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2016/03/06

「ドビュッシーとの散歩」を読んだ

20160305_aoyagi_izumiko01

『ドビュッシーとの散歩/青柳いづみこ著(中公文庫)』を読みました。
ピアニストで文筆家。ドビュッシーの演奏・解釈の第一人者です。

私にとってドビュッシーは、とても幻想的で、物語り的、色彩感あふれ、最初に聞いたときには現代にまだ生きている人なのかと思っていました。つまり、それほど現代に聞いても違和感のない音楽でした。

とにかくドビュッシーの数々の作品について著者のあれこれとエピソードを注ぎ込んだ解説、解釈、演奏作法の手ほどきのようなもの・・などが次から次へとなされていて、とても読んでいて面白い本でした。

「沈める寺」という曲は、かつて栄華を誇った街にあった寺院が、街ごと寂れ、森の中に沈むように廃墟化している・・というようなことだと思っていたのですが、まったく違っていました。
イスというとても栄えた実在の街があり、そこにあったカテドラル。
四~五世紀頃、悪魔にそそのかされた王女が水門をあけたために一夜にして海の底に沈んでしまった・・そんな話が元にになっていたのですね、この本で初めて知りました。

今も水辺にたたずむと、波間からかすかに僧侶の読経と鐘の音が聴こえてくる。
そうかそうだったのか、次回からこの曲を聞くときの気持ちの持ちようが変りました。
また新たな世界が見えてきそうです。

ちなみにイスという街は花の都パリの語源だそうで、「パール・イス」つまりイスを超える街になりたいという願いが結実したのがパリという街の名なのだそうですよ、知らなかったぞ・・。

また著者によると、ドビュッシーは崩壊しつつあった機能和声にかわるものとして、東洋的な音階や美意識をよりどころにしていたようです。
絵画でいえば遠近法にあたる機能和声をできるだけあいまいにして、ほわんと宙に浮いているような音楽を書こうとしていたのではないかと書かれていましたが、そうかもしれないと思いました。

レインボーカクテルという比重の異なるリキュールを重たい順に注ぎ、下から段々に層をなしていくお酒があるのですが、ドビュッシーの「十二の練習曲」中「対比音のための」を弾くとこのカクテルのようなそれぞれの層が水平に展開して全体としてひとつの音響宇宙が形づくられている・・というくだりなどを読んでいて、思わずうなってしまいました。
うまい表現です。
この本では数々の音楽を文に表わす表現が出て来ますが、わかりやすいのに細部にわたって詳しく書き表されていて、私も音楽についての文を書くときの参考にしたいと思いました。・・こんな達人の領域には足もとにも及びませんが・・。


【Now Playing】 大人のジャズタイム / 島崎保彦他 ( ラジオ日本 )

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