映画「マイ・ファニー・レディ」を見た
映画『マイ・ファニー・レディ(She's Funny That Way)/2014年・米 監督・脚本:ピーター・ボグダノヴィッチ 主演:イモージェン・プーツ、オーウェン・ウィルソン』を見ました。
これはブロードウェイを舞台とした物語で、主人公の「イザベラ“イジー”パターソン」を演じるイモージェン・プーツがニューヨークのバーで記者からインタビューを受けて回想するという形で次々と回想シーンが繰り広げられていく“面白い作り”になっていました。
主役のイモージェン・プーツは独特の魅力ある女優でした。
コールガールからひょんなきっかけでブロードウェイ・ミュージカルのオーディションに合格、でもその演出家でオーディションの審査員の一人はコールガールとしてのお客だった男・・。
そんなびっくりなエピソードはこの映画のほんの軽い“振り”でした。
出てくる人、出てくる人、それぞれが何人もの登場人物と偶然というには出来すぎるくらい絡んでいて、間一髪のタイミングで最悪の遭遇を免れたり、免れずに女性からパンチをもらいKOされたり(^^;)、息をもつかせぬスクリューボール・コメディな展開が楽しいやら可笑しいやらハラハラするやらで、まさに大人のエンターテインメント映画でした。
男は、女に関しては滅法ルーズでスケベな気持ちを隠せず、その場しのぎ、見栄を張り、でもロマンティスト・・。
女は、恋愛に身を焦がすのかと思っていると、いやいや打算的であり、女性同士では本性むき出しのバトルを演じ、男を信じることが出来ず、自らをグレードアップするためには手段を選ばない・・。
そんなエピソードが連射され、客席では笑いと、軽蔑のブーイングと、シニカルな咳払い、しょせん男と女はこんなもの・・という妙に安堵感あるため息がもれていました。
こりゃ素晴らしい出来上がりの映画でした。
今回も千葉劇場というマイナーな映画を主に扱うところで上演されている作品をご紹介したのですが、メジャーなシネコンなどは、大作主義、超娯楽作品主義、そしてメジャーな出演者のいる作品主義、・・そして破壊、暴力、戦闘なども主力を占めているようで、私など、この作品なんかは絶対に多くの人に“ウケる”と思うんですけど・・男と女のシニカルな大人のコメディなんてのはダメなんでしょうね。
引き続き私はいつもご紹介しているような作品を楽しみながら、せっかくですからこのブログでご紹介するつもりです。
次に見ようと思っている作品は1月まで待たねばならないのですが、見たらまたご紹介いたしますね。それも老夫婦がニューヨークで繰り広げる面白いお話みたいです。
【Now Playing】 アートドラマ 美女と巨匠・ヒッチコックを愛した女 / 戸田恵子 ( NHK-AM )
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