思わず手に取ったが難しい「新・戦争論」
『新・戦争論/佐藤優・池上彰(文春新書)』を読みました。
毎日のように安全保障関連法案について報道され、デモなども起こっている世の中、思わず手に取った本なのですが、「イスラム国」での中東混乱の様子をイスラエル、サウジアラビア、シリア、アメリカを含め詳しく解説し、佐藤氏、池上氏共に持ちうる知識をフルに使われているので・・もう、私には様々な〇〇派の名前を覚えるだけでお手上げ状態になりました。
もちろん中国、韓国、北朝鮮についても現在の様々な危機的状況が示され、あまりにも多くの問題を抱えている(もちろん日本も)のを読んで、私のようなちっぽけな人間が何を考えればいいのだろうと、茫然自失に。
一般に言われている各国の状況は、お二人の情報解析によれば、全く異なる考え方が示され、目からウロコです。単に軍事的、経済的な状況以外の人種問題や歴史の経緯を含めたその深い読みにも驚きました。
最後の方でお二人が語っているのですが、お二人とも膨大な情報が流れている今の世界でどうやって知識を取り入れ、取捨選択しているのかとても気になりました。
お二人ともネットの情報はもちろん取り入れているのですが、新聞など“紙”媒体をとても大切にされています。
色々な方向から情報を入れ、そしてこれも驚いたのですが、お二人だけが獲得している特殊なルートからももちろん情報は入れるのですが、主なルートは公になっている情報だということでした。
つまり、公になっているHPや文書などの中からいかに隠れている事実を見つけ出すのか、ということのようです。
お二人は毎日ネットも含め新聞だけでも十紙以上を読まれているのですが、私はせめて新聞に書かれている中から、何か“これは?”と思うようなことに気づけるようにしたいと思いました。
現在、仕事上でも感じているのですが、新聞を購読している人ってかなり減少しているんですよね、「ネットで見りゃいいだろう」って。
それは、以前の職場での若い人達もそういうことを言っていましたが、何か“操作されやすい”ような気がするんですよね。
ネットで多数派に見える意見は実はそんなでもないってことは多々あると思いますし、首相がネットを良く見ているっていうのもすごく気になります、危うい予感がするのです。
それに、私が見ているとネット上の短絡的な意見や、あまりにも稚拙と感じる表現、さらに誤字脱字、言葉遣いの誤りも毎日数十件も発見します。安易に過ぎるネットでの報道や表現には注意したいと思いました。この本でも一部そのような指摘がされていました。
いい歳して、もう一度勉強し直しだな、と感じた本でした。お恥ずかしい・・。
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