホームを降りトイレへまっしぐら・・と思いきや、ああなんと知り合いの人とバッタリ出会い・・。
それをクリアしてトイレに・・。
もし、アキ便所がなかったら・・などという思考さえも出来ない状態、「あいてなかったらハンマードリル、散弾銃の連射によって強引に開けてしまうだけだ」という切羽詰まった椎名さん、申し訳ないが笑いをこらえるのに必死…σ(^_^;)

「ああ、ああ」あいていたっ!と個室に入り「安堵思考をもってしまったのがすべての敗因」と語るのちの椎名さん、反政府軍がその直後、ダムを崩壊させた・・・・・・。
椎名さんの迫真のドキュメントをきちっと読みたい方は、この本買って読んでください( ̄O ̄;)


【Now Playing】 Interplay / Bill Evans ( Jazz )

2015/08/28

【はっPのアナログ探訪_0056: 風 / はしだのりひことシューベルツ ( Single )】

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このグループのリーダー、はしだのりひこさんという人はたいしたものです。
ザ・フォーク・クルセイダーズで加藤和彦さん、北山修さんという希有な天才と組んでヒットを飛ばし、このシューベルツでは「風」をヒットさせ、しかもメンバーにはあの杉田二郎さんがいて、このレコードのB面では杉田さん作曲の曲がなかなかのものになっています。

このあとも、エンドレスや、クライマックスというグループをつくり、ヒット曲をまた飛ばしたのです。

この「風」は、北山修さん作詞、はしだのりひこさん作曲で、この時代を知っている人ならたいしたヒット曲であったことをご記憶でしょう。


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アコースティック・ギターと、ウッド・ベース、リズムはスネアのブラシ奏法がいい雰囲気を出していて、素晴らしいメロディと共にせつない歌詞が当時の人々の心をとらえたのではないかと思います。

「ちょっぴりさみしくて 振り返っても」
「そこにはただ風が吹いているだけ」

この部分の歌詞がズンと心に沁むのでした。

「人は誰も 恋をした切なさに」
「人は誰も 耐えきれずに振り返る」

今、レコードで聞いてみても、やはり心の中に吹く風を感じることができました。

「何かを求めて 振り返っても」
「そこにはただ風が吹いているだけ」

あらためて聞き返しても、やはり名曲です。


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ちょっとボーカルの録音がレベルを上げすぎて歪み気味ですが、それもまたこのレコードの何とも言えないやるせなさを余計に強調してくれるようで、すべてが結果オーライ(^_^;)となっていました。当時もボーカルの音が歪んでるな、と思ったものです、でもOKなんですよねd(^_^o)

アナログ探訪、またまた心に残るレコード盤に数十年ぶりに再会しました。

2015/08/27

【はっPのアナログ探訪_0055: イエスタデイ・ワンス・モア(Yesterday Once More) / カーペンターズ(Carpenters) ( Single )】

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泣く子も黙るカーペンターズの大ヒット曲です。
懐かしい、古き良き時代を彷彿とさせる曲なのですが、曲の内容自体が自分の学生時代にラジオから流れてくる曲に胸をわくわくさせるというもので、もう“これでもか”の懐かしの気持ちがあふれてくるような曲でした。

たしかこの頃はアルバム「ナウ・アンド・ゼン」が爆発的大ヒット、シングル「シング」も併せてヒットし、「シング」は日本語バージョンもあったかと思います。
カレンの美しい声と、小気味よいラディックのエイト・ブラザーズ・ドラムの音と、そのかっこいいプレイは忘れることができません。

アナログプレイヤーが長い間壊れていたため、久しぶりにレコード盤でこの曲を聞いたのですが、CDで聞いていたときに、「あれっ?なんか昔と違う」と思っていたのが、たしかに間違いないということがわかりました。

CDは、かなり大幅にリミックスされ、さらに音も付け足されています。
エコーなどのかけ方もかなり時代感が異なるな、と思うくらいの大胆さでした。
曲の雰囲気はちょっとゴージャスに、そして綺麗になっていました。

で、もう一度レコードの方に戻ってみると、とてもシンプル。
エコーのかけ過ぎな感じもなく、ドラムのスネアとハイハットの音も乾いた感じで、心落ち着きます。
どちらがいいか、というものではありませんが、私はこの静かに時を振り返るようなレコード盤のサウンドと、たたずまいがしっくりときました。
コーラスもすっきりと絡んできて、・・ちょっと昔を思い出して涙ぐんでしまいました。


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学生時代(といってもまだ子供)の彼女がカーペンターズが大好きで、二人で初めてレコード店に行ったときに掛っていたのは、このカーペンターズの「トップ・オブ・ザ・ワールド」でした。
カーペンターズには、思い出がたっぷりと詰まっています。
そのあと、二人で喫茶店に入り、私はクリーム・ソーダ、彼女はレモン・スカッシュを飲みました。まるで昨日のことのように胸がキュンと締め付けられるように甘酸っぱい思い出がよみがえります(゚ー゚*)。oO

そんなこんなで、カーペンターズの「イエスタデイ・ワンス・モア」、やっぱり今聞いても最高にキュンとする懐かしいヒット・ソングです。
レコード最高っ!!

2015/08/26

酒の肴にビートルズ?!っていう本

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『今夜も肴はビートルズ!/広瀬隆・後藤克幸(ゆいぽおと)』という本を読みました。
広瀬氏は、ミュージシャンでラジオパーソナリティー、後藤氏は、CBCテレビ論説解説委員で医療ジャーナリスト。
その二人と、途中から広瀬氏のご子息でクラブDJのMEGURU氏が飲み屋での対談に参加、酒を楽しみながらのビートルズ話に花を咲かせるという、こんなんでいいんかい?いいんです!(^^;)という本でした。結論からいうとおもしろかった(^-^)

ただ酔った上での話とはいえ、ちょっと無理矢理な話題もいくつかありました。

When I'm Sixty-Four を取り上げて、ポールは25歳で老老介護の歌を書いていた・・なんて、・・別にこれ老老介護の歌じゃないですよね、夫婦が老いたときを想像して、ちょっと楽しい感じの歌を作っただけだと思うんだけど。

Savoy Truffle が甘くておいしいスウィーツが登場する、そんなの食べてると歯が全部なくなって大変なことになっちゃうよ、というジョージの生活習慣病の予防ソングである・・って、・・ただエリック・クラプトンのチョコ好きをからかっただけじゃあないの(^_^;)

Back In The U.S.S.R. においては、久しぶりにソ連に里帰りする男の歌で、曲中の「ジョージア」というのは「グルジア」のことで、アメリカのジョージアでもグルジアでも同じこと、USA も USSR も関係ない、東側とか西側とか、どっちでもいいじゃないか、帰ることができるふるさとがあって幸せ。ベルリンの壁崩壊の20年以上前に国家や体制を越えた価値観があるというメッセージを歌に込めてポールは発信していた・・ちょっと飛躍し過ぎ・・( ̄O ̄;)

でも、この本のいいところは、まず「ビートルズを肴に酒を飲んでいる」っていう、非常に我々ファンにとっては、憩いのひとときとなっている部分を文書化したことd(^_^o)

やたらマニアックな知識をひけらかしていないこともよかったと感じました。
ていうか、最近の異常なほど詳しい知識を持っている人達の話にはついて行けないというのが私のような普通のファンよりもちょっとだけ知っている程度の人間なのです。
あんまりわからない話を既に知っているのが当たり前みたいに話されると、どんどんつまらなくなってしまうのです。もうほどほどにしといてくださいって、思うことが様々なビートルズ本を読んでいてしばしば感じていることです。

この本のお二人も、私と同じ後追い世代です。
途中で息子さんもその飲み会に現われ、親子でもビートルズの話を酒を飲みながらできるなんて、実にうれしい情景です。
ビートルズが全盛期のときでさえも、2015年の未来にこんな状況が日本の酒場で繰り広げられるとは誰も想像できなかったことでしょう。

これからは、こんな「ビートルズ・酒の上での与太話」的な本もありだな、と思いました。
楽しい本でしたよ(^o^)


【Now Playing】 Lucy In The Sky With Diamonds / The Beatles ( Rock )

2015/08/25

現代の心中物「雉猫心中」を読んだ

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『雉猫心中(きじねこしんじゅう)/井上荒野(いのうえ・あれの)著(新潮文庫)』を読みました。
同じ住宅街に住む妻子のある男と、夫のいる女が、互いの家への雉猫(野良)の訪問をきっかけに知り合い、急速に接近し貪り合うような仲になって、無軌道な状態のまま心も体も、互いに夫婦の行方もさまよう・・というような話です。

物語の展開は現代の心中物と言ってもいいかもしれない、あとさきを考えないような、互いの体を貪り尽くすのみの、結論の無い、結末の無い、救いようのない話です。

しかも読んでいると、それぞれが夫婦の営みを行いつつ、しかしその同日に何度も互いを求めて密かに交わっている・・。

男には、美人の妻と中学生の娘がいるのですが、家庭の実体は冷え切っている。しかも左前になった古本屋をやっていた主人公の男はネットでの販売に活路を見いだそうとするも、騙されて失敗し、そこからは底なしの沼に沈んでいくようなことになり、同業者からも白い目で見られ、追放状態になる。
どんどん堕ちていくのに、さらに地元有力者一族の悪い子供らにも罠にはめられ・・もういけません。

もうひとりの主人公の女も、夫の中学教師とは「愛」のようなものは全く感じられない生活を日々過しているのに、そんな気持ちを、おくびにも出さず波風のない生活を演じている。
さらにその夫が夫婦の営みをするときには異常な感じのマニアックさを発揮し、それをまたパソコンの中に記録し、保存している。

驚くべきことに、読んで行くと、主人公の男女がかなりの回数貪るように交わっているのに、その描写や、それぞれ男女の気持ちなどの描写もほとんど無いのです。
それぞれの容貌などの描写も、特に女性の方はまったくわからないくらいの薄い表現がなされている。ただ読者のこちらは想像するのみです。
そんな書きっぷりなのに、無間地獄のような男女の様子が読んでいるこちらには伝わってくるのです。

男と女、互いが一人になったときの様子からそれらを想像し、二人の様子がわかるという書き方です。
男女とも行き着くところのない寂しさや無常感を身に纏い、そこでまた互いを求めて住宅街を歩き、周囲に見つからぬように相手の家にたどり着き、窓から相手が見えないか探す・・。

心中物というと、「純愛」的な文学表現がされているのかと思いきや、男女は互いの心を測りかね、自分の満足を優先し、単に快楽のみを追求しているかのような部分もあって、むしろそれが本当の男女の姿ではないかとさえ感じました。
人って、そういう勝手なものだ、と思うと同時に、「これは自分の姿とオーバーラップする」と、暗澹たる気分にもなったのでした。

この二人、いったいどうなってしまうのだろう、と最後まで一気に読んでしまいましたが、決着のつかない不安だけが心に残り、人が男として、女として生きて行くことがどんなに虚しいものなのか・・解決のつかない心持ちのまま、今茫然としているのです。


【Now Playing】 放課後の音楽室 / ゴンチチ with 葉加瀬太郎 ( Instrumental Music )

2015/08/24

『王家に捧ぐ歌・2回目』・・進化の度合いはすごかった

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宝塚歌劇・宙組東京公演「王家に捧ぐ歌」二回目の観劇に行ってまいりました。
前回の観劇から二週間を経過していましたので、宙組らしく舞台はかなり練り込まれていました。

主役・朝夏さん演じるラダメスの戦友・メレルカを演じた桜木みなと(さくらぎ・みなと)さん、そしてエチオピア王家の元家臣・サウフェを演じた蒼羽りく(そらはね・りく)さん、共に舞台上でその役柄がくっきりと映えていて、それぞれに自らの立ち位置をしっかりとしたものに築き上げていました。

同じくラダメスの戦友・ケペルを演じた愛月ひかる(あいづき・ひかる)さんも、内面的なものまで見えてくるような役づくりが光っていました。

さらに星組から組替えの真風涼帆(まかぜ・すずほ)さんは、アイーダの兄で、物語の“黒い”部分を担う難しい役を大きな演じ方で見せてくれ、宙組にもしっくりと馴染んできた感がありました。

また、前回と同じく“特筆もの”の素晴らしさを感じたのは、専科からの箙かおる(えびら・かおる)さんのファラオでした。
どうしてあんなに声が劇場の隅々まで通るのでしょうか、そしてその“オーラ”は完全に「ファラオ」です。すごい迫力でした。

同じく専科からの一樹千尋(いつき・ちひろ)さんのエチオピア王・アモナスロの狂気の演じ方、娘であるアイーダとの人間性を懸けたような“取引”の様子、そして深い歌唱力にこちらも舌を巻いたのでした。

そして今回大進化を遂げていたのが、ファラオの娘・アムネリスを演じた美形娘役・怜美うらら(れいみ・うらら)さんです。
前回ちょっと気になった歌唱の方も、ほぼ大丈夫。かなりの練習を積み重ねている様子がうかがわれました。
そして、演技では観客をたじろがせるほどの渾身の名演でした。
完全にお客さんの心をぐっと掴んで、さらに引き寄せるようなものでした。箙・ファラオが真風・ウバルドに刺されたあとの湧き上がるような心の変化を前回よりも何倍も表現力豊かに演じ、絶命した父のそばに立ち、朝夏・ラダメスに剣を突きつけたところではご本人の体がふるえるようで、感極まっているのがよくわかりました。
この人の芝居力はもの凄いものがあります。そして歌唱でも地声で歌うときの声の魅力も他にないものを感じました。


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さあ、娘役主演の実咲凜音(みさき・りおん)さん。アイーダをどんどん自分のものにして、前回どう表現していくのか未完に感じた歌も磨きあげられ、実咲さん独自のアイーダの歌唱をものにしていました。
さらに、お芝居の方も朝夏・ラダメスとの間合い、呼吸をうまく取って絶妙の関係を描き出していました。いよいよ完成形が見えたという印象でした。素晴らしかった。そして、ラストの方では自信に満ちてアイーダを演じているのが観客側からもよくわかりました。

トリは、もちろんトップスター・朝夏まなと(あさか・まなと)さんのラダメス。
こちらも歌いまくりのこの演目を宝塚、東京の長丁場を乗り切って、トップらしく喉を保たせて、今なお伸びのある歌唱と、力強さまで感じさせてくれました。
また、朝夏さんが作り上げてきたラダメスがしっかりと息づき始めているように感じました。
ラストで地下の暗闇の中、実咲・アイーダと抱擁し、祈りを捧げよう・・となったシーンでは、実咲さんをきつく抱きしめ・・・・なんと朝夏さんの大きな両目から涙がスーッと流れ始めたのです。それがまた美しかった。
観客も息を呑み、声も出ず、主演二人を見つめていたのでした。
・・なので、その後のフィナーレでは、二人を、そして宙組の皆を讃えるように、ものすごい手拍子となり、あまりの観客の興奮状態に、手拍子はオーケストラの演奏を速度超過で飛び越し、まるで大劇場のノリノリで突っ込んでいく関西風な“強烈なオベーション”の嵐が吹きました。私も大興奮、&涙・涙・・…σ(^_^;)

いいもの見せてもらいました。
宙組の公演中に大進化する姿も、トップが替わってからも脈々と続いているようです。
全国ツアーがまた楽しみになってきましたよ!d(^_^o)


【Now Playing】 トロイメライ / ACOON HIBINO ( Instrumental Music )

2015/08/22

【はっPのアナログ探訪_0054: ショッキング・ビートルズ33(Stars On Long Play) / スターズ・オン(Stars On) ( LP )】

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このレコードを覚えている人はけっこういるかもしれません。
スターズ・オンのシングル盤の方「Stars On 45」は大ヒットしたと記憶しています。

このLP盤の方は、A面がビートルズのカッコイイ曲オンパレードです。
次から次へとあのヒット曲、あの佳曲がメドレーで繰り広げられ、こんなに楽しいビートルズ・ソング集はないのでは?というくらいの豪華絢爛ディスコティック風アルバムです。

特にジョンのボーカル曲については、実に“ジョンっぽい”のですよねd(^_^o)
初っ端の「ノー・リプライ」なんか、始まった途端“ぞくぞく”ってしちゃいました。今回聞いても来ましたよぉ~っ“ぞくぞく”って!(#^.^#)


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ジョージの「ホワイル・マイ・ギター・・・」もいいねぇ、選曲もいいんですよね、ただ単にヒット曲を並べるだけでなく、「Yuo're Going To Lose That Girl」や、「If I Fell」などのファンがうっとりしちゃうような曲も散りばめられていて、「わかってるねぇ」(^-^)と、思わずにやけてしまうのでした。


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続いてB面に入ると、A面の勢いそのままに「ブギー・ナイツ」や「ラジオスターの悲劇」、「ビーナス」、「シュガー・シュガー」などのヒット曲をディスコ風メドレーで連発です。
こういう楽しければ“なんでもあり”みたいなアルバムって久しぶりに聞きましたよ'(*゚▽゚*)'

アナログ・プレイヤー買い換えてほんとによかった(*^_^*)

忘れていた曲も聞いた瞬間に、「わっ」と思いだし、ポップスの良さを再認識しちゃいました。

2015/08/19

【はっPのアナログ探訪_0053: 愛するハーモニー(I'd Like To Teach The World To Sing(in perfect harmony)) / ザ・ニュー・シーカーズ(The New Seekers) ( Single )】

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今回はシングル・レコード、英国のポップス・グループ「ニュー・シーカーズ」のヒット曲です。
この「愛するハーモニー」は、コカコーラのCMソングとしてアメリカでレコーディングされたもので、かなりのヒットになったのではないかと思います。

日本のコカコーラのCMでも使用され、洋楽ポップスのベストテンにランクインしていたと思います。

アコースティック・ギターのイントロから入り、実に爽やかなコーラスが印象的でした。


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あらためてそのレコードに針を落としてみると、いかにも70年代的なサウンドがいいです。
今、こういう曲を探しても、どこにも見つからないと思います。
誰にでも心地よく、涼やかな風が吹いてくるような楽曲とサウンド。大事にしたいものです。

当時、日本のコカコーラCMでは、どんな映像と組み合わせられていたのか・・まったく思い出すことができないのですが、きっと、“きれいでさわやか”なものだったのでしょうね。

聞いていると心が浄化されるようなスマッシュ・ヒット曲でした。

2015/08/18

【はっPのアナログ探訪_0052: Derringer Live / Derringer ( LP )】

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リック・デリンジャーのバンド(ユニット?)、「デリンジャー」のライブ盤です。
かつてはアイドル、そしてジョーニー&エドガー・ウインター兄弟のバンドにも参加。
その後はソロ活動を経て、このバンド「デリンジャー」を結成。
私もリック・デリンジャーには詳しくないのですが、このライブ・アルバムを一聴して、彼のワンマン・バンドという印象を受けました。

自らリード・ギターを弾き、ボーカルを取り、プロデュースもしてしまう、そんなリック・デリンジャーの“パワフル全力ライブ”です。

とにかく、曲のテンポが異様なほど速い。
バンドも100メートル走を何度も繰り返すかのように次から次へとポップな衣装を纏ったロックン・ロールを連射、連弾するという感じ。


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リック・デリンジャーのギターは目にも(耳にも)止まらぬ高速フレーズを何の苦も無く弾きまくり、聞いているこちらも追いつくのに大変なくらいの超スピーディーな演奏を繰り広げます。
いやもう、これはファンにとってはこたえられないライブであったのでしょう。
「これでもか」っていう“ダメ押し”的なねじ伏せるような演奏には私も平伏してしまったのでした…σ(^_^;)


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また、デリンジャーのギターは、ハードなロックには欠かせぬ強烈なエフェクター類がふんだんに使われたサウンドとなっています。
まるでエフェクター見本市のように、このエフェクターはこう使うのが最高だ!とばかりに究極のエフェクター・モンスターのようなサウンドが広がります。
かつていた、たくさんのギター小僧たちには、まさに“カッコイイ”お手本になり得る教科書でもあると言えますd(^_^o)

どの曲も激烈カッコイイギター中心のロックですが、トドメはラストの曲、「ロックン・ロール・フーチー・クー」でしょう。

曲はもちろんのヒット・チューン、ギターはスピード違反の速弾き、天にも昇るような有頂天なハード・ロック・ギター・サウンドが炸裂し、聞いているファンは昇天してエンディングです(^^;)


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録音されている音は、私には団子のように固まっているように感じ、今どきの分離よくレコーディングされたものとは大きく異なります。
ドラムの音は、パタパタと乾いた音で、近年にはない録音の仕方です。

エレクトリック・ロック・ギターを堪能したい、かつてのハードなギター・サウンドをもう一度思い起こしたい、そんなロック・ギター小僧・・だった人(^_^;)にはぜひまた聞いていただきたい一枚です(#^.^#)

2015/08/17

江戸の老人はエロい??のか

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『春画に見る江戸老人の色事/白倉敬彦著(平凡社新書)』を読み(見)ました。
著者の白倉敬彦さんは、浮世絵研究者で、長年に渡り現代美術から浮世絵にいたる美術書を企画編集されてきた方。
残念ながら、この本が遺作となってしまいました。

老人たちの登場する春画を丹念に拾い出し、それを老爺、老婆、老夫婦の三章に分けて、年代順に並べて見ていく。
そして、それら種々の性行動をみていくことで、江戸時代の“老人の性”がみえてくるというものです。
これは、著者も書いていますが、日本の文化、美術が他国にないものとして誇れるものではないかと思いました。
でも、今現在は、それら春画の展覧会を催すだけで大変な労苦が伴うようなこととなっているようです。明治以降の“生真面目”ニッポンが、そうさせているのでしょう。

老人同士の性以外にも、老爺と若い妾、老婆と男妾、若夫婦の営みを覗く舅・姑の姿などの春画が展開されます。
そこには、江戸時代の性愛観のおおらかさが感じられます。

老年とその性愛に偏見をもたない江戸時代の人々の姿には、日本という国の古くて新しい考え方がよみがえってくるようで、実に興味深く面白い本でした。

老人の性は、時に涙ぐましく、またユーモラスでもあり、これらこの本から感じ取られることは、「日本人の性意識の原像でもある」と、“帯”にも書かれていて、そうだそうかもしれないと深く頷いてしまうのでした。

私もこの本の数々の春画を見ていて、決して“興奮”することが本意ではないというか、そのユーモアというか、人間としての“おかしみ”のようなものがとてもいいと感じました。

今の日本人の“ゆるくない”性への考え方は、逆に男女の興味尽きない、あやしくも、愉快で、浅くて深い関係を排除しているのではないか・・と、感じるようになりました。
草食なんとか・・なんていう、そんなつまらないことは放っておいて、特に若い人に是非見て、読んでほしいと思った本でした。

中の絵はちょっとお見せできませんが、ぜひとも書店でチラ見してください、おもしろいですよ。


【Now Playing】 Every Breath You Take / The Police ( Rock )

2015/08/16

【はっPのアナログ探訪_0051: Mirage / Fleetwood Mac ( LP )】

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今回はアルバム(LPレコード)です。
フリートウッド・マックの「ミラージュ」。

アルバム「Rumours(噂)」の大ヒットと、その後の大掛かりなツアーを経たのちのアルバムで、とても充実している印象です。


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どの曲もいい曲ばかり、音は Rumours の頃よりもタイトになった感じ。
特にリズムのキレの良さは特筆もののキリッとしたアルパムです。

Gypsy は、この頃のフリートウッド・マックの集大成とでも言えるような名曲の風格さえ感じさせる素晴らしい曲でした。
さらにヒットした Hold Me はポップで万人にウケるような曲でありながら、抑制の効いた大人の曲でした(゚ー゚*)。oO


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聞いていて感じたのですが、この日本盤レコードはいい音です。
カッチリと作られたこの名盤を気持ちよく聞かせてくれました。ノイズは全くなし。

アナログ探訪を始めてから感じていたのですが、アナログの音はなぜかほっとする安心感を常に感じさせてくれます。
同じスピーカーから出てくるのに、心落ち着かせて聞くことができるのです。不思議だよなぁ、といつも思ってしまうのです。


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同じアーティストの同じアルバムを聞いていても、上記のように感じます。
やはりアナログの魅力っていうものは大きくて、近年レコード盤の生産が増え、若い人もアナログ・プレーヤーを気軽に手に入れているようで、これはとても喜ばしいことだと感じています。

このブログをご覧の方も、アナログ・プレーヤー購入を考えられてもいいかもしれませんよd(^_^o)

2015/08/15

【はっPのアナログ探訪_0050: 美しき人生(WHAT IS LIFE) / ジョージ・ハリスン(George Harrison) ( Single )】

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これは、ジョージ・ハリスンのシングルですが、アナログ・プレイヤーが壊れていた時期にはCDの「オール・シングス・マスト・パス」ニュー・センチュリー・バージョンで聞いていました。
久しぶりにアナログ盤の音で聞いてみると、あの独特のエフェクトの掛ったエレクトリック・ギターの音がCDで聞いていたような尖った音ではなく、すんなりと鳴っていました。
曲全体の音も“まろやか”に感じました。

ジョージがソロになってからの音って、ジョージが納得のいくサウンドにきっとなっていると思うんですよ。
かっちり、きっちりと隙無く作るのでなく、遊び心があり、しかも自分の好みの音についてはけっこう攻めている感じ・・。で、頃合いの良いところでパッと解放するように仕上げているような、そんな感じ(゚ー゚*)。oO

これが絶妙なんですよ(^-^)
そんなフィーリングがアメリカの人達にも合ったんじゃないでしょうかね、このシングルの前の「マイ・スウィート・ロード」もこの曲もヒットしました。


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ジョージらしく、カッコよく、ロックな感じも十分に残しつつ、独特なジョージ作品になっています。
因みにB面の「アップル・スクラッフス」も、ビートルズ時代には無かったジョージ固有の楽曲、サウンド世界が広がっています。

今聞いても文句なしのスマッシュ・ヒット・シングルですd(^_^o)

2015/08/13

前から気になっていた「仏像を見る」本、読んでみた

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『見仏記/いとうせいこう・みうらじゅん(角川文庫)』を読みました。
これもブックオフ価格で二百数十円(^^;)
1993年に中央公論社から単行本として出たものの文庫化です。

いとうせいこう、みうらじゅん、という“奇才”お二人が日本各地の仏像を見てまわるという本、しかも宗教的、あるいは美術的な専門家のような見地から見るのではなく、ほんとうに“独自の見方”で仏像を見るわけで、私にも、そしてみうらじゅんさんと同行したいとうせいこうさんにも、いったいこの人は何を考えているんだ・・というような、みうらさん独自の仏像の見方があって、まずはそれに驚かされたのでした。

みうらさんの、「仏像達はミュージシャンで、極楽浄土からやって来て、お堂でコンサートを開いている・・」という理論には・・わかったような気に一瞬はなるのですが、あとでもう一回思い起こすと、さっぱりわからない(^_^;)そんなことになるのです。

また、あるときには仏像にエロチシズムを感じ、仏像相手に妄想を繰り広げるなど、想定外の話の広がりにとまどう私…σ(^_^;)

見たまんまに自分の感性をぶつけ、そこから紡ぎ出される、どこにもない“ぶっ飛んだ感想”そして、みうらさんといとうさんのちょっとギクシャクしたコンビぶりがまた面白く、ほんとうに不思議な本でした。

ただ、お二人が実際に見たときの、それぞれの仏像の写真がふんだんに入っていると、もっと面白かったのに・・などとも思いました。
でも、たぶん撮影許可が下りるということもなかなか無いのかもしれませんし、それはやはり無い物ねだりですね。

これを読んでいると、やはり「仏像は実物を実際に見に行かなくてはあまり意味がないな」と思いました。
読んでいても、お二人が仏像を目の前にして息を呑むような感じが今ひとつ伝わって来ないんです、それはやはり現地で現物を目前にしていないからでしょう。

これから仏閣を訪ねる機会がありましたら、仏像の様子にも気を配りたいと思います。
この本の著者、お二人のような独自の仏像を見る目ができるかもしれません。


【Now Playing】 I'm Thrilled / June Christy With The Johnny Guarnieri Quintet ( Jazz )

2015/08/10

宙組「王家に捧ぐ歌」観てきた

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宝塚歌劇・宙組東京公演『王家に捧ぐ歌』を観てきました。
新トップスター・朝夏まなと(あさか・まなと)さんの東京宝塚劇場お披露目公演となるものです。
娘役トップは、引き続き実咲凜音(みさき・りおん)さん。

この演目は2003年に星組が公演し、オペラ「アイーダ」の宝塚版として好評を博したものでした。
毎度申し上げますが、トップお披露目公演にこういう“重い”演目を持ってきて、トップへの負荷を大きくするのはどうかと思うのです。
もっとトップとしていくつか演目を経験し、こなれてきたところで掛けてくるのがいいと思うのですけど・・ねぇ。

重厚かつ、壮大な舞台であることは想像どおりでしたが、気付けば場面転換は少なく、そうなると、主演・朝夏さんのラダメスの一挙手一投足、そして表情・心理の変化がいかにうまく描かれるかが決め手となります。
朝夏さんには、プレお披露目公演の「トップ・ハット」を観劇しており、ほとんど心配していなかったのですが、正直なところ、前半第一幕までは、やや平坦な様子にちょっと“ダレ”気味なところを感じました。
観客をストーリーと共にグイグイ引っ張る・・というところまでは到達していなかったように思いました。

娘役トップ実咲さんのアイーダは、全力で演じられ、実咲さんらしく、役を作り込んできた様子がうかがわれました。
ただ、今までは娘役らしく裏声の領域を多用してきた歌唱が、今回は“地声”が中心となり、難易度は上がっていて、その表現方法については、まだ開発途上にあると感じました。

今回、星組から組替えでやって来た真風涼帆(まかぜ・すずほ)さんは、やはり舞台上で目立つ存在で、そのオーラのようなものも十分に生かして無難な仕上がりだったと思います。

特筆すべきは、何と専科の箙かおる(えびら・かおる)さんのファラオ。
存在感十分、人知の及ばぬような神の領域にいるその様子には、ただただ感心するばかりでした。素晴らしかった。
また、同じく専科の一樹千尋(いつき・ちひろ)さんのアモナスロは、狂ったふりの部分から娘のアイーダへの巧妙な駆け引きなど、演技も歌も円熟の境地を感じました。

また、若手の桜木みなと(さくらぎ・みなと)さんもメレルカという、ラダメスの戦友という役を得て、ますます輝きを放っていました。期待の人ですね。


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そして前回星組公演では、主演の檀れい(だん・れい)さんが演じたアムネリスを演じた怜美うらら(れいみ・うらら)さんは大役でした。
この壮大な物語を生かすも殺すも怜美さんの演技に掛っていると言ってもよいでしょう。

心配した歌唱に関しては、心配どおり(^_^;)になってしまいましたが、委細かまわずぐんぐんと芝居を進め、若いに似合わず「ちからわざ」でアムネリスを演じ切り、特に第二幕以降は有無を言わせぬ堂々の演じっぷりでした。
この人の“舞台力”みたいなものは、天性のものがあると感じましたよ。歌だって、今後さらに鍛錬を積めば大丈夫でしょう。


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さてさて、トップお二人について、冒頭、ちょっと辛口なことを申し上げましたが、第二幕中盤からは、ストーリーの急展開と共に、二人の実力が燃え上がるように発揮され始め、怒濤の展開となり、今まで二人が築き上げ、その中で熟成されてきた関係がモノを言い、観客を悲しい結末だが、感動的なエンディングに連れて行ってくれました。

結局、感動の渦の中でフィナーレを迎えた…σ(^_^;)私ですが、今回の演目は主要な役どころの人にとっても、組としての取り組みとしても非常に難しい演目なのだろうと強く感じました。
まだまだ公演は続くので、今後また大きく進化していくと思いますので、もう一度見る機会があれば、その際にまたその進化っぷりをお伝えしたいと思います。
それでは、次回まで!d(^_^o)


【Now Playing】 ラジオ深夜便 / 日本列島くらしのたより「山形県戸沢村」古瀬イツ子 ( NHK-AM )

2015/08/09

結局何も変わっていない

あまり政治的なことや、今現在話題の渦中にあることなどは避けているこのブログですが、いくらなんでもと思ったので自分の考えを書いてみるとこにしました。

特にfacebookなどのネット上で、SEALDsというSNSを利用して集結している集団のYouTubeその他でのデモの様子や演説内容の全文に対して、大の大人が“悪し様”に、しかも“上から目線”で、“小馬鹿にする”ように非難しているのがあまりにも目につきます。
でも、実際の内容個々については何もふれていない。しかも、非難するくせに自分の考えは書かない。

この間も高校生が数千人集結して安保法制反対でデモをしたことを知りましたが、それについても、「情けない」、「今まで何を勉強してきたのか」など、いい大人が憎々しげにネット上で非難しているのを目にしました。

高校生や大学生が日本の今後について心配し、不安に思い、活動しているのだ。それも別に直接自分の得になるようなことは何もない。ネット上では顔をさらし、いわれのない非難を浴び、危険な目に遭うことも覚悟しなければならない。
驚いたことに、大学生の参加者を名簿化して世にさらし、「就職に不利になるのにねぇ」などと、人とは思えない行動に出ている年配者もいる。
そんな人がいる会社になんか入らない方がいい。
「私の会社ではこんな奴ら絶対に採りませんよ」と就職時に振り落とすと鼻で笑いながら書いているのも見かけましたが、それならその会社名も堂々と書いてあげたらどうかと思いました。そこに入らないで済むという幸せが見つけられますから。

それでも、今どきの学生が自分達の未来、そして自分達の子供の未来について考えているのだ。
スマホかなんかをチョンチョンといじって非難している大人(中身は子供以下だ)の人達よ、普段から「今どきの子供は」とか、「学生のくせに何も考えとらん」と嘆いていたのはあんた達じゃないのか。

演説の動画もいくつか見て、全文というのもいくつか読んだが、「この人達はどうかしている」というような箇所は一箇所も無かった。
比較的同年代では保守的な傾向がある私にしてからだ。

庶民の直感というものは、侮れないと思う。
私も、今の国会を見ていて不安感が増している。

安保関連法案について、「法的安定性は関係ない」と言っておきながら、「もとより私は平和安全法制において法的安定性が重要であることを認識しております。」と全く逆のことを言って謝罪した首相補佐官がいました。

「戦争法案だなんてレッテルを貼るな、平和法案である」と親分が国会で発言しているのに、先に述べたSEALDsの「戦争に行きたくない」というしごくまともな人間としての発言に対して「戦争に行きたくないは、利己的個人主義だ」と発言した子分がいました。
この人はさらにひどく、謝るつもりはないと言っていましたが、「平和法案である」と公言しておきながら「戦争に行け」と発言しているわけです。
・・・これで不安にならない人がいるんでしょうか。

戦後70年も経って、戦争は何ももたらさない。庶民は家族を失い、家を失い、人生の多くの幸せの部分を失うと私達は思ってきたのではないでしょうか。
私の父も兄を戦争で失い、次男でありながら長男として家を継ぎ、その間満州に行っていた姉の子らまでも育て、食うや食わずの経験をしました。
そして、その叔父の戦死がなければ、私自身もこの世にはいなかったわけです。
人々の人生は戦争によって苦しみと共に苦渋の岐路も生み出します。

戦争に勝った方も負けた方もやがてまた戦争をするのです。
それは人間がずっと続けてきたことですが、戦争の実体験の無い人がほとんどとなった今、またそれに向かっているのではないかと不安になることは当然です。
戦後70年、結局何も変わっていないのではないかと思い、書きました。

これを読んで怒る人・・そんな人が次の戦争を起こすのだと思います。


【Now Playing】 テラスにて / スタジオUSEN ( BGM )

2015/08/07

【はっPのアナログ探訪_0049: ディン・ドン(Ding Dong) / ジョージ・ハリスン(George Harrison) ( Single )】

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今回のアナログ探訪は、ジョージ・ハリスンのシングル盤「ディン・ドン」です。
ジョージのひとつの魅力である“リフレイン”が特徴の曲でした。

ブラス・セクションも入り、自分のサウンドというものに、はっきりとした主張を持っているジョージらしい前に出てくるサウンド、そしてシャウト気味のジョージのボーカルもたまらないのです。

当時は、イマイチさえないような印象だった曲も、今聞くと「なんだ、やっぱりいい曲、シングルで正解だねd(^_^o)」などと思ってしまうのです。


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このシングルが売れていた当時は、ビートルズの面々がソロ活動で、どんどん新しいアルバムやシングルを出していた頃だったような気がしますが、特にジョージには勢いを感じます。
出す曲出す曲が次々とヒット作となり、ファンとしてはうれしいかぎり(#^.^#)でした。

今欲しいのは、そのジョージの「バングラデシュ」のシングル盤なんですけど、中古レコード屋さんで探してみようかな・・(*^_^*)

2015/08/06

「麦酒主義の構造とその応用胃学」を読んだ

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『麦酒主義の構造とその応用胃学/椎名誠著(集英社文庫)』という本を読みました。
15年も前に発行された本ですが、私が今まで読んできた椎名さんの本とはちょっと毛色の異なるものでした。

何編ものお話が書かれているのですが、それぞれがエッセイとして始まるのに、途中からそこまでのお話がスクリューボールのように“くるくるぐるぐる”とまるで夢の中に落ちて行くように奇想天外な物語に変化していくのです。

なので、途中までこちらはエッセイを読む態勢でいたのに、後半はモードを変えて、時にはSFにも感じるようなお話を読むことになるのです。

私自身も、よくこの本と似たような経験をすることがあります。
日常起きている事象の中で、頭の中でそのことをずっと考えていると、自らの考えをまとめようとしているうちに、勝手に頭の中にいたキャラクター達が動き出し、自分でも想像し得なかったストーリーが展開し(^_^;)どうしたもんだ・・と困ってしまうような(勝手に困っているんだけど)ことになるのです。

しかも、ここ2~3年は歳をとったのが影響しているのか、昼休み、食後に“うとうと”していると、あっという間に夢の中に落ちて行って二時間にも三時間にも及ぶような出来事を経験してしまうのです。
はっと気付くと自分が今どこにいて、いつなのかもわからない事になっていて…σ(^_^;)あわてて時計やカレンダーなどを見て正気に戻るのですが、二時間にも感じた夢の出来事はわずか10分程度の間に見ていたのだと驚くのでした(*^_^*)

こんな感じなんです、この本に書かれているそれぞれの「エッセイ+夢へのスピンオフ的な物語」の様子。

この不思議な感覚を“お試し”経験してみたい方、ちょっと古い本で探しにくいかもしれませんが、ブックオフや古本屋などで探してみては?!d(^_^o)


【Now Playing】 ラジオ深夜便 / 中村雅俊 ( NHK-AM )

「千利休 無言の前衛」を読んだ

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『千利休 無言の前衛/赤瀬川原平著(岩波新書)』を読みました。

この本は1990年に発行され、すでに33刷を重ねているもので、赤瀬川さんが当時「映画:利休」のシナリオ執筆を依頼され、それまで歴史的な背景などあまり知らなかったものの、色々な参考書(漫画も含む(*^_^*))を読み、さらに利休に因んだ土地に出向いて、その雰囲気を感じ取り、前衛芸術家であるところの特異な感性で“利休芸術”について書かれたものです。

「侘び」と「寂び」という、いかにも枯淡の境地かと思えるような利休の「茶の道」が、いやしかしこれは「前衛」なのではないか、という視点が斬新な発想であり、赤瀬川さんらしいのです。

利休が「この良さがわかりませぬか」と言えば、なんでもない普段使いの朝鮮の茶碗に驚くような高額の値が付き、その「おもしろさ」「良さ」を見いだすこと自体が一種の前衛芸術なのではないか、というのが赤瀬川さんの考えです。

何処を“おもしろがる”のかが、その人の芸術度をはかることになる。
逆に秀吉は、何でもないものに高額の値を付けた“ふざけた行為”について利休を難じ、その他自分への不敬などについても無理矢理理屈をつけて、最終的には利休に切腹を命ずるわけですが、「茶の湯」というものに大きな価値を見いだしていたからこそ利休との大人の世界があったわけで・・、読んでいて秀吉と利休とのやり取りは非常にショッキングなものでした。

茶道とは、この本でも書かれていますが、酒を飲んで自分を酔わせるというようなものでもなく、純粋に茶という水分を飲むだけのことで、それが文化に成り得るということが日本文化の面白さなのではないでしょうか。

私も、以前NHKの教育テレビで「茶道」の時間などを毎回見ていたことがあるのですが、もう単に茶道具や、茶碗、掛け軸その他を愛でつつ、菓子を食べ、茶を飲むという行為が、こんなにも劇的で、ヒューマンなものを感じさせ、しかも何かストーリー的なものまで感じさせる時間を作り出すということに驚いたのです。

利休が「私が死ぬと茶は廃れる」と言ったことが書かれていましたが、ある意味それは言えることなのではないかと思いました。
茶道が単なる所作や、決まり事で進められるものになってしまうと、利休の生きていた時代の息吹のようなものが消失してしまうような気がします。

この本は、赤瀬川さん自信の考える芸術と、茶道の接点について、とても面白く書かれています。興味のある方には、ぜひという一冊でした。


【Now Playing】 Pithecanthropus Erectus / Pole Motian ( Jazz )

2015/08/04

星逢一夜(ほしあいひとよ)/ La Esmeralda を一足早く観劇した

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宝塚歌劇・雪組大劇場公演『星逢一夜(ほしあいひとよ)/ La Esmeralda 』を、9~10月の東京公演を前に、一足早く見てまいりました。
観劇は、4月から大阪勤務となった長男も一緒でした。この大阪行きは事情があって、これについては、また機会をみて書きたいと思います・・。

「星逢一夜」は“和モノ”。特に近年前トップの壮一帆(そう・かずほ)さんの頃から日本ものと言えばやはり雪組、という印象が強くなってまいりました。
そして、そのとおり、早霧せいな(さぎり・せいな)さん、咲妃ゆみ(さきひ・みゆ)さんの“芝居ごころ”あるトップコンビに、望海風斗(のぞみ・ふうと)さんという実力派二番手男役が加わり、この“和モノ”ミュージカルはたいへんな力作となっていました。
上田久美子先生、素晴らしいっ!

物語は九州の緑深き里、藩主の次男である早霧さんの少年時代から始まり、相手役咲妃さんも、もちろん少女ですが、その過去は父親が一揆の咎を問われ、処刑された上に母にも死に別れ、おさな子でありながら田をつくり、必死に暮らしている健気で、しかも芯の強い娘。
望海さんは、その咲妃さんのことをいつも心配し、面倒を見、成長するにつれ好きになっていく少年。
早霧さんは星を見、天体を考え、大きな世界観を持つ少年で、咲妃さん、望海さんと出会い、その村の子達とも心の通い合う少年時代を過すのですが、長男が死去し、早霧さんは急遽お家のため江戸の将軍吉宗のもとへ。
この少年時代から早霧さんは咲妃さんに対する想いがつのっていました、咲妃さんも。


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ここで物語は大きく展開し、早霧さんは吉宗に気に入られ、吉宗の改革を側近として強力に進めることに。
将軍にすすめられた縁談を受けることになった早霧さんは一時九州に里帰りするのですが、そこで咲妃さんが望海さんに嫁ぐことが決まったと知り・・でも、望海さんは咲妃さんの本当の気持ちを知っていて、俺は咲妃さんの幸せのためならあきらめるから、早霧さんに嫁にもらってくれと懇願・・(T_T)、でもそんなことが許されるはずもなく・・早霧、咲妃は互いに別の道を選んで結婚。

その後ますます吉宗の進める改革にあえぐ農民の中に望海さん、咲妃さんの夫婦が暮らす村も入っていて、一揆に進む悲劇に。
それを鎮めろと吉宗に言われた早霧さんは、大の仲良しだった望海さんと闘うはめに。
もう、凄絶なその二人の闘いの場面に、観客席は涙、涙、すすり泣き、嗚咽・・。私も長男も我慢できず、泣いてしまいました。
この場面での早霧さんの非情に見えるが、逃れることのできぬ運命の中での男の心情を描いたシーンは忘れられないものになりました。胸の奥底から感じる壮絶な心模様の表現は言葉に尽くせぬものでした。

自らの運命と、一揆を起こした農民への罪を問わぬことを交換条件として野に下った早霧さん。
全てを失い、子供の頃に山の上に子供達で建てた星を見る櫓に帰ってくると、そこには夫となり、三人の子供達の父となってくれた望海さんを殺したかつて大好きだった早霧さん、・・そして本当は今も・・、という気持ちをもった咲妃さんがいて、早霧さんが江戸に向かうときにくれた大切な短刀で狂ったように大好きな早霧さんの命を取ろうとするのですが・・・。

もう、このシーンでの咲妃さんは現在の宝塚では随一といってよい芝居魂を炸裂させ、渾身の演技。もう泣いて泣いて涙があふれ、止まりませんでした。

そこにお母さんを探しにくる咲妃さんの子供たち、二人は正気に戻るのですが、その後の子供の頃の回想シーンもまた清々しくも、またまた泣けるシーンとなり、素晴らしい作品でした。

もちろん、他の組子達も素晴らしい演技でしたが、今回は三人の主役の涙なしには語れない素晴らしい演技に話をとどめておきます。
また、東京で見るときには、どんな進化を遂げているのでしょうか。早霧、咲妃コンビはまだまだ二人の道を突き進んでいくことでしょう。


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ショー「 La Esmeralda 」は、ラテンショーですが、これもまた雪組には「リオ・デ・ブラボー」以来、得意演目と言えるかと思います。
静かな日本もののお芝居のあとに、今度は情熱的で、汗が飛び散るような激しくも楽しいエキサイティングなショーでした。
こちらもよかった(^o^)んだよねぇ~!!

泣いたあとに、興奮しながら楽しくなるという今回のカップリングは抜群でした。
早霧、咲妃コンビ、無敵ですd(^_^o)

長文となりましたので、大劇場の感想はここまでにしておきます。
また東京で再会したときにあらためて感想を載せたいと思います。
関東近県のファンの皆さま、東京でもすごいことになるぞぉ~っ!!(*^_^*)


【Now Playing】 ラジオ深夜便 / 金田一秀穂他 ( NHK-AM )

「うらおもて人生録」を読んだ

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『うらおもて人生録/色川武大著(新潮文庫)』を読みました。

著者の色川武大さんと言えば“放浪”と“無頼”の人、そして麻雀小説家としての別名「阿佐田哲也」としても有名です。

この「うらおもて人生録」は、優等生がひた走る本線コースではなく、山有り谷有りの人生の中で、道に迷い、幾度かの修羅場もくぐりながら何とか生きて行く人生の裏道的セオリーを説いた本・・と言えばよいのか・・そんなふうになっていました。

学校にも、戦時下での世間にも見放され、自らアウトローになり、ギャンブルのプロの世界で生きる道を見つけたときの若い頃の話が元となり、この裏道的セオリーは成り立っています。

愚かでも、不格好でも、人間として生きて行く、それはこんな魂の技術で乗り越えて来たのだ、と静かに語る色川さんの文は鈍く光っています。

自分に運が回って来たと思っても、全体的な運の量は決まっていると冷静に判断し、次にはその分マイナス運が巡ってくることを承知した上で、最終的には「9勝6敗」になるように持っていく・・これが難しいが、ギャンブルのプロとして生きる道であり、裏道を歩く人の“しぶとい”生き方であるというわけです。

この本にも書かれているのですが、いきなり13勝してしまっても、その後に2敗し、次の局面では13連敗も有りうる、そう考えねば9勝6敗のなんとか生きて行くやり方は人生全般を見渡して出来ないのです。

理屈ではわかりそうですが、実際には、連勝につぐ連勝を遂げてしまえば有頂天になり、大きな損失を被りそうです。そんな人はたくさんいるのではないでしょうか、私の親類縁者にもそんな人が何人かおりました。
一時の飛ぶ鳥を落とす勢いはどこへやら、そしていつの間にかどこかへいなくなってしまいました。

結局、負け越したり、何とか勝ち越したりの繰り返しで、やっと生きている者が今でも何とか人生やり繰りしつつ生きながらえているのです。
そんな人生模様を色川さん独特の筆致で私達に見せてくれているのがこの著書。

色川さんは、多くの役者さんや、ミュージシャンなどが“ぶだいさん”などと呼び、「いっぱい遊んでもらった」と回想し、慕われた人だったようです。
それは、上記のような生き方を得意がるでもなく、淡々と、そして人生の浪の乗り方を自ら示しながら生きていたその姿が周囲の人々を安心させ、いつの間にか人が集まってきたのではないか、などと推察するのです。

色川武大さんの渋い、人生への技術を説いた本、面白かったです。


【Now Playing】 Decoy / Miles Davis ( Jazz )

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