『宝塚夜話・第三十七夜 < 今の娘役のキリッとした姿はいい >』
写真は、宝塚歌劇のグラフ誌「宝塚GRAPH」の10月号表紙です。
写っているのは、右が月組トップ娘役・愛希れいか(まなき・れいか)さん、左が宙組トップ娘役・実咲凜音(みさき・りおん)さん。お二人は同期の仲良しです。
どうでしょう、キリッとしてシュッとして、ひと昔前の娘役とはひと味違ったと思いませんか。
月組男役トップスターの龍真咲(りゅう・まさき)さんもコンサートのトークコーナーで言っていましたが、『娘役はもう、男役に寄り添って「あなたのお傍にずっとついて行きます」みたいなのはちょっと違うと思うよ、今は。自分というものを持って主張していかないと。』というようなことをおっしゃっていました。
まさにこの表紙のお二人はそんな感じではないでしょうか。
前作「ミュージカル 1789 」では、マリー・アントワネットを独自の存在感で堂々と示した愛希さん。
「王家に捧ぐ歌」で愛に生きる女アイーダをしっかりと演じた実咲さん。
男役スターと並び立つような存在感を感じます。
もう一人の同期トップ娘役、星組の妃海風(ひなみ・ふう)さんは、まだトップになられてからの舞台を拝見しておりませんが、専科の重鎮、轟悠(とどろき・ゆう)さんと主演した「南太平洋」では物怖じしない溌剌としたステージ姿に驚きました。
比較的昔風なトップ娘役に見える雪組の咲妃みゆ(さきひ・みゆ)さんにしても、かつて明日海りお(あすみ・りお)さんと組んだ三島由紀夫作品「春の雪」で、まるでお姉さんのような渋い演技を見せ、北翔海莉(ほくしょう・かいり)さんと組んだ「メリー・ウィドウ」では堂々と男を翻弄する未亡人を演じました。
役者としての肝の据わり方は、やはり一人の役者として立派なものを感じます。
花組トップ娘役の花乃まりあ(かの・まりあ)さんも、度胸よく、やんちゃな感じの娘を元気に演じている姿に頼もしさを感じます。
男役トップスターにただ寄り添うだけでなく、娘役が存在感を出すことによって、宝塚の最大の魅力である男役トップスターがさらに際だってくる、・・というのが最近の宝塚なのかもしれません。
次の妃海風さんと北翔海莉さんの星組トップコンビの演目「ガイズ&ドールズ」楽しみです。
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