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2015/10/22

野坂昭如さんの『エロ事師たち』を読んだ

20151022_akiyuki_nosaka01

『エロ事師たち/野坂昭如著(新潮文庫)』を読みました。1963年、野坂さんの処女小説です。
この著作あることは知っていましたが、中身は知りませんでした。
今の世の中に出したら(・・出せない?)、大問題作、あるいは出版禁止になったかもしれません。

戦後のドサクサから生きる術を時代の激流・濁流の中から見いだし、それがお上の目をうまいことかわして、男というどうしようもない助平な生き物に享楽のあらゆる手管を提供するという仕事で、この物語の主人公「スブやん」と、その周りにいる「エロ事師」仲間が繰り広げる享楽と猥雑の世界です。

ある程度の金持ち、経営者などの間を営業して回り、猥褻写真や、フィルムを売ったり、上映したり、またスブやんや、仲間達が見つけてきた女性をいかにも見合いのように紹介したり、次々と新しい享楽の世界を生み出して行きます。

主人公・スブやんの妻はバツイチで女子高生の連れ子付き。
その妻が亡くなってしまったあとに、連れ子の女の子とどうにかなりそうになったところでは、“おいおい”と思いましたが、この出来事が後半のスブやんの生き方、エロ事師としての夢?のようなものの方向性を決めることになります。
前半も映画のラッシュを見るような速く、激しい展開でしたが、後半も怒濤の展開となり、最後まで息をもつかせぬストーリーでした。

エロ事師たちの自らの仕事を芸術であるという意気のようなもの、エロ事師たちの力を借りて自らの欲望の限りを突き詰めようとする男どもの様子、すべてが野坂さんの流れるような淀みない筆致で書かれ、正直言ってこんなに読みやすくユーモアもあり、ドロドロの男と女の話を厭な感じをさせずに読ませる小説を今まで目にしたことはありませんでした。

それに、女性の描き方も単にエロ事師たちの道具のようにはならずに、むしろ男よりもひとつもふたつも上の世界で生きているような、野坂さんの女性観の深さを感じるものでした。

う~む、これは・・これは凄い!と、うなってしまった小説でした。


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