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2016/01/16

「ぼくたち日本の味方です」を読んだが・・

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『ぼくたち日本の味方です/内田樹・高橋源一郎著(文春文庫)』を読みました。
この本は自民から民主に政権交代があった頃、東日本大震災のあった頃、それに伴う原子力発電所の大きな事故が発生した頃、大阪都構想が話題になった頃、尖閣諸島沖で中国漁船衝突事件が発生した頃・・、そうそう、いろいろな事が次から次へと起こり、人々が今まで持っていた概念、信念のようなもの、虚像みたいなものが崩壊した時代と言ってもいいかもしれません。

私もその頃から自分の持つ考え方の基盤のようなものが崩れ落ちたような気がします。

例えば原発の事故が発生したときも、正確なというか、正直な報道などはされなかったし、政府の対応にも驚きました。
国民のことなんか考えている人は少ないのだとあらためて感じましたし、人は「嘘」と薄々わかっているのに、突っ込まずになんとなく見過ごしてしまう。
きっと、戦争に向かって行った時にも誰かの思惑に薄々気づいているのに漏斗に水が入っていくように事態は進んでしまったのだろうな、と思いました。

この本は対談形式で進められたものをまとめたものでしたが、次々と起こる様々な事象に批評・論評がなされ、私にはちょっと“斜に構えた”ポーズのようなものが馴染めず、最後まで入り込むことが出来ませんでした。

いろいろなことに“おろおろ”している人や、組織、マスコミ、世間に対して“おちょくり過ぎ”な気がして、途中でイヤになってしまいました。
それに、私が勉強不足なのかもしれませんが、使っている表現や言葉が今ひとつ分かり難いのです。ちょっとインテリぶっている感じがまた鼻につきました。ごめんなさい。

今起こっている難しい事象に冷静かつ沈着、正しいであろう判断の出来ないやつは置いていく・・みたいに読め、“置いてきぼり”にされた自分の身の置き場に困りました。

それでも、大阪の橋本徹氏のことを「有権者の知性を低く見積もっている」「石原慎太郎も河村たかしも同じで、そこには共感できない」という部分には私も同感しました。

『「本音」の言語をしゃべって人気者になったけど、そこでの「本音」とは、人を低く見積もって出てくるもので、絶対理想を語らない』・・この部分にもまったくそうだと思いました。

「あんたら結局金が欲しいんでしょ」というのが人を低く見積もった結論のような気がします。
でもねぇ、金は欲しいけど、そうじゃないんだ人は。
理想を語らなければ最終的には人はついてこないのに、「自分の周りはバカばっか、金のことしか考えていない」と思っているから「都構想」というシステムは考えつくけど、その先の理想にはたどり着かない。私は前回の投票で都構想が否決された時にそう思いました。システムだけのために人は想いを熱くできないんだと思います。

性悪説にもとづいて動くから自分に反対する人を徹底的にやっつける、・・そんなことしたって意味もなく、先がないことがきっとわからないのだとも思いました。

イヤな本でしたが、でも気づかされたことはいくつかありました。
ラジオで聞く高橋源一郎さんのお話などは、非常におもしろく感じていたのですが、この対談本は性に合いませんでした。そういうこともあるでしょ。


【Now Playing】 Stupendous / Charlie Parker ( Jazz )

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