太田和彦さんの「ニッポンぶらり旅」の本、また読みました
『熊本の桜納豆は下品でうまい/太田和彦著(集英社文庫)』を読みました。
いつぞやもこのブログでご紹介した“居酒屋達人”太田和彦さんの「ニッポンぶらり旅」シリーズ本です。
今回は、大阪、熊本、伊勢、浅草、仙台、神戸、松江、米子を訪ねています。
この本のタイトルは、熊本を訪れたときの『居酒屋・天草』で「これは良さそうだ」と注文した<桜納豆>の項の表題をそのまま持って来たものです。
納豆と馬刺しでエイヤとかき混ぜ、竹箸がしなるくらいの重さにして、甘い醤油をさしてさらに混ぜた・・たしかに下品だがうまそう!d(^_^o)
こういうものを全国の居酒屋を歩いて見つけるのも楽しいでしょうね。
各地の居酒屋の戸を開けると、「オッ、太田さん」「あら、太田さん」と店の大将や女将さんに迎えられる太田さん、いいなぁうらやましい(^_^;)
前回このシリーズ本をご紹介したときにも書きましたが、太田さんは通りすがりの呑兵衛ではなく、お店の方とお話をして、地元の方ともお話をして、すっかり地の人たちの心の中に入ってしまい、さまざまなエピソードと共にその居酒屋での時間を共有し、うらやましいほどの素敵な想い出を紡いでいるように感じます。
太田さんの紹介する居酒屋には、私の行ったことがある店があったりして、今回も松江の「やまいち」を先代のご主人の思い出と共に紹介。たしかに素晴らしい店でした。料理の美味しさもピカイチ!
「トビウオの刺身」「しめ鯖」「しじみ汁」どれも今まで食べたことのない新鮮ではげしくうまい逸品でした。
浅草では、明治二十年創業の老舗「大黒家」に天ぷらを食べに向かう太田さん。
私も大黒家に行って、蕎麦と天ぷらをいただいたことがありますが、さすがにうまいっ!うまかった・・。小上がりでは炭火で海苔を焼きながら燗で酒をやっている老夫婦がいたりして、「たたみいわし」や「板わさ」「卵焼き」などを次々と注文するその姿にうなっちゃいましたっけ。
太田さんはこの日、天丼を注文。よく揚がった硬めの衣がつゆをくぐり、じっとりと濡れ、海老尻尾は丼からはみ出す・・好物のそんな様子を書かれています。
近年、外国からのお客さんも多くなったらしい浅草。私も再度行ってみたくなりました。
ついでに落語なども聞いてくるとより楽しくなりそうです。
とにかく、太田さんの愛溢れる地方の様子の紹介、お店と店主、店員の様子を微笑ましくエピソードと共に綴るその巧みな文、美味しい料理とお酒への類い希な麗しい描写には今回もただ惚れ惚れとするばかりでした。
まだ太田さんの著書は何冊か買いだめてあるので、また読むのが楽しみです。
そして、読後にはまたこのブログでご紹介しますね(#^.^#)
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