米国人からみた“赤提灯の魅力”を読んでみた
『日本の居酒屋文化/マイク・モラスキー著(光文社新書)』を読みました。
著者が<第三の場>と呼んでいる“居酒屋”。
パリのカフェや、イギリスのパブ、ドイツのビヤガーデンとも異なる魅力ある場所について大学教授のマイク・モラスキーさん(1976年初来日)が探求しています。
第三の場を簡単にいうと、とりたてて行く必要はないが、常連客にとって非常に居心地がよいゆえに行きたくなる場所。
会員制にはなっておらず、予約するような場所でもない。
いつでもひとりでふらっと立ち寄って、店主やほかの常連客に歓迎される。
そして帰りたいと思ったら、いつでも帰ればよい。
第一の場である家庭とも、第二の場所である職場とも著しく違うもの・・と、おっしゃっています。
たしかに居酒屋の理想って、そんな所ですよねぇ(゚ー゚*)。oO
大学教授らしく、酒場の種類と特徴を、立ち呑み屋、大衆酒場、焼き鳥屋、モツ焼き屋、串カツ・串揚げ、炉端焼き、郷土料理、おでん屋などなどに分類して、そりゃもう詳しく解析しています。
日本人でもここまで突っ込んで居酒屋関係を探求している人はいないでしょう。
屋台や角打ち、和風バーやスナック、小料理、蕎麦屋、寿司屋などについても、その場のあり方について解説が入り、街という空間にどういう風に存在しているのが居酒屋か、なんてことにもかなり深く分け入っているのです。
何といっても、居酒屋の居心地のよさは、その場での人間関係の微妙な“ゆるさ”にあるようにこの本を読んでいて感じました。
最終的には、自分で穴場を“嗅ぎつける”ところまでいくのですが、いやはや外国籍の人にこれほど教えてもらうとは思いませんでした(^^;)
・・実際、読んでいて外国の方の文とは思えなかったのですが・・。
いい本を読みました。
私のリタイア後の居酒屋ライフの参考になったと思います。
【Now Playing】 歌が聴きたい / 保科有里他 ( TBSラジオ )
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