本棚に関する23編のエッセイ本を読んだ
『私の本棚/新潮社編(新潮文庫)』を読みました。
この本は、作家から文学者、研究者、デザイナー、芸術家、登山家、タレント、とにかく様々な人達の自己の本棚についてのエッセイをまとめたものです。
だから、私のような本好きにとってはこの上もなく面白い本でした(^-^)
それぞれに読んでいる本、収集している本、仕事柄集まってしまう本は異なり、それについてのエピソードも私の知らない世界を知ることになり面白かったのですが、本が増えることについての悩みはどなたも似ていました。
増えてくる本を本棚に収めたい、収めるためのスペースを作りたい、借りたい、・・で場所を得て収まる・・余白のような棚がまだあって安心して買いあさる・・またスペースが足りなくなる・・移転するなどしてまた場所を得るが、金銭的な問題で限界が生じる・・どうもならん(^_^;)・・そんな状態です、皆さんd(^_^o)
やがて床に本が拡がり出すともういけません。
家族から疎まれ、にっちもさっちもいかなくなる、・・永遠の命題に向き合うこととなるのでした。
幾人かは違いましたが、ほとんどの人が多すぎる本を本棚や廊下やあちこちに置き、でもだいたいどこに求める本があるかわかっていて、仮にわからなくてもそれを宝物を探すように捜し当て、そのときの喜びの様子が書かれています。
本と一緒に暮らすのがうれしいのですよね、私にもその気持ち、よくわかります(*^_^*)
来たるべき未来には、木製の本棚に書籍を並べて“悦に入る”なんて行為が限りある森林資源に対する許されない行為となり、逆にご法度のパルプ原料の本物の紙に印刷された非立体処理のされた平面印刷という、その道の人には垂涎の秘密本・・今の我々の時代の本のことですけど・・が超高級希少製品になるのではないか、なんてエッセイもありました。
はたして、デジタル化が異常に進化している世界がそんなことになるのか・・その頃には私もこの世にいないかもしれませんが。
とにかく本好きにはうれしい本の話題ばかりの本。そしてそれぞれの方達の本棚の写真を見ていると、ひとの本棚なのにとてもわくわくするのでした。
あっという間の読了と相成りました。
【Now Playing】 Man We Was Lonely / Paul McCartney ( Rock )
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