【はっPのアナログ探訪_0086: One Man Dog / James Taylor ( LP )】
アナログ探訪、今回はジェイムス・テイラーです。
「ワン・マン・ドッグ」というこのアルバムはA、B面合わせて18曲入りという多曲構成です。
なんか、やりかけで終わっちゃったみたいな曲もあるし、インストゥルメンタルで短~い曲もあるし、どういう意図で作られたものなのか測りかねる部分もありますが、素直にレコード盤に針を落として聞いていると、実に自然に心の中に入ってくる曲ばかりです。
ロスやニューヨークで録音されたものもあれば、テイラーの自宅で録音された曲もあるようで、全体としてもアットホームな印象が強くなっています。それにプライベートを感じさせるひっそりとした感覚もあります。
サウンドも過剰なエコーなどを掛けず、まったくの自然な音です。
ドラムも残響音の少ないしっかりとした乾いた音で、これまた心を落ち着かせてくれます。
サックスの音などもリバーブなども掛っていない、ナチュラルなもの。これを聞いていると自分はけっこう“アコースティック好き”なんじゃないかと思ってしまいます。
1分や、1分ちょっと、20数秒なんて超短い曲もあるのですが、目くじら立てずに聞いていれば、これはこれでいいアルバムです。
細野晴臣さんがこのアルバムに対して、当時のニューミュージック・マガジンで「感想を書けと言われても数行で終わってしまう。全部同じような曲だし」みたいなことを書いていて、「そう聞けば、そう聞くこともできるけど、いいんじゃないの自然なところが」というのが2016年にあらためてこの1970年代前半のアルバムを聞き直しての感想です。
やさしい感じもありますね。こういう音楽、今は皆無といってもいいでしょう。
ひとりの人間らしく、素直に聞いて、素直にささやかな音楽の喜びを知る・・そんなアルバムでした。
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