映画「ニューヨーク眺めのいい部屋売ります」を見ました
映画『ニューヨーク眺めのいい部屋売ります(5 flights up)/2014年アメリカ 監督:リチャード・ロンクレイン 主演:モーガン・フリーマン、ダイアン・キートン』を見ました。
いつもの如く、千葉劇場で見たのですが、驚きました。
上映開始二日目、朝一番の回だったのですが、“満席”です。最前列の席まで空いている席はひとつも無し!'(*゚▽゚*)'千葉劇場で初めての経験でした。
それほど期待度の高い映画ってことでしょう。お客さんはこの物語の主演二人のようにリタイア後の老夫婦が多かったです。内容的にも興味津々だったのではないでしょうか。
物語はブルックリンに住む黒人男性アレックス(モーガン・フリーマン)と、白人女性ルース(ダイアン・キートン)の老夫婦が40年住まったブルックリンを一望できる眺めを持つアパートメント最上階(5階)の部屋を売ろうとするところから始まります。
屋上に菜園もあるそのアパートメントは、住まい始めた頃からは周囲の様子も変って、今となっては老夫婦にとって素敵な環境なのですが、・・・エレベーターが無いことが老い始めた二人、そして飼っている老犬にも負担となりつつあったのです。
そこで、内覧会を行って現在の住まいを売り、エレベーター付きの家に移り住もうとするわけですが、内覧会に集まってくる人たちのそれぞれの個性が際立ち、また仲介を頼んだリリー(シンシア・ニクソン)の“超やり手”ぶりがまたこの物語のテンポをリズミカルにして、そのドタバタぶりに振り回されるモーガン・フリーマンとダイアン・キートンの夫婦の動揺する様子が面白いのです。
そして、アメリカ30州で黒人と白人の結婚が禁止されていた時代に結婚した主人公夫婦の『愛』はあまりにも素敵で胸がジーンとしてしまいます。
二人の若い頃を演じたコーリー・ジャクソン(アレックス)とクレア・ヴァン・ダー・ブーム(ルース)の若々しい二人の出会いの頃の“みずみずしさ”と若さゆえの勢い余った行動なども胸を熱くさせてくれました。これも物語全体に厚みと深さを増していたように思います。
とにかく主演二人の夫婦ぶりは、あまりにもしっくりときていて、その円熟した演技に魅了されました。
それに、ニューヨーク、ブルックリンの古く美しい街並みなどがより郷愁のようなものを誘うのでした。
お客さんが満員になるのもうなずけます。
これはいい映画でした。
決して大作ではなく、舞台もブルックリン、ニューヨークの限られた場所、キャストも少数精鋭、“こぢんまり”とした映画なのに、その精神世界は広く豊かなものでした。
これは“おすすめ”です。
【Now Playing】 あなたに今夜はワインをふりかけ / 沢田研二 ( 歌謡曲 )
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