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2015/09/16

映画「あの日のように抱きしめて」を見ました

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『あの日のように抱きしめて(PHOENIX)/監督:クリスティアン・ペッツォルト、2014年・独、主演:ニーナ・ホス、ロナルト・ツェアンフェルト』を既に見ておりましたので感想を。

2015年シアトル国際映画祭・最優秀女優賞、2015年ドイツ映画賞で最優秀助演女優賞、2014年サンセバスティアン国際映画祭・国際映画批評家連盟賞などを受賞しているとのことで、実際に見た感想も力作でした。

1945年、ドイツ降伏後に主人公のネリー(ニーナ・ホス)は、アウシュビッツの強制収容所から奇跡的に生還します。
しかし、その顔は大けがを負い、親友でユダヤの機関に務めるレネ(ニーナ・クンツェンドルフ)に連れられ顔の復元手術を受けますが、元の顔には戻れませんでした。

主人公ネリーは声楽家で、夫ジョニー(ロナルド・ツェアフェルト)はピアニスト。
ロンドンで聖歌隊にいたのですが、夫と共にドイツに戻ったときに逮捕されてしまいました。

ネリーの望みはひとつ、夫ジョニーを捜して彼のもとへ帰ること。


20150915_phoenix02

親友のレネは、ネリーに対し、「あなたの夫は裏切り者、あなたの逮捕2日前に釈放され、今はあなたの財産を狙っている」と警告。

それでもネリーは、名を変えクラブ「PHOENIX」で雑用の仕事をして暮らしている夫ジョニーを見つける。
でも、ジョニーは顔の変った妻のネリーを見ても気づきません。
しかも、「死んだ妻に似ている、妻を演じてくれ、彼女の財産を山分けしよう」と持ちかけます。

驚くことに妻ネリーは、別人としてその話に乗り、密かに自分自身の筆跡を練習したり、夫が持って来たネリーの靴を履いてみたり、ドレスを着たり、髪を染め、化粧をネリーそっくり?!にして、ネリーとなるべく訓練をします。

ネリーは、映画の冒頭の頃は自信も無く、自分自身をも失っている様子。歩く姿も何かぎこちない・・これは演じるニーナ・ホスの名演技と言ってもいいと思いました。
そして、自分になるための訓練を夫も気付かないうちに夫と共に繰り返し、その中で自分を取り戻していくのです・・。これは不思議な話だ。

化粧をして、ドレスを着たときにハッとする夫、気付いたのかと思うと、あわてて「全然似ていない」と駄目を出す。
妻は死んだのだと自分自身に信じ込ませようとしているかのように見えました。


20150915_phoenix03

やがて、訓練も終え、夫ジョニーの作った筋書き通りに妻ネリーが生還してきた様子を駅で演じ、帰ってきたネリーを喜んで歓迎する人々。

その日の直前、親友のレネは自殺し、遺書には「あなたは逮捕直前に離婚されている」という新事実が書かれていました。

さあ、夫とそして出迎えてくれた人達と食事をしたあとネリーはピアノのある部屋に行って、夫ジョニーに愛の歌「スピーク・ロウ」を弾いてほしいと言い、歌いだすのです。
その時の夫は・・・。

映画はフィルムが破断したように突然終わります。
そのあとのことは映画館に足を運んだ私達の想像力、空想力にゆだねられている・・。
これはガツンと来ましたねぇ。
力作で、しかも映像が哀しいほどに美しい映画でした。
とても良かった。


【Now Playing】 Victoria / Paul Motian ( Jazz )

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» 「あの日のように抱きしめて」 [ここなつ映画レビュー]
「SPEAK LOW」…この曲だったんだ…。全編通して狂おしい程に響いてくるコントラバスの旋律の正体は。そこに全て繋がる、凄い、素晴らしいラスト。その余韻。見応えのある濃厚なサスペンスと哀しみの籠ったラブストーリー。第二次世界大戦終了直後、ユダヤ人収容所生活から永らえたものの、顔に修復のきかないほどの傷を負ったネリー(ニーナ・ホス)は、ユダヤ人活動家のレネ(ニーナ・クンツェンドルフ)に助けられ、ドイツに戻って顔の整形手術を受ける。元の自分の顔に戻して欲しかったネリーだったが、それは叶わず、別人のよう... [続きを読む]

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