前から気になっていた「仏像を見る」本、読んでみた
『見仏記/いとうせいこう・みうらじゅん(角川文庫)』を読みました。
これもブックオフ価格で二百数十円(^^;)
1993年に中央公論社から単行本として出たものの文庫化です。
いとうせいこう、みうらじゅん、という“奇才”お二人が日本各地の仏像を見てまわるという本、しかも宗教的、あるいは美術的な専門家のような見地から見るのではなく、ほんとうに“独自の見方”で仏像を見るわけで、私にも、そしてみうらじゅんさんと同行したいとうせいこうさんにも、いったいこの人は何を考えているんだ・・というような、みうらさん独自の仏像の見方があって、まずはそれに驚かされたのでした。
みうらさんの、「仏像達はミュージシャンで、極楽浄土からやって来て、お堂でコンサートを開いている・・」という理論には・・わかったような気に一瞬はなるのですが、あとでもう一回思い起こすと、さっぱりわからない(^_^;)そんなことになるのです。
また、あるときには仏像にエロチシズムを感じ、仏像相手に妄想を繰り広げるなど、想定外の話の広がりにとまどう私…σ(^_^;)
見たまんまに自分の感性をぶつけ、そこから紡ぎ出される、どこにもない“ぶっ飛んだ感想”そして、みうらさんといとうさんのちょっとギクシャクしたコンビぶりがまた面白く、ほんとうに不思議な本でした。
ただ、お二人が実際に見たときの、それぞれの仏像の写真がふんだんに入っていると、もっと面白かったのに・・などとも思いました。
でも、たぶん撮影許可が下りるということもなかなか無いのかもしれませんし、それはやはり無い物ねだりですね。
これを読んでいると、やはり「仏像は実物を実際に見に行かなくてはあまり意味がないな」と思いました。
読んでいても、お二人が仏像を目の前にして息を呑むような感じが今ひとつ伝わって来ないんです、それはやはり現地で現物を目前にしていないからでしょう。
これから仏閣を訪ねる機会がありましたら、仏像の様子にも気を配りたいと思います。
この本の著者、お二人のような独自の仏像を見る目ができるかもしれません。
【Now Playing】 I'm Thrilled / June Christy With The Johnny Guarnieri Quintet ( Jazz )
« 宙組「王家に捧ぐ歌」観てきた | トップページ | 【はっPのアナログ探訪_0050: 美しき人生(WHAT IS LIFE) / ジョージ・ハリスン(George Harrison) ( Single )】 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 古本の頁を繰っていて見つけるもの(2022.01.23)
- 中学生時代から今に至るまで、「レコード盤を貸してくれ」「CDを貸してくれ」「本を貸してくれ」と言われる話。(2021.12.21)
- 「日本人も知らなかったニッポン/桐谷エリザベス」を読みました。(2021.10.03)
- 「小林信彦 萩本欽一 ふたりの笑タイム -名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏-」を読みました。(2021.09.28)
- 坪内祐三の「最後の人声天語」を読んだ。(2021.09.25)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 巣鴨に落語を聞きに行ってきました。(2023.12.06)
- 「日本列島なぞふしぎ旅 -中国・四国編-/山本鉱太郎」という本を読んだ。(2023.11.16)
- 「宮本貴奈トリオ with エリック・ミヤシロ ~Special JAZZ Concert~」に行ってきました。(2023.10.01)
- 嵐山光三郎さんの「文人悪妻」を読みました。(2023.09.26)
- 佐倉市立美術館で開催されていた企画展「IMAGINARIUM」を見てきました。(2023.09.25)
« 宙組「王家に捧ぐ歌」観てきた | トップページ | 【はっPのアナログ探訪_0050: 美しき人生(WHAT IS LIFE) / ジョージ・ハリスン(George Harrison) ( Single )】 »
コメント