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2016/02/27

映画「アンジェリカの微笑み」を見ました

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映画『アンジェリカの微笑み(O ESTRANHO CASO DE ANGELICA)/2010年 ポルトガル・スペイン・フランス・ブラジル 監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ 主演:リカルド・トレパ、ピラール・ロペス・デ・アジャラ』を見ました。

監督は106歳でこの世を去り、101歳のときにこの作品を作っています。
101歳にしてこの色彩感、そして匂い立つような美しさへの憧憬を感じ、驚きました。

舞台はポルトガル。ドウロ河流域の町。
ユダヤ人青年イザク(主演:リカルド・トレパ)が、雨の降りしきる深夜に名家ポルタス館の執事に写真撮影を依頼されるところから始まります。
もとはといえば、その町の写真館の店主がポルトに出掛けて留守であったために、写真を撮るのが趣味であった主役イザクに依頼が回ってきたものでした。


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で、その撮影対象は、ポルタス館の結婚したばかりだった若い娘アンジェリカ(ピラール・ロペス・デ・アジャラ)の遺体。
亡くなったばかりで、死を悼む遺族が集まっているその場所に連れられて行ったのです。
もうここで、この映画の不思議な世界が始まります。

白い花嫁衣装で寝椅子に横たえられていたアンジェリカ。
輝くばかりの美しさです。

それをイザクが驚きながら撮影。カメラを構えた瞬間にアンジェリカがファインダーの中でイザクに微笑みかけました。それがイザクの幻想なのか、事実なのかはわからず、帰宅し、原像し、印画紙を紐を張った洗濯ばさみに留めて乾かし、それをイザクがあらためて見ると・・また微笑みかけるアンジェリカ!・・。

そこからはイザクの見る幻影なのか、それともアンジェリカの霊が現われるのか、見ているこちらにはわからぬまま深夜にアンジェリカが現われ、イザクの分身と共にドウロ河の上を浮遊したり、アンジェリカの気配を感じるのに振り返ると消えてしまうような経験をしつつ、イザクは遺体を撮影したのみのアンジェリカの虜になっていきます。

実体もなく、遺体の美しい記憶のみのアンジェリカがイザクの心に深く入り込みます。
この舞台が現代であるのに登場する人達は50年も前の人達のような振る舞いを見せ、その中でイザクはアンジェリカの囚われの身となり・・奇態な末路を迎えます。

101歳の監督が描いた映画全体に漂う不思議な感覚。
そして、美や宗教に対する独特のとらえ方、現代といにしえの人々の営みに対する対比の仕方、すべてが結論を得ぬまま霧のように物語りを支配し、見ているものに捉えようのないインパクトを与える・・そんな映画でした。

上映している映画館は限られているようですが、これはマニアックにして、映画好きな人の心をくすぐる作品だと思いました。特定の人におすすめですね(*^_^*)


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